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【SF編10冊】成毛眞氏(インスパイア ファウンダー)

起業家はSFで「妄想力」を鍛えている

経歴

1955年、北海道生まれ。
中央大学商学部卒業後、自動車部品メーカー、株式会社アスキーなどを経て、86年日本マイクロソフト株式会社設立と同時に参画。
91年、同社代表取締役社長に就任。2000年に退社後、投資コンサルティング会社の株式会社インスパイアを設立。10年、おすすめ本を紹介する書評サイト「HONZ」を開設、代表を務める。早稲田大学ビジネススクール客員教授。


「スーパーハードSF」

①星を継ぐもの

月面で宇宙服を身につけた死体が発見された。しかし調べてみると、この死体は死後5万年ほど経過しているという。もしや、これが人類の祖先なのか?「僕のフェイスブック上の友達にはこの作品に出てくる古代の宇宙人・ルナリアンを名乗る人が大勢います。」


②順列都市

舞台は人間の記憶や人格をコンピュータに移植することが可能になった未来。コンピュータが停止しない限り、不死の存在となった人間たちの支配する世界に、さらに永遠の存在となることを呼びかける人物が登場する。「この作品のすごいのは、量子コンピュータができる前に書かれていること。」


③幼年期の終わり

「これを読まないことにはSFを読んだとはいえない傑作。初心者がSFの感覚をつかむのにもいいかもしれません。」


「ハードSF」

④虐殺器官(新版)

「作者の伊藤 計劃は日本最高のSF作家でしたが、30代で亡くなってしまった。もし生きていたら世の中が変わっていたはず。」


⑤エンダーのゲーム(新装版)

少年エンダーは、「バトル・スクール」でゲームの訓練を受けている。しかし本人たちがゲームだと信じていたのは、実は本物の戦争だった。やがて人類の存亡を懸けた戦いが始まった。


⑥All You Need Is Kill

主人公キリヤは宇宙人と戦っている間に弾丸を受けて死んでしまう。しかし死んだ瞬間、出撃前日に戻ることができる。どうすれば死なずに済むか、試行錯誤を繰り返し、158回目のループで敵のコアまで辿り着く。


「ファンタジーSF」

⑦アルジャーノンに花束を(新版)

世界的ベストセラー。幼児並みの知能しかない成人男性チャーリイが、大学病院で脳の手術を受けることに。頭を良くしてくれると言うのだ。手術は成功し、チャーリイは天才に変貌するのだが……。物語は全てチャーリイの独白で書かれ、彼の知能の変化とともに文体も変わっていく。


⑧七瀬ふたたび

他人の心を読むことができる超能力者の美少女・火田七瀬は能力を知られることを恐れ、家政婦として各地を転々としてきた。だがついに自分と同じ能力を持つ仲間とめぐり合う。「他人の心を読めたらいいなと思うけど、実際に読めたら、目の前の人がとんでもないことを考えていたりして、厄介でしょうね。」


⑨悪魔のいる天国

「特にこの本だけがいいと言うわけではなく、星新一はどれも素晴らしい。彼の作品を丁寧に読み返している人によれば、彼の描いた世界も現在ではかなり現実のものになっているそうですよ。アイデアの宝庫ですよ。」


⑩遠い海から来たCOO

海洋生物学者の父とフィジー諸島に移り住んだ12歳の少年洋助は、ある日潮溜まりで不思議な生き物を見つける。それは絶滅したはずの恐竜プレシオザウルスの子どもだった。「作者が新興宗教に入信後、事故死したので、顧みられることの少ない作品。もっと評価されていい。」

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