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ハワイとタイで、女装(?)写真撮ってみた(戸籍男性だけどウェディングドレス・タイ民族衣装に身を包み)

用事等で、今年(2022年)の夏に、アメリカはハワイと、タイはバンコクに行きました。
その際に、女装(?=理由は下記)で、ウェディングドレスの写真をハワイで、タイ民族衣装(女性)の写真をタイ・バンコクで撮ってもらう体験をしてみました!

そもそも女装なのか

以前から私のnoteをご覧の方はご存じかも知れませんが、私の方、戸籍や、基本形は男性なのですが、性分化疾患(インターセックス、DSDs)の関係(厳密には「視床下部性性腺機能低下症」(ゴナドトロピン分泌不全))で、自分で男性ホルモンを作ることが出来ません。逆に、肝臓などからは女性ホルモンがそこそこ出ており、男性ホルモン補充療法をしていないと、女性ホルモンが勝ってしまう状況ではあります。で、今まで15年以上、男性ホルモン補充療法や、性腺刺激ホルモン補充療法をしていたのですが、体調不良の原因であることがわかり、「自然体で(女性化しても良いから)生きたい」と医師と十分に話し合い、今年(2022年)1月から男性ホルモン補充療法や、性腺刺激ホルモン補充療法をやめています。そのおかげで、体調は良くなったのですが、「緩やかに女性化しつつある」(泌尿器科、総合診療科医の評価)という状態で、女性化乳房(おっぱい膨らんできた)や、お尻が大きくなったり、全体的に女性的な体つきや肌質になったり、挙げ句の果てに、定期的に出血するようになり、現在精査中ですが、「異所性子宮内膜症の疑い」と、「子宮内膜症」の一種まで疑われるような状態になりました。

この変化について、医師団(チーム医療を組んで頂いています)は、「女性化に心が耐えられるか」を心配していますが、大丈夫というのを見せるために、女装して病院通院して「女装してきました!」と医師に言ったところ、「ホルモン量から考えると、女装、と言えるかどうかね」と、否定されました(笑=女性ホルモンの方が多いので、もはや女装ではないと)。

でも、迷いがあって

でも、やはり戸籍性である男性性にあわせるために、薬の作用や副作用、体調不良は辛いけど、男性ホルモン補充療法や、性腺刺激ホルモン補充療法を再開すべきか、自然に任せて(女性化したり諸問題=骨粗鬆症や筋力体力低下や更年期障害など、は生み出すけど)生活すべきかを迷っていたんですよね。
見た目はだんだん女性ホルモンが勝っているので女性化して行っていて、「ゆきちゃんはもう女の子なんだから、諦めて女の子になりなさい!」と言われたり、「ゆきちゃんの後ろ姿、完全に女の子」とか、「ゆきちゃん、かわいい系、ぽあん系だよね」と言われたりで、周りからは女性扱いされるようになっていったのですが。女性の友人のみならず、病院の看護師さんからも、雰囲気全然変わったよねと言われたり。
でも、それでいいのかの悩みはあったのですよね。

迷いを断ち切るために

そう、その迷いを断ち切るために、そして、医師団が心配している「女性化に心が耐えられるか」に対して、大丈夫ですよ!!と答えを示すために、おもいっきり女性らしいことをして、女性性としても大丈夫だと言うことを確かめてみようと。
その時に、用事でハワイと、そしてタイに行く(新型コロナが少し下火になって、海外旅行がようやく出来るようになったので。行く頃にはまた爆発し出しましたが)ことになったので、

これは、一つ海外で、おもいっきり女性らしいことをしてみようと。

というわけで、企画したのが、

  1. ハワイで、ソロフォトウェディング(ウェディングドレスに身を包んだ写真を撮ってもらい、祝福してもらう)

  2. タイで、女性の民族衣装を着て写真を撮ってもらう

というものです。これらで、一度思いっきり女性性に心も体も振ってみてどう感じるかで、女性性を中心に(男性ホルモン補充療法を止めて)生きるか、男性性を中心に(男性ホルモン補充療法をしながら)生きるか、を決めようと。

ハワイのソロフォトウェディングに向けての交渉

まずは、ハワイでソロフォトウェディング(女性一人でウェディングドレス姿の写真を撮ってもらうもの)が、私(一応、戸籍は男性)でも出来るかどうか、事情も話した上で、「アメリカンホリデーズ」さんという、ハワイでのフォトウェディングを扱っている会社さんに相談しました。そうしたら、現地のサロン(「マサコ・フォーマルズ」さん)と相談させてくださいとあり、その翌日には、OKですとのお返事が。
のちほどお伺いしたのですが、ソロフォトウェディングをしばらくされていなかったそうで、そこがネックになったようで、男性(ただし事情あり)であることはさほど問題ではなかったようです、ウェディングドレスを着ることについて。でも、その後もいろいろ調整や、ご相談に乗って頂き、感謝感激です。
その後もいろいろ調整をメールでやりとりして、ついに最終確定書面が届きました。残念ながら新郎さんはいませんが、戸籍男性ですが新婦さんのところに名前が書かれています。なお、本名をパスポート表記するとYUKIなので、違和感が仕事していませんが。

