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【特集:進路未決定研究】なぜ人は、進路やキャリアに迷うのか?

進路未決定研究を知ると視野が広がる


デジタル・テクノロジーの驚異的な進化、世界環境の変化──。

「良い大学に入って良い会社に入り、定年退職」はほぼ通用しなくなり、様々な選択肢がチラつき、生涯、進路やキャリアを考え続けざるを得ない時代になりました。

そんな時代で、どうしたらより良い進路意思決定ができるのか?
をCenakaでは考え続けています。

その答えの1つが「進路未決定研究」の研究成果を把握しておくことだと感じています。今回の予告編を除き、全4回「進路未決定研究」の成果を紹介していきます。

進路未決定研究とは?(ざっくり)

- なぜ進路を決められないのか?
- どうしたら決められるのか?
という人間の意思決定メカニズムに対して知見を蓄えてきたもの
(1960年代にアメリカにてスタート)

この研究はもともと、Cenakaの開発に生かすための先行研究調査を行なっている最中に見つけました。しかし、あまり世に知られていないものだったので「単純に研究成果を知るだけでも、視野が広がるのでは…?」と考え、今回の特集に至りました。

即効性はないかもしれません。

しかし、得る知見は、社会や自身を俯瞰し、より良い意思決定行動に取り組むために役立ちます。
以下では、予告編として今後投稿する内容について解説してまいります。

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POINT)
未決定状態にはタイプがあり、対処法もそれぞれ変わってくる。

未決定にも様々な状態があるが、研究では大きく2つのタイプに区分し探求が進められている。
卒業時期までに職業・進路の意思決定ができず、なかには留年を繰り返す人、または進路相談室に来談するには至らないものの意思決定が進まない悩みをもつ人。前者を「膠着型」、後者を「途上型」と呼んでいる。
途上型の多くは、発達の過程でふつうに見られるものとされていたため真正面から取り上げられていなかったが、その流れは変わりつつある。


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POINT)
実は、未決定者の7割が興味ある現実的な選択肢を既に持っていた。

ある研究では、未決定者の7割は興味ある現実的な選択肢を既に有していたという結果が出ている。ではそんな中でなぜ決定に至れていないのか。
以下のような要因が考えられている。

・インサイド・アウト的な考え方
・オープン・モデル型の意思決定
・未決定者の個人差


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POINT)
実は、決定者もさほど異なる意思決定の方略や発想を有していない。

決定者においても、適職信仰(きっと天職に出会えるはずだと考える傾向)をむしろ強く表明しており、その点では未決定者と同様の発想を持っている。
ではなぜ決められたのか?ここに現れる可能性が、

・強く惹かれる選択肢にたまたま出会った人たち
・考え方の違い

というものである。


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POINT)
職業情報・自己についての知識・意思決定スキル

「興味・好み」を現実的な選択肢と対応をつけさせること、現実的な選択肢の"相場"を知ること、意思決定のペースメイク、自己内省的な探索だけで自己分析を進めようとしない、代理的経験──。

研究では「未決定者への支援」の視点で書かれている部分だが、未決定者が実際にどのように動けばいいのかを考える際にも参考になる内容だ。


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