なぜインドに行きたいのですか?~夫、亮一からゆっきぃへの返事~
今回のゆっきぃからの質問は
「なぜインドに行きたいのですか?」
「なぜ旅に行きたいのですか?」
です。
まず、
僕が初めて旅を意識した本
「深夜特急」
旅する人やバックパッカーなどの間ではバイブル的存在(らしい)
僕が読んだのは当時24歳位だったかな?
そりゃもう熱に浮かされる様に読みました。(今でも適当な所をパッと開いては読み返す大好きな本です)
そして、香港からロンドンまでの旅路を描くこの本の中でも
僕が特に強い印象を受けたのは、著者が出会うアジア諸国でした。
物凄い熱量と混沌ぶり、光と闇、猥雑さ……
そしてそのアジアの中でも特にインド
その猛烈な個性と、はちゃめちゃっぷり!!!
僕が生きている同じ時代、こんな国が存在するなんて!!!
著者がインドに降り立った最初の地、カルカッタを歩いて、
カルカッタという街はほんのワン・ブロックを歩いただけで、人が一生かかっても遭遇できないような凄まじい光景にぶち当たり、一生かかっても考え切れないような激しく複雑な想念が沸き起こってる。
僕はこの一文にグッと来てしまいました。
サラリーマンになって間もなかった当時の僕は、
「あーいつかオレもアジアとかフラフラと放浪してみたいなぁ~」
と、その頃付き合っていた彼女に電話口で半分格好つけ、半分本気で呟いたのでした。
その時の彼女の返事、
「へ~、なんか何時か本当に行っちゃいそうな気がするね~」
当時一人旅などした事もなく、行動力にも全く自信のなかった僕は自分で「行きたい」とか言いつつ、どこかで「アジアを放浪なんて自分には無理だし、あくまでも本の中の世界なんだろう」と決めつけていました。
でも、何故かその彼女の返事を聞いた時、
何時か自分は本当にアジアにフラフラ行ってしまうのではないか?
そんな思いが急にリアルに迫ってきて、アジアの底無しの闇に吸い込まれて落ちて行ってしまう様な感覚に捉わました。
心臓がバクバク!、目の奥の方がグぉ~ッ!っと熱くなり、1人、部屋の中で恐怖しました。
今ブログを書いている同じこの部屋で起きた25年前の出来事でした。
そして46歳、2度のサラリーマンを経て、当時生計を立てていた整体業を辞め、既に一年が経っていた僕は、ずーっと心の何処かで引きずっていた「アジアをフラフラ放浪する」事をやってみようと思い実行に移すのでした。
そして、帰国直後のFBの投稿はこんな具合でした。
昨日深夜、無事帰国しました。結局約4週間に渡り、東南アジア5ヵ国をフラフラと旅してきました。特に何か必要性がある訳でも無く、目的もなく、「ただ何となくやってみたい」それだけで、本当にやってみました。最高でした。本当にやって良かったです。意味が無いからこそやって良かったと思います。行く前は(とくに1週間前位から)、結構ビビったりしました。でも、わからなければ片言英語で、身振り手振りで聞き、進み、バスに乗ってみて、電車に乗ってみて、又聞き、移動する。すると出会いがあり、ストーリーが生まれ、テンションが上がり、孤独があり、感動があり、疲れ、排便して、寝て… 又移動する… こんなに自分は強かったんだど、こんなに自分を歩けるんだと、こんなに人生でワクワクは選べるんだと… そんな感じです。 又必ず旅に出ます。 でも、ホントは「日常」や「旅」など何か境界線があるわけでは無いのです。 毎日、毎瞬、ホントは全て変わり続け、いつも新しく、何も掴まるものなど無く… 心に染みてしまいました。
そして2年が過ぎ、そろそろフラフラと行こうかなぁ…
やっぱりインド行っとかなきゃなぁ…
と思う今日この頃です。
でも、今でも僕が感じているのはやはり「日常」や「旅」などという境界線は存在しないのだ、と言う事です。
結局「視点」の問題だと思うのです。
僕は散歩が得意です。
家からコンビニまで往復で20分そこそこの距離でも散歩がある「視点」に入る時には1時間位は平気で時間が過ぎてしまいます。
通りゆく景色や物が身体中を満たす感覚がやってきて、いつの間にか時間が過ぎているという感じです。
木々も雑草もアスファルトもコンビニの看板も…
全てが僕の身体と同化してしまう…
そんな時、
「ハワイもアジアもコンビニも、変わらないんだなぁ」
と思います。
「近所でも十分に心は満たされる」
でも、なら何故わざわざ海外に?
それは刺激量と色の多さだと思う。
前回の東南アジアを歩いた時に強く感じた事があります。
これは例え話ですが、人にはエンジンみたいな物が備わっているんです。
バイクで言えば1000CC、とか1200CC みたいな大型バイク並みのエンジンが皆に備わっている。
でも、日本ってとってもルールや規則みたいなものが綺麗に整っていて毎日がルーティーンで…いつだって世界は変化し続けているのに、いつも同じ世界を生きてる様な感覚になってしまう。
そんな安全な世界では50CC スクーター並みのエンジンで十分生活できちゃう。
で、いつの間にか自分は50CCのスクーターだと思い込んじゃって、
たまに何か起きて45キロ位出しちゃうと「おっと!注意注意!安全第一!」
みたいな感覚になっちゃう。
本当は200キロオーバーなんて余裕なエンジンなのに。
これがアジアの混沌の中にブチ込まれると右も左もわからないし、普通に歩いてるだけでも何かハプニング起こる。
予定どおりが許されない。
だから思わずスロットルがんがん!ドカーン!! って
おれ、こんなにスピード出せたのか!?こんなに馬力あったんだ!? って
こういう感覚は流石に近所の散歩では味わえない。
刺激量や色の数が断然違う。
これが海外にわざわざ行く理由だろうと思う。
そう言う意味ではインドはやっぱ凄そうだし。
でも、そんな刺激的な時間の間にも
ふと…あの感覚がやってくる時間がある。
景色や、行きかう人、廃屋、匂い…
夜行列車の窓に写る自分の顔をにふと気づいた時、
全てに占領され、自分が消えていなくなっていまうような…
そういう「視点」。
あ…
「近所のコンビニ行くのと変わらないんだなぁ」って。
「こんなに遠くまで来ちゃったなぁ」と。
だから
なぜインドに行くのか? 旅に行くのか?
と問われても
意味無し
です。
だって本当は近所の散歩で満足できるし。
刺激が欲しいんです。
エンジンの回転数
ぐぁーんっ!!!
って挙げてみたくなるっちゅうだけです。
てかさぁ……
暑いし、疲れるし、寂しいし、わからない事だらけだし、色々調べるの面倒くさいし、怖いし… 小心者だし…
「49歳の妻子持ちが何やってんだよ??」
って頭の中の他人は騒ぐしさぁ (*´Д`)
半分行きたくないよ。
近所の散歩で終わらせとこうかなぁ~
藤山家嫁ゆっきぃ 最愛の旦那さん亮一さんと最愛の娘(7歳)空さん、義理母きみ子さんの4人&愛猫2匹でめっちゃ幸せに暮らしている。亮一さんと私、双方から1つのテーマについてやりとり形式のブログを書き綴っていきます。 夫婦のこと、SEXのこと、子育て…亮一さんの面白い視点に注目!