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誰でも楽しめるアートをあなたに

10年間、私は一貫して同じことを伝え続けていました。

「誰でも描けるアートをあなたに」

このキャッチフレーズで丸シールアートを長年作成し、表現し、皆さんにわかりやすい作品を作ってきました。実際共感される方は大変多く、たくさんの方から関心を寄せていただき、それによって多くの経験を積ませてもらい、実にたくさんの作品を作成しました。

おかげさまで今後も全国各地のギャラリーや美術館で展覧会を予定しています。正直とっても恐れ多く、自らの実力不足を感じながらも、期待に応える作品を作ろうと情熱を燃やしています。

でも気づいたんです。

誰でも描けるものじゃなかった。

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「丸の内」2022 ©️大村雪乃

そりゃそうだよ!!!

素材は100円均一で買える丸シールですよっと言ってもこの作品は横幅3mもあります。シールだからって同じの作れるわけないよね!

私は長年油絵を描いてきた絵画畑の人なので、油絵に比べたらシールの方が扱いやすいっすよ!て思って言ってたんですが
それはJavaよりC++の方が扱いやすいっすよ!と言ってるのとそう変わらないということに気づきました。
でも発表当初はすぐに真似されちゃいますよ??なんて心配された声も多くあったので、本当に危機感を持ちながらそれでも誰もが親しみを持てるアートを作ることに専念してました。

ひとえにアートをより多くの人に楽しんでもらうために。


ところで近年はどうでしょう。
アート業界はより多くの人を歓迎しているでしょうか。

確かにそれまでの客層と少し変わったように感じます。
若者がもっとカジュアルに作品を楽しんでいる印象です。アジアのお客様も増えました。しかしより多くの人に心を開いてきたかというより、触れられる人は積極的に触れるけど、触れない人は全く触れない。
教養の格差が広がったように感じました。

特に数年前からは地方美術館での展覧会が増え、地元の方との交流をする中でより一層その思いは強まりました。
だとすればそれはとても悲しい現実です。

お金を持っている人、地位がある人、アートに関心がある人だけが引き続きアートに関心を寄せてくれている。
それでいいんでしょうか。

もっとたくさんの業態、職種、年齢、ブランド、問わずに作品を鑑賞してもらえたらきっともっと社会が豊かになるんじゃないかな。

私の作品を応援してくれてる人には本当に感謝していて、皆様のおかげで長年アーティストとして活動させてもらっております。
その気持ちは一切変わらないですが、地方で展覧会をした際にお客様と話した時

「普段は子育てで忙しくてアートなんて全然見てなかったんだけど、これなら子供も楽しんでもらえると思ってきました。」

「アートはわからないけど大村さんの作品ならわかるし楽しい」

「美術館orギャラリーなんてほとんど来たことがなかった。」

という人の声が一番嬉しかったです。届くことのなさそうな方に作品が届いたのかもしれない?と思える瞬間でした。

私は何のために描くのかという問いは長年の問いとして温存しながらも

一方でさまざまなお客様が作品を楽しく鑑賞してくれる姿には心から救われています。アーティストをやっててよかったかもしれないと思える瞬間です。

どんな方でもいいから見に来てほしい。楽しんでもらいたい。そのための機会をたくさん作りたい。

だからこの頃は積極的に地方に遠征しています。地方公民館にも行くし、駅から車で1時間かかるところにも気にせず行くようにしています。
そこで出会う人の温かさに触れて、私の中で何かが変化しました。
もっと私が知らない人に出会って、作品を見てもらいたい。

「誰でも描ける」ではなく「誰でも楽しめる」絵が描けますように。


というわけで次回展覧会は岡山県です。

新しいギャラリーとしてオープンするAgedor galleryで最初にご紹介してくださいます。ワークショップもやるのでぜひお越しください。

Agedor gallery
〒700-0822 岡山市北区表町2-1-44
086-255-1038
営業時間: 午前11時~午後7時30分  火曜日: 定休日
会期:2022年11月3日(木)〜11月27日(日)
ワークショップは*作品完成次第終了
詳細はこちら↓

新作を発表します。
これまでの夜景やお花や人物も描いてます。

でも今までとちょっと違うのは
「誰が何と言おうと良いと思うものを描こう!」という気持ちがより一層あがりました。
皆様との新しい出会いを、私が一番楽しみにしています。

よろしくお願いします。


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