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アセクシャル黎明期のお話し(1)

こちらでは、「ゆき」という名前で活動していますが、アセクシャル関連では、「雪」で活動しています、というと、ピンと来られるかたもいるかもしれませんね。

現存するアセクシャル関連では日本最古のサイト(現在リニューアル中につき、アドレスは伏せますが)の管理できていない管理人です。

アセクシャルという言葉の論争があるようですので、アセクシャルという言葉の黎明期のお話しをさせて頂ければと思います。

なお、今や貴重な、2002年頃(20年前!)のアセクシャルサイト(うちの)のバナーです。

バナーなので小さくてごめんなさい

あと、当時(2002年から利用、20年前!)のタイトル画像も、ファイルサーバから見つけました。貴重品です。

Enkelien metsa=フィンランド語で「天使たちの森」

当時(2002年、日本にasexuality→アセクシャル、を持ち込んだ頃)のお話しなどを綴っていきたいと思います。
2002年〜の黎明期当時の海外でのAセクシャル(海外の場合だけは、Aセクシャル表記、日本の場合はアセクシャル表記としたいと思います。)なども書いていきます。

なお、一部有料記事にさせて頂きますので、カンパして頂ける方はどうぞよろしくお願い申し上げます。

2002年当時の海外のAセクシャルの状況

2001年に、現存する世界最大のAセクシャル(asexuality)サイトである、「AVEN」(Asexuality Visibility and Education Network)が設立されます。

当時は解説ページに加え、簡単な掲示板などがありました。

なお、現在論争を起こしている、「アセクシャル」という言葉を「恋愛・性愛感情が両方ともない」という意味で使わないでください!という主張を聞きますが、実はこの当時(2002年頃)、AVENおよび他の海外のサイト(数えるほどしかなかった)では、「Aセクシャル(asexuality)」の言葉では、恋愛・性愛感情の区別はなく、実際には両方を持たないケースも、片方も持たないケースも、ごちゃ混ぜになっていた状況でした。

日本のアセクシャルの黎明期〜サイト

日本にアセクシャルが持ち込まれたのは、2002年頃になります。本格的にサイトが構築されたのは、「INNOCENT KINGDOM」(閉鎖、王理さん管理)がはじめで、次に2002年9月に「Enkelien Metsa」(名前を変えて現存、雪管理)が構築、そして、その後、翌年には「asexual-japan.net」(閉鎖、ももさん管理)と、次々にサイトが構築されます。

当時のインターネットの傾向として、どのサイトでも、アセクシャルに関する解説、そして掲示板、チャットがありました。

当時は現在のような定額制インターネットがほとんどなく、夜中だけ定額になる「テレ・ホーダイ」というNTTのサービス(結構値段高かったけど)がありましたので、夜中にチャットが繰り広げられていました。

日本のアセクシャルの黎明期〜言葉の輸入

日本にアセクシャルの概念が持ち込まれたのは、複数経路ありまして、でもいずれも元はAVENをもとにしていることが多いようです。

実は、日本は、アセクシャル(Aセクシャル、asexualiity)に関しては、その概念が、セクシャリティが入ってきたのは相当早い国の1つであったりします。2002年(20年前!)にはすでに日本に入っていて、欧米諸国は早い傾向がありますが、それ以外の国では相当早いかと思います。

「INNOCENT KINGDOM」の王理さんも独自ルートで日本に「Aセクシャル」を持ち込まれましたし、「Enkelien Metsa」の雪も、日本に独自ルートで「Aセクシャル」概念を輸入しました。

そもそもどうして海外サイトから

そもそもどうして海外サイトから言葉を輸入したのか、ですが、雪の場合で言いますと、当時大学院生(M1)だった私ですが、「そういえば、この年齢になるまで、一回も恋愛とか、性的な感情を持ったことがないなぁ」と思い、その前に憲法学のゼミ(あ、私、一応法学部・法学研究科です)で、「府中青年の家事件」(ゲイの団体が東京都の施設である府中青年の家を利用しようとしたところ、セクシャリティを理由に利用が拒否され、そのことについて争われた事件)で、ゲイやレズビアンなどの存在を知ってはいたのですが、そういや私に当てはまる言葉ってないのかな?と日本の「Yahoo!検索」(当時まだgoogleはないです。)で調べたけどマッチせず、で、海外のいろんな検索を使って、そしてAVENに巡り会ったというわけです。そして、これはぜひ日本でも広めるべき、と、日本に輸入した次第です。

日本のアセクシャルの黎明期〜言葉について

言葉については、「Enkelien Metsa」では、「アセクシャル」とは、「他人に対して性愛感情を感じないこと」としていました。つまり、性的感情・恋愛感情両方ともを含んでいました。これは、AVENの当時の定義にあわせるかたち、というか、まだ「恋愛感情」と「性的感情」とを分離する考えはありませんでした。

日本のアセクシャルの黎明期〜発音

まだその当時のインターネットの技術では、youtubeもありませんし、「asexual」または「asexuality」という英単語を、どのように発音するのか、音声で聞く手段がありませんでした。ですので、海外では「エイセクシャル」と発音するところ、日本で「アセクシャル」という発音をするようになったのは、私とか、黎明期のサイト運営者のせいです、ごめんなさい。なので、日本では初期は「アセクシャル」「Aセクシャル」「エイセクシャル」が入り乱れておりました(現在は「アセクシャル」がだいぶ主流になってきていますが)。

「狭義」「広義」のアセクシャル〜日本独自の発展

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