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「学生のうちに海外行っとけ」という大人にはならない

就活をしていて不思議に感じたのは、なぜかなり多くの社会人たちが「学生のうちに海外に行っとけ」というのだろうということだった。

もちろん、社会人となった今はその言葉の真意はわかる。
学生はお金はないけど、自由な時間がたっぷりあるし、若いうちに知らない世界を知っておくことは大切なことだ。
仕事によっては気軽に休みが取れなくなるし、結婚や出産があればもっとじかんができないから、学生のうちに楽しんでおいた方がいいということなのだろう。実に、ごもっともな意見だと思う。

だけど、私は思わずにはいられない。「みんな口にする平凡なことばを、得意げに言って恥ずかしくないの?」と。
学生のうちに海外行っておくことは確かに重要かもしれないけど、会社や仕事も、うれしかった思い出も恋愛経験も、挫折も価値観もぜんぜん違う社会人たちが、みんなで同じことを言わなくたっていいじゃないかと思う。

就活中の学生は何人もの社会人に会うのだから、「学生のうちに海外行っとけ」といわれると、道徳の時間に「命は大切にしましょう」といわれるような気分になる。「もう知ってるんだけどね」みたいな。

もしわたしが学生と話す機会に恵まれたときには、決して言うまいと決めている。実際、就活中にあまりにも「海外行っとけ」といわれすぎたので、反発して国内旅行ばかりしてしまった私だ。(1回だけ台湾に行ってしまったのは、わたしの意志の弱さかもしれない笑)

もちろんどこかの誰かが同じことは言っているだろうけど、「大学の図書館に入り浸った方がいい」とか、「卒論は一生懸命やった方がいい」とか、「青春18きっぷは使った方がいい」とか、ちょっと違うことが言えたらいいなと思っている。

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