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かなり生き急いでいる短歌_24首

図書委員の当番中に読んでいた。
しおりがなかったからセブンイレブンのお手拭きを挟んだ。

薄氷の上の生活と、Twitterでの不安定な繋がり。歌に危うさが漂っている感じがする。
以前から「了解」という言葉は電子メールによってその重さを奪われているんじゃないかと思ってたけど、本書のタイトルはまさにそういう意味を含んでいそうだ。


『京大短歌 29号』と青松輝『4』を買った。

京大短歌会は学生短歌界でもかなりの重鎮だと聞いて気になったのだが、偶然にも29号には青松さんが寄稿していた。六次の隔たり的なことを体験できて非常にテンションが上がった(そういえば表紙のデザインが複雑系の図みたいになっていて好き)。

『4』もたまたま直筆短歌+サイン入りのを発見した。うれしっぴ。
とにかく装丁の質感がめちゃめちゃいい。装丁にこだわったという話をインタビューで読んだ気がするので、「ああこれか~」という気持ちになっている。読み終えたらnoteに感想を書くかもしれない。




2月中に連作を作りたいな~~~と思っている。すご〜〜〜く。












青い食べ物をまだ見たことがない。でも大丈夫、空があるから。






じろじろとこっちを見るな。黄泉にいるいとしの彼と話してるんだよ。



毎日を引き留めるように生きているグーグルアースに君を求めて


かつてないほどの強さで握られたい しだれ桜の真下に立って


馬は目の前のにんじんを追いかけて僕は遠くのしっぽが欲しい


青髪のショートカットのアクキーが揺れる8時、ゆれる20時


上階の机が動く落雷でおへそを押さえる君が気になる


モノクロの世界なら君の指さした飛行機だって星になるから






22世紀末、世界が無色でも鉄道だけはカラフルであれ


ささやかな願いを書いた短冊を羽の生み出す風に結ぼう


横長のプールの浮かぶスイミングスクールにいるにおいの甘さ


カーテンを洗っているから、雪なのにブルーハワイが恋しくなった


降るこれが溶けたら傘をさすけれど凍っているから傘をささない


橙が染みてる雲の裏側で何が照らされているのだろう


人類は林檎を食べてガムテープ色のプリントTを捨てたと






ダイソーで買った草みたいなやつを枯らしたほんのちょっとの怠惰で


北風の脱がした中身はアンデッド 電光掲示板の声援


あの祖父を受け止めていたあのアームチェアをずらした彼の喪失


はじめてのわたしのいない夏休み、ちゃんと啼いてるだろうか蝉は


"Who are you?" "你是谁?" 負の支配する梅林に少女がひとり


モンブランに刺さってるピックはDON'T EAT(のってる栗もDON'T EAT)


MONO消しのカバーの真ん中の白についた汚れがいつまでも消えない


僕たちはマフィンカップにくっついたかけらを食べずに捨てているクズ


彼岸へと渡る死体の心臓は左手首で刻々響く


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