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【5分で読める】映画監督志望者必須スキル:美打ち力

映画監督の役割

「映画監督の役割は何?」と聞かれて答えられますか?
 それはズバリ「脚本(文字)を絵で想像し、そのイメージをスタッフに伝え、実現すること」です。
 今回、ご紹介するお話は業界の人には「助監督に求められるスキル」と言われます。したがって、「自分は監督志望だから関係ない」と思われるかもしれません。私も最初はそう思っていました。しかし、私は「映画監督になるためにこのスキルは必要である」と思い、この記事を書いています。

美打ち力とは何か?

 タイトルに「美打ち力」と書いていますが、「美打ち」とは何か?美打ちとは、助監督が脚本を読み解きながら監督とビジョンの共有をする過程です。例えば、「リビングで二人が会話している」というト書きがあった場合、「リビングの壁紙は〇色がよろしいですか?」「二人の衣装は〇〇にしましょうか?」と自ら提案をし、監督から「採用」「不採用」をいただき、監督のビジョンを具体的にしていきます。
 つまり「文字を最高の絵にする力」を美打ち力とここでは定義します。例えば、こんなト書きがあったとしましょう。(スタンリーキューブリックのシャイニングの1カットのです)

美打ち体験

【脚本本文】
 叩き。ダニーが床でおもちゃの車とトラックで遊んでいる。カメラが上がりながら後退。黄色のボールが画面外から転がり込み、ダニーのトラックに当たる。ダニーが顔を上げる。

 みなさんはどんなシーンを想像しますか?

*すぐにスクロールせず、まずは考えてみましょう!






こちらの0:22までが上のト書きから完成したカットです。みなさんはどんなカットを想像されました?

 「おもちゃの車は1台じゃないの!?」「絨毯!?」と思われるでしょう。しかし、こういったト書きには書かれていないことを形にすることも監督には必要です。極端な話、上のト書きに書かれていることだけを映像化しようと思えば、ダニーの服の描写がないので「ダニーは裸」ということにもなりえます。そうならないために監督・助監督は「ここでのダニーの服はどんな色にしようか?」や「カーペットは気味の悪い赤・オレンジ・茶色の組み合わせにしよう」といったことを考えます。

美打ちで意識する要素

 「ト書きに書かれていること・書かれていないことを形にする」と言われても何を基準に脚本を読んでいけばいいのか分からないでしょう。初めての僕も分かりませんでした。そこで前回までの記事で書いたミザンセーヌ一覧を参考に脚本を読んでみましょう。

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 (記事の全文を読みたい方はこちらからページに飛べます。) 

 この一覧を見て、「考えること多すぎ!」となるでしょう。しかし、これらのことを考えることができれば、海外の撮影現場でも戦っていける力を手に入れられます。一気に全部は無理でも簡単なモノから一つずつマスターしていきましょう。

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