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月刊たべごと通信

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フードディレクター瀬尾裕樹子が出会う、日常にあって日常でない、食の非日常体験に関するコラムとエッセイ。
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魚屋さんで魚を買うというライフハック

魚屋さんで魚を買うというライフハック

石川に引っ越して、もうすぐ1年が経とうとしています。

いろんなことがありすぎて、はたと気づけば自分のブログは、「移住しました。」という1年前のエントリのまんま。

おそるべし、1年の速さを実感しているところです。

しごとの話はそれはそれでするとして、暮らしに目を向けてみると、

ところ変われば食材も変わる。

そんな当たり前のことを、日々、実感してきた1年だったように思います。先日、 田中伶(

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食事という、食べものとの極めてプライベートな密会について

食事という、食べものとの極めてプライベートな密会について

このマガジンで書く食コラムは基本的に私と食べものとの極めてプライベートな密会の記録である。

だから、こんな公の場で書いておきながら、人に見られるのはかなり恥ずかしいし、できれば読まないでもらいたいと思う、“矛盾”を孕んでいる。

親や彼との会話のような、とても他所様にお見せできるものではないこっぱずかしい記録。

平野紗季子さんという方が著書の中で

人と一緒に食べれば何でも美味しいという人がい

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ノスタルジーバナナミルクセーキ

ノスタルジーバナナミルクセーキ

神保町、よく行くのだけど、目的地はいつも同じで中々路地に入ってみたり、いつもと違う地下鉄の出口から出たりする暇もなく、世話しなく通り過ぎてしまうことばかりだったので、久しぶりに違う目的で降りた神保町の街並みは、どこか懐かしく、ワクワクさせられた。

狭い店内、小さいテーブルに老若男女問わずひしめき合うあの昔懐かしい感じの喫茶店がそこらじゅうにあって、他の町では今はもう飲めない、ノスタルジーバナナミ

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運転免許試験場の豆大福

運転免許試験場の豆大福

たまに、なんでここでこんなものを売っているんだろう?と思うような、店に不釣り合いな商品が並んでいることってある。

東京、鮫洲の運転免許試験場の売店には、なぜか豆大福が売っている。コンビニの袋菓子みたいなのじゃなくて、すし桶みたいな容器の中に一見美味しそうに並んでいた。

これまで神奈川、群馬、長野のそれぞれで免許の更新をしてきたが、鮫洲の試験場はひときわ新しく綺麗。

錆びれた哀愁も、情緒もへっ

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中華料理における、杏仁豆腐の役割

中華料理における、杏仁豆腐の役割

杏仁豆腐って、美味しいですよね。辛いものが多い中華料理の、流れるようなお料理の緩急には、なくてはならないもの。

先日、ひょんなことから渋谷のセルリアンタワーの中にある、中華料理屋『陳』さんでランチをしました。

▼スーツァン・レストラン陳 渋谷店

頼んだのはスーラータメンメン。

飲茶セットだったのでそのほかにも3種類の餃子がでてきたのですが、最後のデザートで選べたのが、マンゴープリン、杏仁

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「クラフトビールの定義ってなんですか?」にもううんざり

note始めてみました。

なかなか普段運営しているメディアやブログでは便宜上いいづらいこととか、なんか熱いんじゃないかとか、はずかしいこととかってあるじゃないですか?

いや?ない?

私はあるんですよね。

というわけで、なかなか普段書かないことを書いてみようかと思っています。

「月刊食べごと通信」では、私が仕事柄関わる食べ物のこと、メディアのことを中心に、まとまりなきことを綴ってます。読ん

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