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新宿西口の路上占いを受けてみた

1年以上前、新宿高架下の路上占いに挑戦した。

JR新宿駅西口の橋の下で、夜になると薄暗い雰囲気の場所だ。
↓私が占ってもらった人とは違うけど、ちょうど下の記事で取り上げられている場所だ。(TOP画像の方)

当時、宣伝会議の編集ライター養成講座を受講しており、講義の課題で人物の取材記事が出された。人と絶対にかぶらないテーマにしたかったわたしは、路上占い師に取材すると決意した。まず思い浮かんだのが新宿西口の占いだったので、夜6時ごろ早速向かった。

人通りの多い場所に、3名ほど占い師が座っていた。客は誰もない。取材をする大チャンスだった。

ただ、、、肝心の勇気が出ない。わたしは勢いはあっても、肝心なところで臆病になってしまうのだ。なんせ占い師がいる場所は、人通りがすごく多い。イケてる若者やキレイな女性、忙しそうなビジネスマンが大量に通り過ぎていく。そんな雑踏の中、幸薄そうな女が1人路上占いをうけていたらどうか。「アイツ路上占い受けてる……彼氏いないんじゃねw」「1人で寂しいなw」「占い信じてるとか、、他にやることあるだろww」……実際は誰も気に留めないのはわかっている。でもささやかれる陰口を想像してしまい、プライド高めな私は尻込みしてしまった。

一旦、様子を見よう。そう思ってスマホをいじるふりをして、占い師と一定距離を置いた位置で待機をする。ずっと立ち尽くしているのも変なので、近くの小田急百貨店を意味もなく練り歩く。「そろそろ戻るか」と占い師の前に行くけど、勇気が出ず、小田急へ。。。結局1時間ほど、うじうじ悩み続けた。

19時近くになると、さすがにそろそろ行かないと……と思い出し、いちばん優しそうなおばあさん占い師に声をかけた。そして背中に雑踏を感じながら、どうにか占いを受けられた。

おばあさんの占いはよく当たっていた。手相を見せた途端、「あなたはプライドが高い」と言われた。そらそうだろう、プライドが高くなきゃ占いを受けるまでこんな時間がかからない。仕事や人生の話をしつつ、自分の理解者ができたようですごく嬉しかった。占いは30分程度で3,000円、たまにはありかもしれないなと思った。

占いが終わりかけの頃、私はある致命的なミスに気づいた。普通に占い受けてるけど、課題のための取材が全くできてなかった。。そもそも取材するために占いを受けに来たのに、完全にただの人生相談をしていた。最後に慌てておばあさんに2つくらい質問をして、写真を1枚撮影した。ただたった2つの質問で記事になるはずもない。結局、ただただ占いを受けただけだった。

課題としては役に立たなかったけど、初路上占いは貴重な経験になった。後日、渋谷で路上占い師に取材する際、かなり簡単に声をかけられた。そして、そのおじさんの占いはビックリするほど当たってた。話もものすごく面白く、我ながらいい文章が書けた。

何事も経験しないと分からない。そんな教訓を、新宿駅で学んだなーと思いだした。


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