女子力はマニキュア1つでつくれるけど…

私の第一印象は顔でも性格でもなく、手の爪だった。

大学生の時、自己分析を行う授業をとっていた。その日の授業では、自分が他人からどんなふうに見られているか知るため、学生が二人一組となり、お互いの第一印象を教え合った。わたしのペアは学年も違う女子大生で、私たちはお互いの印象を書き合った。

ペアの彼女が私の第一印象としてあげたのは、「女子力がある人」だった。ガサツなわたしには不釣り合いな印象だ。理由を聞くと、手のネイルをしていたかららしい。そう、私の爪はピンクのマニキュアが塗られていたのだ。

しかしその日マニキュアををしていたのは本当にたまたまで、普段は全くしていない。しかもネイルサロンでやってもらった凝ったネイルでもなく、自分でやった淡いピンクのネイルだ。取り立てるほどでもない。しかし初対面の彼女には分かるはずもなく、目の前にいるわたしの爪を見て「女子力がある」と判断されてしまった。

当時「女子らしくなりたい!!」と思っていたわたしにとって、彼女から聞かされた第一印象はかなりびっくりした。

ただ何故だろう、思っていたより嬉しくなかった。初対面の人が感じる印象が、顔立ちや表情、性格ではなく、マニュキュアだったからだろう。たまたまつけていたマニキュアに、わたしの第一印象が完全に塗り替えられてしまったのだ。

おそらく本当に女子力があると思ったのではなく、マニュキュア以外に注目する部分がなかったのだろう。もしキラキラ輝く女性なら「やさしそう」「活発そう」「勉強ができそう」といった、性格の部分まで言及されていたはずだ。爪をキレイにするのはステキだけれど、よほど目立つネイルでもない限り、第一印象にはあげられないはずだ。

大学生だったわたしは自分に自信が持てず、いつも周りの女子と比べてばかりだった。成績や性格、顔立ち、髪形すべてにコンプレックスがあった。だから初対面の彼女からみるとどこか暗くて自信がないように見え、爪が真っ先に目立ってしまったのだろう。

ネイル1つで女子力はつくれてしまう。ただ本当に必要なのは自信であって、ネイルはその自信をもった自分を補強するものに過ぎない。ネイルに負けてしまってはダメなのだ。

ここ数年、ネイルをしていない。ただ久しぶりにマニキュアを使いたいと思うようになった。もうネイルに負けない自分になっただろうか……派手なネイルが溶け込んでしまうくらい、ステキな人になれていたらとてもうれしい。。

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