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さまざまなものが呼び覚まされる 〜映画『THE FIRST SLAMDANK』をみた

先日、話題の映画『THE FIRST SLAMDANK』をみました。
終わって場内が明るくなったときに最初に口から出た言葉は、「……やばいね」でした。

高校生の頃、漫画の『スラムダンク』を読んでいました。
よくある、友達の間での回し読み。
私は貸してもらう立場だったので、卒業して離れ離れになったら続きが読めなくなり、ラストを知らないまま今日を迎えています。

当時は大変に興奮してゾクゾクワクワクしながら読んでいた。
でも、そんな感覚は忘れていました。

そんな『スラムダンク』が映画になるという。
最初は、特にみないつもりでした。
大ファンってほどでもなかったし。
ラストも知らないしな。
なんかすごく楽しかったという記憶と、登場人物たちのうっすらした記憶しかないしな。

だけどたまたま、当時一緒に読んでいた…なんなら彼女のを読ませてもらっていたかもしれない(覚えてない)友人に久しぶりに会う機会がありました。

映画や本が大好きな人で、オススメ作品の話をしていたときに、彼女が言いました。
「ほとんど覚えてない人にこそ、みてほしい」
「試合の流れとか全然覚えてないの、逆にうらやましい」

……なるほどな。
公開から数か月経つのにランキング1位(鑑賞当時の話、今は知らない)。
夫もかつて読んでいたことがある。(私同様ラストは知らない)
思い立って行ったんです。

本当に本当に本当にみて良かったです。
(ネタバレしません↓)
どんどんギュンギュンとスクリーンのなかの世界に引きずりこまれていくのを感じた。
手に汗握る、とはこのことか。

なんならオープニングの時点から、やばいやばいかっこよすぎる……!!!と興奮状態。
音楽もスラムダンクの世界観にぴったりなんです。
最初から盛り上げてくる。

主軸になる人物の背景が詳しく描かれながら試合も進むなか、ほどよく湘北高校チームのメンバーたちの背景も紹介されていくから、ほぼ忘れている人間にも(初見の人たちにも)優しい。

なので、みんなにどんどん感情移入していく。
みんなが自分の弱さと向き合いながら、強くなっていく。
目覚めていく。
本当なら、声をあげて応援したいくらい。

カタルシスと、感動と、温かさと。

終わって「……やばいね」とつぶやいた後、歩くのに軽くふらつくほどに、喰らいました。
任侠映画をみた後に映画館から出てくる人みたいに、お手洗いまでの歩き方が少々変わっていたかもしれません。
お手洗いで鏡をみると、なんか目がバキバキでした。
なにかに強烈に熱くなる人たちを応援する喜び、快感。
しばし忘れていたものでした。

音楽が良かったと書きましたけども、若い頃に聴いていたようなハードめの音楽でして。
(しかもチバユウスケとか!我が世代を刺してくる!!)
それを音響のよい場所で爆音で聞けたから余計に、あの頃の感覚まで呼び覚まされるといいますか。
やぁーーーー、良かったなぁ。

入場時、クリアファイルをいただきましてね。
小さめのバッグだったから入らない…どうしよう、ちょっと邪魔、なんて言って小さくしていたのに。
帰るときにはいそいそパンフレット買って、クリアファイルふたつともこっちに入れる、とか言って大切に伸ばして入れ直し。
クリアファイルもらえて嬉しい、などと発言するほどには、大好きな映画になっていました。

帰宅後すぐに、LINEで今回の映画の無料スタンプを手に入れました。

友人に早速報告すると、彼女も無料スタンプを手に入れていた。
漫画貸してあげるって言ってくれたけど…借りると急いで読もうとして夢中になって社会人としてダメな生活をしてしまいそうなので、ひとまず辞退しました。

でも読みたいなぁ。。
今度こそ、ラストまで。
彼らと走りきりたいなぁ。
あぁぁぁ、素敵な映画でした。
井上雅彦さん、こだわってつくってくれて、ありがとう。

余談ですが。
私もWBCを熱心に見ていたひとりでして、試合を見ているときに、スラムダンクのようだと感じました。
漫画のような展開、と今回のWBCについてよく聞かれた表現だけど、本当にそう思う!!
事実は小説より奇なり、とはよくいったもので。
よく似た興奮状態になったなぁ。
現実に起こるなんてすごいことです。

逆にいえば、WBC並みの興奮を味わえるということだ。
スポーツの種類は異なるけど。
真剣な試合とはおもしろいものですね。

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