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主観的じゆう

毛布をずるずると引きずって、日の当たる窓辺へと向かう。どてん、と長ーくなっている猫らの側で棒状に寝転んでみる。
「なんだ、お前も日にあたるのか?」とでも話し出しそうな顔でこちらを見やる猫ら。相席ならぬ添い席。席でもないけれど。

家の中のほとんどの電化製品をとめると、置き時計の針が刻む音と、部屋の外の音だけの空間が出来上がる。たまに、猫らがご飯を食べたり、水を飲んだりしているけれど、そのうち元の場所へ戻ってくる。眩しそうな顔をしながら目をしぱしぱさせながら眠っていく猫らを見ていると、心が落ち着く。

大体平日は一日にやることをパズルのように組み立てて過ごす。同じような感覚で休日も日用品の買い出しやら、なんやらかんやらパズル化して考えてしまう。けれど、猫らを見ているうちに、そんな考えを捨てて頭をふにゃふにゃにしようという結論に至った。だって、そちらの方が今の私にとって居心地がいいから。

勿論やらなければならないことは、やった方がいいけれど、休むことだって必要だ。堂々と休めるのは、猫らの与えてくれた空間が私を優しく包み込んでいるからなのだと思う。振り回されずに自由を勝ち取る方法を教えてもらった気がした。

とい。

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