最終確定書面(後ろの新婦のところに名前が)

次は、タイでの女性の民族衣装写真の交渉

次は、ハワイに旅立つ前に、タイの日本人の方も御用達の、写真館さんへ国際電話をかけて、「男性だけど事情があって、女性のタイ民族衣装を着て写真を撮りたい」旨をお話ししたところ、「あ、それおもしろそうねーーー!」と快諾でした(笑)「おねぇちゃん、いっぱい写真撮ってあげるからねーー!」と、既におねぇちゃん。なお、「スタジオ・ラフォーレ」という写真館さんです。google mapは住所が間違えているみたいで、タクシーの運転手さんがたどり着けず怒っておりましたのでご注意を。

いよいよハワイへ

2022年7月21日夜、羽田空港からハワイ・ホノルル空港行きの全日空の飛行機(アップグレードポイントがあったので、ビジネスクラスにアップグレードして快適な空の旅を)で、ハワイに向かいました。

搭乗口、まもなく搭乗開始です。
全日空のビジネスクラス。フルフラットシートになります。
個室に近い空間と、画面も大きいです。

7時間ほどの空の旅、その前に、航空会社の上級会員になっているので、「ANA SUITE LOUNGE」も使えるので、そこでもご飯食べ放題、機内食も出るのですが、このあとウェディングドレスに袖を通し身を包むので、そこは控えめに。食べ過ぎてウェディングドレスが入らなければ寂しいですものね。

全日空ビジネスクラスの機内食。なんだかんだで全部頂きました。

ビジネスクラスのフルフラットシートでゆっくり休みながら気がつけばもうハワイ。ハワイはホノルル・イノウエ・K・ダニエル国際空港に到着して入国審査(事前にESTAやワクチン3回接種証明等は申請済み)などを通過し、ハワイ!へ。ホテルへはHISさんがホテル送迎だけの現地プランを出しているので、それでホテルへ。

ホテルでは、事前にソロフォトウェディングで行く旨、またドレス選びの関係で早めにチェックインしたい旨をお伝えしていたのですが、到着するなり「Congratulation! Happy Wedding!」と声をかけて頂きました。そして、すぐに部屋にご案内頂きました。

手前がベッド、写真はソファーです。後ろには簡単なキッチンも。

ついにウェディングドレスに袖を通し

14時45分ホテル前待ち合わせで、ドレスサロン(「マサコ・フォーマルズ」さん)の方に迎えに来て頂き、そしてドレスサロンへ。
昔演劇で何度も着たことがあるドレスですが、これだけ並んでいると圧巻ですね。ものすごくワクワクしてきました。
そして、ドレス選び。いろいろと試させて頂いたのですが、元々はAラインのオーソドックスなものがいいかな?位に思っていたのですが、これ試してみて?と持ってこられたのが、マーメイドラインのレースのドレス。体型がもろに出るのでマーメイドラインは無いかなと思っていたのですが、むしろ結構体型が女性化しているので、ボンキュッボン(お尻は元々大きいのがさらに大きく、胸も大きくなってる:表現が古い)で、意外と似合うと。サロンの方も絶賛。背中自信なかったけど、すごく綺麗とのことで、1着はこれに。

レースがとても綺麗なマーメイドライン
レースのトレーン(後ろの引きずる部分)がとても綺麗

運命のドレス1着目はこれに。そして2着目は、オーソドックスなものが良いかなと言うことで、サテンのAラインのウェディングドレスに。これも背中が大きくあいていたけど、背中綺麗なのと、色白なので、これが良いかなと、サロンの方も絶賛。
(フィッティングの時の写真撮り忘れ、ごめんなさい。のちほどお見せします。)
というわけで、運命のウェディングドレス2着に袖を通したところで、翌日(2022年7月22日)のソロフォトウェディングに臨むことに。

運命のソロフォトウェディング

いよいよ、2022年7月22日、アメリカ表記だと7/22/22と、2の並ぶおめでたい日に、ソロフォトウェディングに臨みました。
朝、10時前にホテルにサロンの方が迎えに来られて、まずはヘアメイクとメイクから。髪の毛は男性ホルモン止めてからまだ間が経っていなくて伸びきっていないので、ウィッグで対応(持参)。


そして、ウェディングドレス1着目に袖を通して身を包み、いよいよソロフォトウェディング開始。撮影場所であるビーチまでは、リムジン(長い豪華な車の方)で向かいました。

そして撮影会場で、カメラマンさんと合流。ソロフォトウェディング開始です。いろんなポーズをカメラマンさんが指示してこられますので、それにあわせていろんなポーズを。

もうこのとき、ウェディングドレスに身を包んで写真を撮っているとき、本当にウェディングドレスがしっくり来ていて、身体に吸い付くようで、女性性として、身体が出している自然な女性ホルモン優位で生きていく、今後もう男性ホルモン補充療法や、性腺刺激ホルモン補充療法をしない、たぶんいろんな困難はたくさんあると思うけど、でもやはりこのウェディングドレスに袖を通して身を包んで、写真を撮って貰っている瞬間のうれしさや、涙が出そうになる気持ちや、なにより本当の自分はこれだという確信めいたものがあったので、このあたりで決意しました。ですので、ここの写真は決意の写真です。ブーケを前に、決意表明。

