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作品を観て嫉妬を感じる時

分野を問わず、創作に技術や発想はもちろん大事なわけですが、嫉妬する程にその作品に揺さぶられたり刺さったりするのは「作者の創作や美に対する誰よりも強い献身、そのための凝縮された精神状態がその作品から読み取れる時」です。

博物館や美術館にあるようなものなら、そういうものに出会っても心が乱される事は無く素直に感動出来ても、今出来のそういうものに出会うと「悔しい、認めたくない」と思うものです。自分の心の弱さ、精神的な逃げを打つための自己正当化・・・自分の情けなさを鏡に映して見せられたような感じになるのでしょうね。

その作者が、創作に対して技術や発想や計算より、もっと原始的で直接的で真っ直ぐなものを強く持っていて、それを純粋に制約する事なく放出している、その人間性自体に嫉妬します。

普通の人間には、それが出来ないからです。

そういうものは、決して大掛かりな作品からだから感じるという事ではなく、ひとつの言葉や線一本からも感じられるものです。


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