私は今、1人暮らしをしています。精神と発達の障害を理由に働いてはいません。
生活は障害年金と家族からの援助でやりくりしています。
現在37歳。今年で38歳になります。

…この、今ずらっと書いた自分のステータスを脳内に散りばめてはこう思うわけです。
「私、自立してないなぁ」と。

ここで私が思っている「自立」というのは、言うまでもなく「働いて、お金を得ること」です。それができずに人様からのお金だけで生きている。自分で苦労をして金銭を得ていない。なのに1人暮らしをしている。これはどういうことか。…ということをひたすら自分自身に叱責する毎日です。

でもこういう話を誰かに打ち明けると、「働くことだけが自立ではない」と返ってくることが大抵です。脳内で叱責を自分自身に続ける私でもこれは納得します。

ではなぜ私は「私は自立していない」と思って自分を責めるのでしょう。
その前に、自立ってなんなんでしょう。

自立の意味を軽く調べるに、自立というのは「他人からの支配や援助を受けずに、自分の力で生きていくこと・物事を進めていくこと」というのが大体の定義のようです。

これに当てはめて私の今の様子を考えるのなら、私は自立していません。支配はともかくとして、金銭的だけでなく生活全般の援助がないと私は生きていけないからです。
訪問看護も利用していますし、体調面の相談や服薬の指導、生活の指導など、いろいろと援助や助言がないと私は私として成り立ちません。
つまり、私は金銭的な援助はもちろん、一般的な(多分)同世代の人よりも他人が強く関わらないと生きていけないことに「自立していない」と思っているのかもしれません。

でも、人と関わらずに生きていける人なんてそうそういないと思うし、「自立していない」と過剰に責めても私の生活は変わらないし、これで生きていかないといけないのです。

こう考えていくと、先程の定義として挙げた自立は、私の望む自立や生活とはちょっとズレているかもなぁと思いました。
確かに私は自立していない面も大いにあります。ありますが、日々は私を軸にくるくると回せているとそれなりに思うからです。自分自身を責めはしますが、日々は成立しています。

家族やたくさんの医療スタッフさん、知り合いや友人など、私を軸にたくさんの人が私を円で囲ってくれています。
私は日々の生活を上手に回せるように、そのたくさんの人たちに支えられながらくるくるとコマのように回転しています。
誰かに過剰に寄りかかることもありません。誰かを不必要に飛ばすこともありません。適切な負荷で頼り、そして適切な力で自分自身で回っています。

なので私は、気が付いたら私もその側に回れることを信じて「誰かに支えられながら生きていく」ことを望みたいのです。それが「自立」を必要とする世界とは違っても。

「私は働いていない」という引け目は、働かない限りずっとあると思います。でも働いたら働いたで、私のことだから他に引け目を探して劣等感のようなものを見つけ出すと思います。
なんというか、「私は私でいいんだ」と思うことも、先程の自分のコマを回すには必要なことなんだと思います。

私が思うにですが、「自立」って、決まった時間に起きて、自分の役割を果たし、ちゃんとごはんを食べ、決まった時間に寝るだけでも成立するような気がします。

決まった時間に寝て起きるって、結構自分の軸がないとできません。食べることも同様だと思います。役割というのは、働くことや学校に行くことも当てはまると思いますが、私のように人生のリハビリを延々と続ける者にとっては「なるべく調子を崩さず、安定して暮らす」というのも役割なんだと思います。「調子を崩したら、無理せず暮らす」というのもそうだと思います。
もっと言うなら、生きていることそのものがまず自分に与えられた役割のような気さえしてきます。

自立って、意外とみんなしているのではないでしょうか。
自立って、頭をひねって考えるよりも、難しくないもののような気がします。

みんなみんな、なにかしらの与えられた役割や使命の中で生きていて、なにかを成せているんだと思います。
中には、傍から見たら「全然自立してない！」と思う人もいるかもしれません。でもなんていうか、それはそれでなにかしらの役割を果たしており、それが誰かのコマを支えるものになっているのかな、なんて思います。

私の目下の課題は、この自分を軸に回るコマを、倒すことなく上手に回し続けることです。

多分、今の私に「働くこと」というアクションを加えたら、このコマは倒れてしまうと思います。
それが見通せているだけでも自分の体調管理ができていて、それはそれで自立しているのかな…なんて自分に言い聞かせることにしています。

蛇足ですが、働けはしないものの、一通りの家事は一応できます。自分の1日のタイムスケジュールの管理も一応できます。
よく寝てよく食べ、ちゃんと薬を飲んで無理せず生きているだけでも褒めてあげたいな、と書きながら思いました。