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山種美術館┃百花繚乱 華麗なる花の世界展

記憶が薄れぬうちに…

久しぶりの訪問です。山種コレクションの中からお花を描いた作品を集めた展覧会。

山種美術館は近現代の日本画を専門とした美術館。恵比寿駅から歩いて10分ほど。

今回の展示で楽しみにしていたのは大好きな福田平八郎の作品たち。

平八郎の作品の中でも、わたしが特に好きな《牡丹》。この作品をはじめて観たのは4〜5年前の展示ですが、そのときの衝撃は忘れられません。そんな牡丹図が今回展示されているときいて、念願の再会を果たすことができました。

二曲一隻の屏風、大きな画面に紅白の牡丹が淡くほの暗い葉の中でぼんやりと浮かぶように描かれています。裏彩色が施されており、中央の白牡丹は闇に光るようにみえます。

裏彩色というと伊藤若冲の作品を思い出します。狂気…あれも忘れられないだろうなあ…まあ、若冲はさておき…

この牡丹図は平八郎晩年のモダンな作風からはまるで想像もつかない程の写実的な描写ですが、妖艶で美しく、この世の風景ではないような世界。誰もが魅入ってしまう作品だと思います。

↑↑過去の展覧会のページですが画像つきで解説されていたのでメモのかわりにリンクを。

さて牡丹というと、わたしの大好きな祖母が嫌いな花。昔、実家の庭の端っこに牡丹が咲いていて、ぼてっと落ちていくのが嫌だと言っていたのを思い出します。潔くて堂々としていて本当に王様みたいだけど、少し寂しさも感じる花かもなんて思ったり。

菱田春草の《白牡丹》もわたしの好きな作品のひとつです。儚さと凛々しさを感じます。風が吹いているみたい。春草はわたしの祖父母も大好きな画家。

荒木十畝の《四季花鳥》のみ撮影可能になっておりました。琳派のエッセンスが散りばめられていて、たらしこみも美しく、色とりどりで見ていて飽きません。ユートピア。

花鳥画は日本で生活していて身近な主題なので、親しみを感じることができます。もちろんその身近な動植物にも畏敬の念や神々しさを表現しているような作品もありますが、全体的にマイナスイオンが発生しているようで癒されました。すっきり。滝をみた後みたい。

この季節にちょうどよく、紫陽花を描いた作品たちもとても印象的でした。山口蓬春の《梅雨晴》は、いつ観ても気持ちの良い爽やかでいきいきした青。同じ主題でも、現代の作品で長谷川雅也《唯》の青はまた違う深くしっとりとした青。こちらもまた美しかった。西洋でも日本でも、青はずっと特別な色。
日本画は岩絵具や金泥がきらきらしていて好きです。ずっと眺めていたい。

帰りにミュージアムショップで《唯》《梅雨晴》の絵葉書をおみやげに。オリジナルグッズも充実しているのと、和モダンでかわいいセレクト雑貨が多いので毎回チェックするのも楽しみのひとつだったりします。

また館内のカフェでは、毎回展示にあわせたオリジナルの和菓子がいただけます。今回は少し混雑していたので諦めましたが、やっぱりお花モチーフの和菓子は可愛い。ミニチュアにしたいくらい可愛い。そしてとても美味しいのです。

山種美術館のnoteに詳しく書かれていました☺️✨

次回訪れたときはぜひお抹茶と一緒にいただきたいな〜

最寄りが恵比寿ということもあって周辺にも美味しいお店がたくさんあるのもわたし的な良きポイントです。チェコ大使館もご近所です。笑

美術館のこの文字は安田靫彦の筆らしいです。

今回は日本画の展覧会について書きましたが、ジャンルを問わず展覧会はいろいろ見ていきたいと思っている人間なので、美術についてもまたいろいろ書いてみたいと思います。

まだまだ油断はできないけれど、どうか鑑賞の場がなくならないようにわたしにもできることをしていきたい…

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わたしはこれからももっとたくさんの世界の美術をみてみたいし知識も身につけたい、外国語も上達したいと思っています。でも同時に、もっともっと日本のこと、アジアのことを知っていかないとな、とも思うのです。西洋美術史を専攻していた学生の頃に散々言われたことですが、外の国の文化を知るには自分の国のこと、自分の文化圏のことはより知っておく必要があると感じているからです。

わたしはほんとうのただの一般人なので、世界に出たいとか何かを成し遂げたいとか大きいことをしたいわけではありませんが、やっぱり常に念頭に置いておくべきことだと社会人になった今でも思っています。それはなにも美術に限ったことではなく。今後も忘れずに生きていきたいな、なんて思っています。

改めてそんなことを思ったのでここにしたためておきます✏️✏️

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