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【奈良】出身県をもっと知る旅

みなさんこんにちは、結城です。

みなさんは、ご自身の出身都道府県について、どれくらいご存知でしょうか?

都道府県の隅々まで知り尽くしているよという方、自宅近辺の事は分かるけど行ったことのない地域を挙げれば枚挙に暇がないという方。
誕生から現在までずっと同じ地域に住んでいるという方、何度も引っ越しを繰り返しているという方……。

このように、地元に対する詳しさというものは、まさに千差万別であるように思います。


かくいう僕は奈良県の出身なのですが、どちらかといえば奈良に詳しくありません。

特に、県庁所在地であり県随一の観光都市である奈良市からはやや離れた地域に住んでいるため、あまり奈良市に足を運んだことがなく、どこに何があるかすらよく知りません。
学校の遠足で東大寺に行かされ、後はショッピングに数回行った程度。
しかも、それも何年も前の話なので、遠足の記憶などほとんど消えてしまっています。
記憶の上では実質、奈良市の観光地は一つも行ったことがない状態なのです。


この事に最近気がついた僕は、流石に県民としてこの惨状はマズいだろうと焦りを感じ始めました。
奈良についてもっと知らねば!という気持ちがふつふつと沸き上がってきたのです。

ということで、今回は、そんな奈良市で一日を過ごしてみました

これで堂々と県民を名乗れます……よね?




それでは、行ってきます。

太陽はカンカン。準備は万端。
この日のためにしっかりとリサーチを済ませておき、タイムテーブルもガチガチに固めています。
秋ということで、紅葉も見回るつもりです。


電車を使って奈良駅へ向かいます。ゴトンゴトンしています。

常に情報の出し入れをしていないと気が済まないため、スマートフォンでWikipediaを読みながら電車に揺られます。アプリ版は使い勝手が良くおすすめ。
野生のハムスターというものを聞いたことがないな~とふと気になったので、ハムスターについてのWikipediaを読みます。


ペットとして飼われているゴールデンハムスターは1930年にシリアで捕獲された1匹の雌とその12匹の仔の子孫がイギリスで繁殖され、世界中に広まったものである。その後、野生種は発見されていないため、現存するゴールデンハムスターは皆彼らの子孫である。

出典:フリー百科事典Wikipedia

ですって。


また、電車内には海外の旅行者らしき家族がいて、観光の戻りを感じましたね。



JR奈良駅

さて、JR奈良駅にやって参りました。

駅舎を撮り忘れたので駅周辺の街並み

駅前では、ウクライナ侵攻に対する反戦デモ?呼びかけ?が十数人体制で行われていました。時世を感じます。
日本でのこれがロシアまでどうやって届くのかは不勉強なので存じ上げませんが、戦争を望んでいないという点では僕も彼らと全くの同意見です。現地まで届くよう祈っておきましょう。二礼二拍手一礼。

そして、奈良市に降り立って驚いたのが、外国人観光客の多さ。
ちょっと前までは大阪に行ってもなかなか見かけませんでしたが、規制が緩まり、少しずつコロナ以前に戻りつつあるのでしょうか。



中華処 青天

時刻は11時過ぎ。朝食を控えめに摂ったので、そろそろお腹が空いてきたお年頃。
JR奈良駅から10分ほど歩き、「中華処 青天」に到着。ここで早めの昼食とします。

東向商店街の側面の奥まったところに店を構える、秘密基地的な中華料理店。
今までは家の麻婆豆腐しか食べたことがなく、もっと本格的なものを食べてみたいと思い、このお店を選びました。


――ちなみに、麻婆豆腐の「麻婆」はあの味のことを表すのではありません。
考案者である女性の顔に、麻点すなわち痘痕があったことに由来するといいます。つまり、麻婆は「痘痕(麻)のある女将さん(婆)」の意で、考案者のことを指しているのです。
よって、中国では「麻婆茄子」とかは言わないらしいですね。


……最近仕入れたうんちくをつい話してしまいましたが、話を戻しましょう。

お店は表通りからは見えにくい位置にあり、わくわくしながら通路を進みます。

扉を開けて入店すると、11時に開店したばかりなのに、店内はすでにほぼ満席。運良く1席だけ空きがあり、カウンターのその席に着座。
「中華料理屋」と聞くとなんとなく油まみれで汚いような偏見がありましたが、こちらはそんなこともなく、良さげな雰囲気でした。

