#53 憧れ続けたGrand Central Terminal・・・ニューヨーク1人旅  2018年11月3日(土)3日目・・・12

124ビルの場所を確認し、下見を終えて、さあ、次は、Grand Central Terminalに行こう! 憧れて憧れて憧れ続けた時計台のところへ!

ライトアップされたヘルメス像Glory of Commerce彫刻が、神々しく光っている。そのすぐ下が出入口だ。
ドアを押し開けて中に入る。ゆる~い下り坂を進み構内へ、そして一直線にインフォメーションの上にある時計へ向かう。

ああ、来たよ。やっと来たよ、Grand Central Terminal。
穴が開くほど見た写真集、擦り切れるほど見たビデオ、何度も何度もリピートしたYou Tubeの映像。やっと来たよ。そして私でも来ることができたよ。

インフォメーションの周りを何度も回り、横のチケット売り場の窓口へ。
窓口はたくさんあったが、開いていたのは数か所。
窓の1つ1つに彫刻が施され、レトロ感がなぜか懐かしい。
新宿や渋谷のような、ギュンギュン詰めの混雑ではなく、程よい人の往来が楽しかった。

程よい混雑具合が良い感じ

ちなみに、大聖堂のような壮大なメインコンコースの天井には、金箔で描かれた12 星座、さらに星が 2,500 個描かれているのだそうだ。

インフォメーションブースの上に設置された、有名なオパール製の時計は、メリーランド州ベセスダの、アメリカ海軍天文台の原子時計に合わせられており、誤差は 200 億年に 1 秒という驚くべきものとのこと。

よし、今度は上に上ってみよう。
階段を多くの観光客をよけながら一気に駆け上がった。
上がった先がアップルストアになっていて、ちょっとだけ拍子抜けした。

上から見下ろしたメインコンコース。その真ん中に、インファメーションと時計台。手すりにもたれながら、昔見たテレビドラマのワンシーンを、脳内再生していた。

1988年の秋に放送された【ニューヨーク恋物語】
全編New Yorkで撮影されたため、当時のNew Yorkの街並みが、リアルに垣間見れて、ドラマの内容はもちろん、1カット1カットの風景にドキドキしながら観ていた。
ブルックリンブリッジをさっそうと歩く、桜田淳子さん演じる里美がカッコよくて、羨望の眼差しで観ていた。

このドラマの中で、柳葉敏郎さん演じる小池一徹と、岸本加世子さん演じる茅野明子が、まさに今、私が触っているこの手すりにもたれかかりながら、会話をするシーンがある。当時〝ああ、私もNew Yorkerになって小池一徹のようにもがきながら必死に生きたい〟と思いながらドラマを観ていたのだった。
それから35年たった今でもNew Yorkerにはなれていないけれど、一徹と明子が人生を語った場所に、ついに立った。
そのシーンと同じように、メインコンコースでは人の往来が続いていた。

ずいぶん長い時間、ずーっと往来を見ていた。
今は渡米3日目の観光客だけど、いつか本物のNew Yorkerになって、同じようにここから人の往来を眺めたいと思った。いつか、いつかを信じて。

前方のお向かいには、鏡写しのように同じく階段があった。
きっとあっちには有名なオイスターバーがあるんだろうな、と思いながら実際に行ってはみたが、1人では気後れしてとてもじゃないが入れない。
しかも、まず入り方がわからない、メニューが読めない、注文できない、支払い方もわからない。そして仮に英語がわかったとしても、1人で入れる雰囲気ではない。きっと今がそのタイミングではないのだ。慌てる必要はない。いつか入れる時が来る。そう信じて雰囲気だけチラ見して退散した。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?