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やっぱり、選挙に行こう。「パンケーキを毒味する」

映画「パンケーキを毒味する」では
菅総理の政治姿勢を
「バクチ打ち」として、
「義偉バクチ打ち伝説」と銘打って
菅首相がこれまで打ってきた
「GOTO Travel」やそれ以前の
「大バクチ」を紹介。

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今回のオリンピック開催の決断も、
コロナ感染者の軽傷・中等症患者も
自宅療養を基本とする方針も、
菅首相の「大バクチ」なのでしょうか。

「安倍晋三を命をかけて勝たせようという人はいた。 
でも、菅さんにはそんな人はいない。」

「菅さんをリスペクトしている人はほどんどいない。
本心から怖がっているわけではない」 

映画に登場する人たちからは
そんな声もあがっているのに、
なぜ菅総理にはそんなに強い権力が?

自民党の村上誠一郎氏や
石破茂氏は
「圧倒的な支持率」
で選挙で勝っていることをあげます。

それを変えるには、
まずは選挙の投票率をあげなくては。

映画の中でも、
「国民が怒らなくなっている」
と言う石破氏に、
「どうしたらもっと国民が
選挙にいくようになるのか」
という率直な質問が。

石破氏曰く、
「投票を義務化すること。
法律上はできる。
でも、自民党は嫌がるでしょうね。」

日々の菅総理の発言を聞く時、
「前もって十分な準備もできていないのに、
なぜさも手を打っているかのように
『安全・安心』と言い続けるのか」
などと不思議に思うことがよくあります。 

でも、それも戦時中の
「大本営発表」と同じ役割を果たしているとしたら?
評論家・近現代史研究者の
辻田雅佐憲氏は
戦時中の大本営発表についてのご著書もおありの方。

戦時中の日本の軍部にも、
正しい情報を掴み、分析し、
日本軍の被害を正しく報告する報道部は
あったのだそうです。

でも、詳細に分析した報道部の正確な数字よりも
大幅に都合よく水増ししたり
減らしたりした作戦部の出す
不正確な数字の方が都合が良く、
作戦部の方が大きな権力を持っていました。

そのため、捏造された情報が
「大本営発表」を通じて
国民にさも事実であるかのように
伝えられていたのです。

そして、毎日新聞が
「勝利か滅亡か 戦局はここまで来た」
「竹槍では間に合わぬ 飛行機だ、海洋航空機だ」
という見出しで戦局解説記事を掲載すると、
当時の東條首相の逆鱗に触れ、
「竹槍事件」と呼ばれる言論弾圧事件に
発展するのです。

「戦時中のような言論統制は今はない」
と思いたいですが、 
この映画で証言した人たちの経験談の通り、
今でも政府にとって都合の悪い発言をする人たちには
実際に官邸から圧力がかかることもあるのです。

わたしたちが知るべきなのに、
知らされていないことが
実はたくさんあるのかもしれません。

今の日本は戦時中とは違って、
集めようとすれば日本国内からだけでなく
海外からも情報を集めることができます。

でも、それをせずに、
なんとなく目にするテレビや
繰り返し耳にする言葉に
何も疑問を抱かずに
鵜呑みにしていたら?
知らず知らずに、政府に都合の良い、
真実とは異なる「大本営発表」を
そのまま受け入れてしまうかもしれません。

「批判がないと堕落する。
腐敗の原因になる。」
「ジャーナリズムの批判機能がダメなとこになると、
こんなに世の中がデタラメになる」
という言葉が心に重く残りました。

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最後の方で
若者と政治の距離を近づけようと活動している
学生団体のメンバーたちも発言しているのですが、
「テレビのニュースで自民党がいっぱい出ているから
選挙でも自民党に投票してしまうのでは」
などという意見もあり、ショックでした。

でも、それは若い人に限ったことでは
ないのかもしれません。

少なくとも、
「若者と政治の距離を近づけよう」という
活動をしている若い人たちがいることは
一つの希望ではあるのです。

わたしがこんな風に書くと
硬い映画のように見えてしまうかもしれませんが、
この映画は若い人たちにも
今の政治に興味や関心を持ってもらえるように
わかりやすい「政治バラエティ映画」。

取り扱われていることは笑えない事実ですが、
「バラエティ映画」として作られているので、
ぐいぐい引き込まれてしまいました。

お近くの映画館で上映されていたら、
ぜひご覧になってみてくださいね。

今回も読んでいただき、ありがとうございました。

*8月4日付の東京新聞のコラムで
文芸評論家の斎藤美奈子さんが
「自宅療養の真意」と題して
こんな風に書かれています。

「撤退を転進、全滅を玉砕といいかえて、
国民の目をあざむいたこの国の過去を思い出す。

政府は二日、新型コロナ感染症の診療方針を転換すると発表した。

『重症患者や重症リスクの高い方以外は自宅療養を基本とし、症状が悪くなれば入院できる体制を整備する』
なんてこったい。

(中略)

また、政府が方針転換したのは医療崩壊寸前だからだし、自宅療養は事実上の放置に近い。

以上を勘案すると、先の発表は次のように変換できる。

『危篤に近い状態にある方以外は、死ぬほど苦しくても自宅放置。
症状が悪くなっても入院できるとは限りません』」

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