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笑って別れるとまた会える

NHKのドラマ10「大奥」、男女逆転の江戸時代のパラレルワールドを描いた物語で、漫画は読んでないが、シーズン1のとき、冨永愛さん演じる徳川吉宗のかっこよさのビジュアルだけで見始めたら、史実を交えながらのストーリー展開にぐいぐい引き込まれ、シーズン2もついつい見てしまっている。

徳川幕府末期、公武合体をめざし、14代将軍家茂(女)は、和宮を迎え入れるが、実は、和宮(弟)に扮した親子(ちかこ・姉)だったというこれまたびっくり展開。

「これで、あんた子どもできひんでっしゃろ。あはははは~」

って怖い。まじで。

ちなみに、親子は和宮の幼名なのだそうだ。史実がどこからどこまでか頭が混乱するがそれがまた面白い。

家茂は上洛を頼まれるものの、体の具合がよくない。しかし、公武合体実現のため行くことを決意する。しかし、家茂の体を心配した和宮に「行かないでほしい」と頼まれる。が、やはり国のために上洛を決意。

上洛の日の朝。行くなと頼んでもいってしまう家茂に背中をむけ、口を聞こうとしない和宮。その背中をみつめ、
「お土産をもって帰ってくるから待っててくれ」
と心の中でつぶやく家茂。

これが最後の日になるとは知らずに、口もきかず、顔も見ずに別れてしまう二人。そして、史実どおり、家茂は京都でなくなる。

和宮の背中を見つめる家茂のまなざしだけで泣けた。
先を知っているからこそ、
「和宮、意地はるな!振り向け!」
とテレビに向かって叫んでしまう。

人生一寸先は闇。いつもある日常が一瞬でなくなるというのは経験しないとわからない。東日本大震災などの災害をテレビを通してでもみると胸にささる。しかし、人は日常に戻ると、日々の感謝を忘れてしまうものなのだ。

もうかれこれ17年前、母親の弟(おじさん)が46歳という若さで亡くなった。心筋梗塞だった。
前日、大学の進路で父親(おじさん)とけんかした長男。お父さんの出張の朝、ご飯も一緒に食べず、顔もみずに学校に行ってしまった。それが最後の日になるとは思わずに・・・

おじさんは、2泊3日で山に仕事に出かけ、宴会の場で意識を失う。山のふもとから救急車がきたのは40分後。もうすでに亡くなっていたそうだ。

葬儀の日、喪主となった長男の言葉は今でも忘れられない。

「前の日にお父さんとけんかして、そのまま口もきかず、顔もみずに家を出ていきました。いつもけんかしても、数日たてばまた普通の親子に戻れました。でも、もう戻ることはできません。
これからの人生、家を出るときは何があっても顔を見て、笑顔で別れたい。そう思っています」

最後は涙を流しながら語った長男の言葉は胸に突き刺さるモノがあった。

それ以来、どこかとんがっていた長男は、丸くなり、当時の言葉どおり、いつも笑顔で接してくれる。

おじさんの17回忌のときに、葬儀での言葉のことを話した。

「笑って別れるとまた会えるんだよ。あの日から、二度とあえなくなった人は一人もいない。あ、ばあちゃんは亡くなったか(笑)」

どんなにけんかしても、どんなに腹立たしいことがあっても笑って別れる。簡単なようで難しいことをわたしも続けている。

今日も読んでくれてジェンクーイェン(ポーランド語)
ポーランドいったことないんだよな~。円安が落ち着くのを待っているが、円高になるんだろうか。いや、給料さえあがれば!(←願望)



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