麻婆豆腐を食べたい僕が注文したのは、青天定食。1100円。
店員さんによると、かなりの痺れ系麻婆豆腐とのことです。
食べられるか少し心配ではありますが、(あくまでも常識の範囲内で)辛いものは好きなので、多分大丈夫でしょう。

左上から、
揚げ物盛り合わせ(春巻き・唐揚げ・揚げ餃子・サラダ)・小鉢(安納芋のレモン煮・キャベツの漬物)・中華スープ・白ご飯・麻婆豆腐

メインの麻婆豆腐は、ヤマトポークを使用した大ぶりの挽き肉の旨味がじわりと溶け出していて、絹ごし豆腐は柔らかめでとろとろ。山椒も負けじと香っており、ご飯をかきこまざるを得ない味付けにあっさりと懐柔されてしまいました。
唐辛子の辛さは抑えめで、山椒のほうにかなりこだわっている麻婆豆腐だそうです。麻味マーウェイですね。
その山椒の強さはというと、僕が普段から家の料理に一味をかけまくっているせいか、舌と唇がやや痺れる程度。ビビらずに机上にあった四川山椒を追加していたら、さらに美味しかったかもしれない。微量な後悔が残ります。
とはいえ、僕史上初の本格麻婆豆腐ということで、総じて非常に大満足でした。

そして、メインの麻婆豆腐のせいでモブとして霞んでしまった感はどうしても否めませんが、揚げ物盛り合わせも小鉢もめちゃめちゃに旨かったですね。
もちろんスープも白ご飯も美味しく、この質と量のランチが1100円で食べられるとは、はちゃめちゃにお得。

奈良に来た際にはすべからく訪れるべきお店でした。



瑜伽神社

お腹も無事に膨張したところで、続いては瑜伽神社に行きます。

僕はあまり聞き馴染みのない神社ですが、古くから紅葉の名所として知られているそうです。

住宅街の一角に突如として現れる鳥居。
拝殿が階段の上に建っていて下からは見えず、危うく通り過ぎるところでした。危ない危ない。


スマホの広角レンズ、歪みがすごい

段差低めの階段を上り、拝殿とご対面。
お賽銭+撮影させてもらう料として10円玉を投げ込みます。二礼二拍手一礼。
紅葉は多少緑色が残っていたものの、神社の朱色と紅葉の赤色がベストマッチしていました。

単刀直入に言うと、この瑜伽神社は紅葉の季節に激烈おすすめです。ゲキレツオススメ。

まず、人が少ない。いわゆる穴場スポットというやつ。
土曜日のお昼でしたが、僕がカメラ片手に撮影していた数十分の間にも、一人きりになる瞬間が何度もありました。
ゆっくりと紅葉を楽しみたい方にもってこいの場所です。

そして、小高いところにあって雰囲気が良く、下界の喧騒からの隔絶を味わえます。
フレッシュな高校生たちがひしめき合う中で普段を過ごしている僕にとって、神社という厳かで静謐な空間は、なかなかに心地の良いものでした。

極めつけは、紅葉がもう綺麗すぎる。
お世辞にも広いとは言えない神社ですが、だからこそ神社に溢れるような紅葉の美しさは群を抜いています。

語彙力と文章力不足のせいでなかなか上手く伝えられませんが、とにかく訪れて良かったと思えました。
今回の旅で最も気に入った場所でもあります。


以下、そこそこ出来の良い写真を撮れたつもりです。

朱色が本当に綺麗
紅葉を見る狐
秋専用筆箱



入江泰吉記念奈良市写真美術館

さて、名残惜しいですが紅葉狩りは一旦休憩。

お次は、入江泰吉記念奈良市写真美術館を訪問したいと思います。
先ほどの瑜伽神社からはまあまあ歩きます。涼しかったからいいものの、夏ならバスを使いたくなる距離かも。


