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読書記録「花のさくら通り」


最近は図書館でじっくり本を読むというより、返して借りてくることが、増えてしまってちょっと残念です。じっくりと半日くらい本棚の谷間に埋もれて、あれこれと小説を選びたいです。



さて今日も荻原浩さんの作品です。
この「花のさくら通り」は、「オロロ畑でつかまえて」「なかよし小鳩組」とともにユニバーサル広告社三部作だそうで、「オロロ畑でつかまえて」は、小説すばる新人賞を受賞しています。


私は荻原さんの作品を記録するのは三作目。




どれも人物像がはっきりみえてきて、時には切なく時にはテンポのある展開に引き込まれました。

さて、今回の作品は



◎あらすじ

さくら通り商店街の和菓子屋の2階に越してきたのは、ユニバーサル広告社の杉山たちだ。

和菓子屋を継いだ守は、会社勤めの後、和菓子職人として父親から仕込まれ、つい最近店を継いだばかりだ。

最近はさくら通り商店街も店主たちの高齢で店を閉めるところもあり、活気は今ひとつだった。


そんな中、近所でボヤ騒ぎが頻繁に起こるようになる。そこで商店街の人たちは自警団を作り、深夜巡回することにする。自警団の集まりで、新参者の杉山も商店街の店主たちと顔見知りになる。

以前作った桜餅




◎気にになった箇所
✴︎269ページ
いくらいいモノを作ったと、胸を張っても、それを売る力、伝える力がなくては何もならない。守はそのことを思い知らされた。


✴︎✴︎400ページ
数字やデータを読むことに必死で、すっかり忘れていたのだ。肝心なお客さんのこころを読むことを。

多すぎる情報を捨てて、簡単なことに気づいた。品物を買うのは人。売るのも人。値段やキログラムだけでは人は動かない。

✴︎✴︎✴︎433ページ
欲しいのは、金ではなく、商店会というちっぽけな世界での王様の椅子。要するに、人にいばりたいのだ。

何年も商売を続け、そこそこ上手くいけば、プライドが芽生える。何十年も経てば自分なりの経営哲学が築かれる。


ナノハナ



◎感想
✴︎
いいものを作る、いいサービスを提供する、質の高い教育をする、それらの高い技術を持っていてもそれが必要な人に適切に伝えられなければ意味がないのかもしれない

お客さん、クライアントと上手くコミュニケーションを取りながら、相手の望むところを汲みながら、こちらの提供できることを効果的に伝えていく力がどんな仕事にも必要とされるのだろう。


✴︎✴︎
数字やデータを読むことに必死で、、、。私もかつて仕事上、数字から選択肢をアドバイスしたことがある。数字の向こうにある、環境の変化による可能性とか、人や物との出会いでモチベーションが上がることによる力の向上とか、考える余地はなかったと思う。


✴︎✴︎✴︎
ある組織に長くいると、長くいるというただそれだけで何か自分が偉くなったように思い、人に指図したり人を見下したような物言いをする人が、残念ながらまだいることも事実だ。

でも、色々な人を巻き込んで、組織を活性化し動かしていきたいとするなら、今の状況を客観的に見据え、受け入れて、周りをみながら一歩ずつ前に進んでいきたいと思える。

そんな毎日の積み重ねをまずは目指していこうと、ボランティア活動を始めて1年の私は日々思っている。

◎今日も最後までお読みいただきありがとうございました。

あずきケーキをどうぞ!

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