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【詩】 夕の空とて

5:55ふふと笑う
あまりものタイミングに囲まれて
アースカラーの植木鉢が等間隔に並ぶ

どうしてそんなに優しくしてくれるの
心細い質問は
竜胆がそっと受け止める
大切な人が笑ってくれれば
温かい気持ちがもっと膨らむ
単純でいいでしょう
何もかも

サ音に何か流されてきたなら
少し立ち止まって
空は遠くても時を跨いで
いつかは皆で手を繋ぐ
もう何も考えなくていい
あの木に登って
一緒に夕日の行く末を眺めよう
クッキーなんかを齧りながら

黄昏時の只中
いろんなものが浮かび上がる
ほらあそこにひっそりと
葡萄の蔦の絡む道標
方向が曖昧ならば
グラス一杯のポリフェノールでも
耳元が少し
熱を持つまで

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