瓦とガラスがおしゃれ

長ったらしい名前ですが、要するに、奈良を代表する写真家である入江泰吉氏の写真が展示されてあったりする美術館です。
西日本で初めての、写真専門の美術館だそうです。

先日開催された奈良県総合文化祭に出品した写真が展示されているそうなので、見に行ってきました。
展示作品は大きくプリントされていて、パソコンの画面上とはまた違った感動があります。

その他、企画展としてプロの写真家さんの作品も鑑賞でき、非常に落ち着いた楽しいひとときを過ごせました。


展示を鑑賞して得た学びは主に以下の3つ。

  • 作品の評価時期はいつ来るか分からない。当時の世相を写した写真などは、かなり時間が経ってから評価されることもあり得る。

  • インスタ映えという概念が写真に良くない影響を及ぼしているかもしれない。インスタで見たような写真しか撮れなくなっている気がしてきた。芯を持ちたい。

  • テーマを明確にしたい。ひと目見て「自分の写真だ!」と思える何かを見つけたい。


僕も写真を撮る身なので、とてもためになる美術館でした。



浮御堂とその付近

それでは、写真の奥深さに浸ったところで、再び紅葉を愛でていこうと思います。愛でるぞ~!

下の写真の浮見堂や、その周囲に広がる荒池園地などの奈良公園内を散策していきます。

リフレクションに和を感じる

くどいようですが、それにしても、この辺りは本当に海外の方が多いですね。数年ぶりに見た懐かしい光景です。
海外の方はマスクをしていない人も多く、行き交う人々にエキゾチシズムを感じることができました。
日本では半ばマスクを強制する雰囲気があるように感じますが、海外ではどうなんでしょうか。それとも旅行だからハメとともにマスクまで外してるのか。僕自身が海外に詳しくないので、その辺の事情も今度調べてみたいですね。
まあマスクをする・しないはともかく、せっかく日本に来たのだから楽しんで帰ってほしいと心底思います。

それにしても、この辺りは本当に鹿も多いですね。数年ぶりに見た懐かしい光景です(僕が来てないだけ)。
車道をのうのうと横断している鹿を見ると、「奈良キター!」という感じがします。
そういえばサムネイルの写真も、浮見堂の近くで撮ったやつでした。



奈良県庁舎屋上広場

さあさあ、いよいよこの旅も大詰め。

最後の締めとして、奈良県庁舎屋上広場に行こうと思います。

こちらはその名の通り、奈良県庁の屋上にあります。
奈良県庁は、奈良市内の近現代に建てられた建物の中で最も高い建物だそうです。50mもないくらいの高さですが、奈良市内は景観を守るための条例があり、高層ビルなどを建築できないのです。

屋上からの景色に期待がかかります。


正面玄関を入って左のエレベーターから最上階へ上り、屋上広場へ。

芝生やベンチまで備わっており、かなり広々としている。
奥に見えるのは若草山
興福寺五重塔もこの通り

どうです、この澄み渡るような開放感溢れる屋上!

写真ではどうしても伝わりにくくなってしまいますが、この眺望はバビロンの空中庭園さながらです。
屋上の最高さを棒グラフで表すとすると、バベルの塔をも優に超えることでしょう。

無料で入れて、人も少なく、景色も良い。ベンチも設置されており、休憩スペースとしても最適かと思います。


この日、僕は近くのセブンで購入した抹茶ラテを飲みながら、『舟を編む』を読んでいました。大変優雅な時間でございました。
真冬や真夏でなければ、読書も非常に捗ります。春休みなどに1日中いるのも悪くはないかもしれません。


さて、屋上の開放時間ギリギリまでたっぷりと読書を嗜んだところで、そろそろ帰宅するとしましょう。

また来ます。



おわりに

ということで、今回は奈良市に行って参りました。
情趣まみれの街並みは歩くだけでノスタルジックな気分に浸れ、神社仏閣もまた素晴らしい。
改めて出身県の魅力を肌で感じることができました。

この記事を読んでくださっているそこのあなたも、ぜひ一度地元のよく知らない地域を訪れてみてはいかがでしょうか。

また、関西のほうにお越しになった際は、どうぞ奈良県をよろしくお願い致します。

それでは、最後まで読んでくれたみなさん、ありがとうございました!





写真を縮小したら元の写真と印象が結構変わってしまったので、興味のある方はInstagramまでどうぞ。

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