ウェディングドレスの魔法

本当にウェディングドレスの魔法というか、今までの迷い(男性ホルモンを再開すべきかどうか)を完全に断ち切ってくれました。そして、ウェディングドレスのお色直し、今度はサテンのAラインのウェディングドレスに袖を通して身を包み、カカアコタウンのストリートアートの前で、さらに魔法にかかっていくことになります。

既に予定時間を倍近くオーバーしていたのですが、大丈夫ですかとお聞きしたところ、「カメラマンは芸術家だから、納得いくまで写真を撮らないと怒るのよ、なので、時間の心配はせずにね」とおっしゃって頂きました。

そして、先ほどの繰り返しになりますが、本当にウェディングドレスが身体に吸い付くようにフィットしていて、本当の自分はこれだったのではないだろうか、嬉しさと、感動のあまり涙と、女性性を選択して間違いではないという確信めいたものが出てきて、本当に有意義な時間でした。で、決意のバンザイ!

ウェディングドレスの魔法は0時でとけない

なお、ドレスを翌朝まで借りられるプランにしたので、なんとホテルにウェディングドレスのまま入り、フロントやコンシェルジュのかたに祝って頂き、なんと翌朝まで着たままということもしました。それほどにしっくりきました。もちろん、トレーン(後ろの引きずる部分)は取り回しが大変ですが、でもなんかすごく落ち着き、本来の自分の姿という感じと、嬉しさがあり、本気でこのまま帰国の飛行機に乗ろうかと思ったくらい(笑)

翌日はフライングホヌ(全日空のA380世界最大の飛行機)で

決意を固めたところで、帰りの時間になったので、残念ながらウェディングドレスを脱ぎフロントに預け、空港に向かいました。飛行機好きとして乗りたかった、エアバスA380(世界最大の旅客機)に帰りは乗ります。こちらもビジネスクラスへのアップグレード。

ビジネスクラスで2階席からの主翼
飛行中の主翼。頼りにしてます。

帰りの機内食は、もうウェディングドレスを着ないので、きちんと頂きました。

フライトマップの飛行機もフライングホヌ!

そして、成田国際空港に到着となりました。

到着前に機内照明がレインボーカラーに。ハワイでは虹はめでたいことの象徴だそう。

ハワイで、ソロフォトウェディングを挙げて祝福して貰い、ウェディングドレスに身を包んで感じた、直感めいた、この決断や決定を大切にしたいと思います。

そして忙しく次はタイに

帰ってきて一週間も経たないうちに、今度はタイへ旅立ちました。今度は成田発、羽田帰国です。

今度はドレスは着ないので、JALファーストクラスラウンジでお寿司とか食べ放題!
行きは窓側だったので。横のハワイアン航空の垂直尾翼の人の顔が怖いw
プレミアムエコノミークラスの機内食
今回はプレミアムエコノミークラスなので、フルフラットにはなりませんが、そこそこ快適。

そして、タイに到着。タイでいろいろ観光しましたが、こちらのnoteのメインを。

タイの女性民族衣装とメイクでさらに確信を

タイの民族衣装が着てみたい!と探していたら、日本語の通じる写真館さん(現地の日本人も愛用!)の「スタジオ・ラフォーレ」さんが訪ねあたり、先述のように交渉OKだったので、タイ女性民族衣装とメイクで写真撮影。
やはり、こちらのほうがしっくりくるというのが正直な感想で、やっぱり男性ホルモン補充はやめようと、さらに強く思いました。

やはり女性性を中心に生きようと決意決断

これら2つの体験、やってみた経験を通して、戸籍は男性ですが、もう無理矢理男性ホルモンを投与して男性化の維持を図るのではなく、自分の自然な状態に任せようと思いました。費用はかなりかかりましたが、人生の決断という意味では、すごく有意義な2つの旅となりました。

余談ですが、普通の格好で海外で男性用お手洗いに入ろうと思ったところ、ハワイでもタイでも従業員の人に怒られて、あなたはあっち!と女性用に強制連行されたり、男性用トイレに一度入ったら、そこにいた全員がビックリして出て行ったり、帰国用PCR検査でも「Ms. Yuki …..」と、女性になっていたり(その場で直して貰った)、挙げ句、空港で車椅子搬送をお願いしたら女性用に連れて行かれて、「I'm male!」と言ったら「Nice Joke!」と言われそのまま女性用に連行、そして、あちこちで頼み事をしたら、「Yes,ma'am.」と、女性敬語(男性に対しては「Yes,sir.」になる)で返ってくるような状況です。海外の人からは完全に女性に見えるみたいです。それなら、やはり自然体で、女性性を選択した方が良いのかなと。(日本では誰でもトイレを出来るだけ使いますが、海外にはないんですよね。)

ということで、私の決断決意に幸あれ!!!

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