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北海道ひとり旅 キャンプツーしてみた 28

利尻島、ポン山から姫沼にかけてのトレッキング。誰もいない山中の登山道を、1人歩く。
最初の30〜40分は軽快に進んでいた。けれども、枯れ沢を一つ越えた辺りから、だんだんとアップダウンも増えてくる。トレッキングと言いつつ、かなりのハードコースになってきた。

下っては枯れ沢を越え、また登っては下っての繰り返し。傾斜が急なところには、鎖場も。鎖場以外もなかなかきつい傾斜と、岩の段差。急斜面が下りだから良かったけど、登りだったらキツかった。逆ルートで来なくて良かった…。

枯れ沢付近には、登山道を示すピンクのリボンが結んである。うっかり道を外れないよう、リボンを目印に進んでいく。

分岐から、歩いても歩いても、一向に姫沼に辿り着かない。
途中、休憩をする様な場所もなく、トレッキングにしてはハード過ぎるコース。心配になって、途中でYAMAPでルートを確認すると、まだ半分ほどしか進んでいなかったし、こうなっては、ただただひたすら、黙々と歩くだけ。

枯れ沢をいくつか越えると、再び平坦な道になる。
最初の頃は、蜘蛛の巣を、携帯や足で払ったり、くぐり抜けたりしていた。(蜘蛛の巣は、蛾の次に苦手なものなのだ)後半は、もはや避ける余裕も無くなり、そのままズンズン歩いていた。

このコースを歩いていて、1番焦ったのは、終盤、姫沼の手前で倒木があり、登山道を塞いでいた事。大きめの木が倒れていて道が全くわからなくなり、危うくコースを外れるところだった。

初め、倒木とは気づかず、道が左に曲がっているのかと思った。しかし、草が多い茂っていて、道らしきものはない。右にも行けないし、先もない。


どうゆうこと??


少し下がってジャンプをしたら、先に道が見え、その時初めて倒木だと気がついた。
倒れた木に草が絡まり、完全に周りと同化していたのだ。

迂回するルートを探すが見当たらない。


道が無い…
まさか、ここまで来て逆戻り……


正直、かなり焦った。それこそ一瞬、血の気が引くほど。
ここまで2時間くらい歩いてきたのに、今から来た道を引き返すのはかなりキツイ。
これはもう、乗り越えるしかないと、尖っている枝に気をつけながら、何とか乗り越えて、先に進む事ができた。
倒木はかなりの大きさだったので、体力が無い人には乗り越えるのは厳しそうだ。

倒木と気付かず、うっかりルートを外れなくて、本当に良かった。遭難していたらシャレにならない。


ここから、姫沼まではすぐだった。


8:00
姫沼に到着。
湖面に映る逆さ富士を見る事ができた。
鏡に写った様な、見事な利尻富士。

ここでようやく、休憩。
湖畔のベンチに腰を下ろし、おにぎりを頬張る。たっぷり歩いたあとだから、うまさも倍増。

この日、利尻山の山頂が見えたのは、なんと10日ぶりだそう。ずっと天気が悪く、隠れていたそうだ。
姫沼と利尻山の写真を撮っていると、同じく写真を撮りにやってきた女性が教えてくれた。
良いタイミングで、利尻島に来る事ができたな。

女性は湖畔にある売店の店員さんだった。
「トレッキングしてきたの?そしたら、枯れ沢を4つ越えなかった?ポン山から姫沼までのこのコースを歩ける人は、利尻山の8合目まで余裕で歩けますよ。このコース、トレッキングと言いながら、軽登山くらいあるのよ〜」
話をすると、いろいろと教えてくれた。
やはり、なかなかのコースだったんだな。

休んでから姫沼の周りを散策。ボードウォークになっていて(しかも冬に完成したばかりできれいだった)一周15分ほど。
姫沼を一周して、ようやくゴール。バス停へと向かった。

ちなみに余談だけど、コースタイムは7.7km4時間21分(休憩込み)
なかなか良いペースで歩けたのではないかと思う。
バスも予定より一本前の便に乗ることができた。

宿に預けていた荷物を取りに行き、温泉の開く時間に合わせて出発。
良い宿だった。お世話になりました。

温泉までは路線バスで向かった。温泉の前にバス停があるので、とても助かる。
訪れたのは「利尻富士温泉」少し塩っぱい温泉だ。
開館と同時に入ったので、人もまばらでゆっくりすることができた。

汗を流してさっぱり。
今度は歩いてフェリーターミナルまで向かうのだが、ジリジリと照りつける日差しで、すぐに汗だくに。真夏の暑さだ。

途中にハイキングコースの案内板を発見。
「森林浴を楽しみながらお散歩を」
と、書かれていたので行ってみることにしたのだが、これが大失敗。
ハイキングコースに向かうのに、サイクリングロードに入ったら、日陰は無いし、暑いし、荷物は重いし、疲れているしで、熱中症寸前。ハイキングコースに入ってみると、これまた草ボーボーの、明らかに誰も使っていないだろうと思われる程の道。入り口すら、草が茂っていて見落とすほどだった。
とりあえず、行ってみるかと進んでみたものの、あまりの草のボーボーっぷりに、途中で断念。足には草の種のお土産がたっぷりと付いている。これがまた、チクチクしてて、痛痒かったんだなー。
結局引き返して、道路を行くという…利尻島をあとした。

弾丸ツアーだった礼文島利尻島だけど、天気にも恵まれ、目的のウニ丼を食べることができ、トレッキングもできて、充実の2日間となった。
またゆっくり来ようと心に決めて、利尻島をあとにした。


稚内に戻り(駐輪場に置いていたバイクは無事だった!)北防波堤ドームを見てから、旅人村に戻る。
この日の夜は、もう1人、ライダーの男の子が来るという事で、夜ご飯はちゃんちゃん焼きをすることに。私の旅人村での最後の食事だ。
長々と稚内に滞在してしまったけれど、ようやく出発をする。

ちゃんちゃん焼きをツマミに、日本酒をいただき、楽しい夕食に。最後は外のテラス席で、スウェーデントーチを眺めながらウイスキーを嗜む。最高のシチュエーション。
なんだかんだで深夜まで盛り上がり、稚内最後の夜を満喫した。

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