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「なんのために勉強している?」〜冬休み子ども科学電話相談より〜

祝日の朝。
ラジオをかけると、冬休み子ども科学電話相談の再放送だった。

子ども科学電話相談とは

内容は、科学に関する疑問や興味をもった子どもたちが、その分野の専門家に直接電話で質問をするというものだ。

私は、長期休みに放送されるこの番組が好きで、満員電車の中で聴きながら出勤していた。
子どもたちは、まぶしいほどの無邪気さで専門家たちに質問をぶつけていく。
内容は、
どうしてお父さんのオナラはぼくのより臭いの?」といった、子どもらしい素朴な疑問から、 「恐竜は托卵することはあるの?」といった、大人顔負けの専門的な質問まで、さまざまだが、
説明しても「わかりません。」と言われてしまったり、
青い鳥を捕まえるとどうして幸せになれるの?」のように、一見専門外の質問が来たりなど、
専門家は、いや、大人たちはどう答えるのだろうと、手に汗握りながら聴く場面も多い。

「人は何のために生きているの?」

さて、再放送の最後の質問は、
「人は何のために生きているの?」だった。

人は死ぬために生きているんですか? なんのために生きているんですか?
いや〜、人は結局死ぬのに、何で勉強しなくちゃいけないのかなと。
読む子ども科学電話相談「人は何のために生きているの?」より)

その日出演していた専門家全員が、交代で回答した。
「人はなんのために生きているの?」の回答は、
全文を載せてくださっているので、ホームページを見てほしい。
(そして、2月中はラジオ音声も聴けるらしいので、ぜひ。)

簡単にまとめると、以下のような感じだろうか。

●小菅先生(動物)
「健康で長生きして自分の子どもをたくさん産むこと」という、動物共通の生きる目的がある。人間はそれ以外に、なにか(生きる)的を持っているのだと思う。

●坂本先生(ロボット)
ロボットが最強になるのは、生きることを目的としてプログラムしたとき。

●藤森先生(オリエンタルラジオ・お笑い)
人を愛するため。

「なんのために勉強している?」

今日、私が書きたかったのは、
「なんのために勉強している?」のほう。

オリエンタルラジオの田中さんが、
「生き死により勉強する理由が知りたいよね?」と水を向けてからのこと。
(それまでの流れをフォローしつつ、質問者の意図を汲んだ、この話題の転換は鮮やかである。)

これに対する、藤田先生(科学)の答えに、
私は「勉強をする意味」を教えてもらった。
(残念ながら、質問者のともひろくんには難しかったみたいだけれど。)

お父さんお母さんにもそれぞれお父さんお母さんがいらっしゃっていて、人間てずっと昔々から命って次々、次の代にリレーしている形になるでしょう。

〈中略〉

勉強する理由ってきっと、私もね…、これはちょっと科学的な答えがないけれど、でも科学としてみれば、次の人になにを伝えるかっていうのを一生懸命学んでいて、それを今、ともひろくんがまさに学校でやってることもその1つっていうことになるのかな?と、わたしは思いますけど。
読む子ども科学電話相談「人は何のために生きているの?」より)

両親から遺伝子で受け継ぐ身体だけじゃなくて、
知識として、たくさんの情報を遺してもらってきた。
その知識が生活を便利にし、病気を治し、ロケットを飛ばしてきた。

勉強は、前の世代の蓄積してきた知識を学ぶこと。
そして、次の世代に何を伝えるかを考えること。

そのために、どんな情報を遺すのかを考える必要があるし、
それを考えるために、まずは今ある情報を知る必要がある。

未来の人間に、知識と夢を託すために、学ぶのだ。

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