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【歯並び日記⑰ぶち切れちまったワイヤーに】

37歳から始めた大人の歯列矯正の記録用日記です。2022年のお正月に決意してから10か月が経過。予定では2024年5月頃に完了する口腔内工事。マイペースに駆け抜ける所存。

10月上旬。
数年ぶりに親族が集まる機会があり、実家に帰った。
下の歯が整列しはじめ、綺麗なカーブ上におさまってきていた。うれぴス。
月イチペースで写真を撮りためているので変化が歴然だ。
口元をしっかり写そうとするあまり必死の形相の私の顔面が「歯」というアルバム内に時系列に並んでいるのだが、久方ぶりの近況報告がてら調子に乗って「歯」アルバムを披露。
親族の爆笑を誘えたのは良かった。

その日、昼食用に持ち帰りした府中焼き(パリパリ食感が特長の人気店のもの)を食している時に、パツン!口の中で何かがはじけた。
「赤い実はじけた★」ばりのはじけっぷりでつい「うわ!」と声をもらしてしまった。
「なになに?」「どしたん?」とその場にいた両親やきょうだいが心配して私の顔を覗き込んだ。

イーすると右上の唇の端からワイヤーがぴーん。
犬歯に前回新たにつないだワイヤーが切れて唇の端っこから空を切らんばかりの突き出しっぷり。
そのあまりのビジュアルに、そこにいたメンバーズはのけぞる。

「うわ~それ血じゃない」いや、全く痛みがない。お好みソースです。
「歯が折れとる」いや、全く痛みがない。ワイヤーに詰まったそばです。
あまりのおぞましい見てくれに、右へ左への大騒ぎ。
クリニックにすぐ電話。その日の夕方に受診決定。
幸い痛みは全くなく、困るのはしゃべるたびにフガフガ上下する飛び出たワイヤーのみ。

親族の集まりもお開きになり夕方、クリニックへ。
「すぐに直しますね~」
歯科衛生士さんがささっとかつ丁寧に犬歯を繋ぐワイヤーを再現してくれ、事なきを得た。

そしてさらに一週間後。家族でスシローへ。
すぐにハムスターほっぺになるので外食は気が進まない。
量より質!ということでアワビ三貫盛(生・煮・蒸)をいそいそとパネル注文し、いざ食した時。事件は起こった。
生アワビが硬すぎてちょっと気合を入れて噛んでしまったのだが、どうやらその瞬間に右下3番と5番の間のワイヤー切れちまった。
「どうやら」というのも今度は「赤い実はじけた★」感じにはならず、気がついたら静かに断裂していた。
ワイヤーも特に唇の端から飛び出さないし、「しゃべる・食べる」になんら支障がないので次の調整日まで放っておくことにした。

以上の経験から、今後歯列矯正に挑む人に伝えたいこと。
ぱりっぱりのお好み焼きと生アワビには細心の注意を払ってください。
そして蒸しアワビと煮アワビはこの世のものと思えないほど柔らかくて美味しいです。
ワイヤーが切れたまま、しばらく私の頭の中はアワビの味一色だった。
もしかしたらちょっとだけ中毒性があるかもしれない。はあ、また食べたい。
つづく。

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