オープンDの音色を追って 35 ~日比谷野音建て替えのニュース~
(約5分で読めます)
前回、ビートルズのことを書いた途端に聞いたニュース「ビートルズの新曲が出る」。
新曲!? 解散から50年以上経って?
そして11月2日、『NOW AND THEN』が発表されました。
もの悲しい曲ですね。
元はジョン・レノンが自宅でカセットテープに録音したピアノアレンジ曲で、音のバランスが悪く、大き過ぎるピアノの音から歌声を分離、抽出しなければならなかったそうです。
しかし、作業に着手した1995年にはその技術がなく、保留となっていました。
それからAIの活用が進み、デジタル技術でオリジナルのカセットからトラックを分離、ジョン・レノンの歌声を取り出すことに成功しました。
そこに1995年に録音されたジョージ・ハリスンのギター、後に演奏したポール・マッカートニーのベース、スライドギター(ジョージ風に弾いたとのこと)、リンゴ・スターのドラムをミックスして『NOW AND THEN』が出来上がったのです。
元々ジョン・レノンのソロだった曲ですが、今回のクレジットでは4人の共作となっています。
近年、AIに学習させれば、故人の演奏が再現できるようになっているそうです。
ということは、技術的にはGAROを復活させることができるのでしょうか。
技術では出来ても、感情面が追いつかない気はします。
最近、自宅の本棚に村上龍の『限りなく透明に近いブルー』があるのに気付きました。
学生時代に、わからないのに無理して読んだ本です。
芥川賞だし、けっこうセンセーショナルな扱われ方をしていたのもあって、買ったのですね。
もう一度読んでみると、中に「ウッドストック」とか「日比谷の野音」とか、出て来ているのです。
間接的なGARO物件だ……。
村上龍ってGAROのメンバーと同年代?
同書の巻末には、著者自筆の年譜が載っています。
それによると1952年生まれ。
トミーの二つ下でした。
『限りなく透明に近いブルー』の草稿に着手したのが1972年。
ですので書かれている出来事はそれ以前にあったことが元になっています。
ジュリーやショーケン。PYGか?
調べると、確かにPYGは1971年4月に野音に出演しています。
「石投げてやった」という登場人物の台詞とも一致しています。
京都のロックフェスMojo Westにおけるデビュー演奏でも聴衆からの罵声を浴び、内田裕也が場をおさめたとのこと。
どうしてPYGがそんなに反感をかうのかがわかりません。
ジュリーとショーケンが並び立つバンド。すごいじゃありませんか。
聴衆に学生運動の気分が反映されているからメジャーなものに反発する、とかでしょうか……?
日比谷ロック・フェスティバルは二日間行われ、PYGの出演は4月3日。この日は(岸部)シローとBREAD&BUTTERも。
そして、翌4日の出演は、なんとレコードデビュー前のGAROです!
ネットでチケットの写真を見ると、二日通しで900円でした。お得ですよね?
ちなみに、1970年の万博の入場料が800円です。
1971年7月3日、4日にも日比谷ロック・フェスティバルは行われ、再度PYG、GAROが出演しています。このときのGAROにはドラムで高橋幸宏が参加していた可能性があるそうです。
野音では同年7月10日に加橋かつみ+かまやつひろしコンサートがあり、GAROと小坂忠が出ています。
そんな野音は老朽化による建て替えのため、2024年10月に使用休止となるそうです。
主人公・リュウとガールフレンドの会話です。
トミーがCSNの変則チューニングを見破った映画『ウッドストック/愛と平和と音楽の三日間』。
リュウはジミ・ヘンドリックス派のようです。
ガールフレンドは「今また観たくない?」なんて気軽に言っていますが、当時はレンタルビデオも家庭用ビデオデッキもありません。
どこかでリバイバル上映されていたのでしょうね。
(つづく)
(文中敬称略)
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