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「不老不死」って悪いこと?

ヴォルデモート、鬼舞辻無惨(鬼)、大蛇丸…

彼らはみんな「不老不死」だ。

不老不死は、基本的にネガティブなものとして描かれる。永遠の命を手に入れる代わりに、知り合いは皆死んでしまい、老けない容姿が気味悪がられて孤立し、もう死にたいと思っても死ねない。ものすごく孤独な世界のはずだ。それでも永久の強さを求めるのは、冷徹な悪役くらいだろう。

わたしも不老不死は否定的だった。寂しいのは嫌だし、永遠に保持したいほどの地位・名誉・強さはない。100年近く生きられれば十分だと思ってた。

ところが最近、不老不死に興味が出てきた。

マンガ・アニメ・小説など、あまたの名作を楽しむには人生はあまりに短い。人生100年時代? いやいや、足りない、短すぎる。わたしが知らない名作は山ほどあるのだ。

不老不死に興味を持ったのは、HUNTER × HUNTERがきっかけだ。27歳で初めて見て、人生で1番面白い作品だと思った。ここまで夢中になれる作品があるのかと脱帽すらした。本当、死ぬまでに出会えてよかったと思っている。

ただ、めちゃくちゃ怖くなった。私が知らない名作、この世にどれほどあるんだろう。私は名作を全然知らない。今までBLEACHや呪術廻戦、幽遊白書、刃牙などの有名作品も見てこなかった。既存作品だけじゃない。この先も名作がどんどん誕生していく。

余生をどれだけ注いでも、死ぬまでに見たい作品は山ほど残ってんじゃないだろうか。  どうしよう、寿命が足りない。

不老不死ならすべて解決する。時間はいくらでもあるから、名作が尽きるまで堪能できる。不老だから、美容代をアニメや漫画に回せる。死なないなら保険加入もいらない。お金と時間をたっぷり名作につぎ込める。

「死ぬまでに最終回が見られない」という恐怖もなくなる。HUNTER × HUNTERの最終回だって、作者が描いてさえくれれば絶対楽しめる。怖いものなんて何も無い。なんて素晴らしい生活なんだろう。

そう思うと不老不死ってアリなんじゃないか? 正直、ちょっと心が揺れている。もし猗窩座に「お前も鬼にならないか?」と聞かれたら、すぐに断れる自信がない。忙しい現代人には、めちゃくちゃ素晴らしい提案だから。。


まぁどんなに考えたって、私はいつか死ぬ。ヴォルデモートも猗窩座も、私の元には一向にやってこないし。

今日28歳になった。こんな妄想する暇があるなら、黙ってアニメを見て歳をとろう。

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