木陰が多い町、少ない町

今日の日記

理想の近未来。みなさんはありますか。
空飛ぶ車。電脳世界。宇宙旅行。いろいろありますよね。ワクワクしますよね。

わたしは「冷やし中華はじめました」です。


夏になると町中華に垂れ下がってる、あれです。

あぁ、始まったんだ~ って思いますよね。
気分だったら食べるかもしれないけど、その程度ですよね。
まあ強いて言うなら「夏だねぇ」くらいですよねあとは。

そういうコミュニケーションをみんなでやりたいんですよね。


すいませんちゃんと説明しますね。

たぶんこのまま技術が進むと、ARとかMRのメガネが一般的になると思うんです。
アニメ「電脳コイル」で子供たちがつけてるようなあれです。

今でもスマホのカメラにナビの矢印が出たりしますけど、それのメガネ版ですよ。それをみんながかけてるとして。
SNSみたいに、みんなのつぶやきとか報告が表示されたら面白いなと思うんです。

めっちゃ真面目そうなおじさんの頭上に「昨日久々にバヤリース飲んだけどめっちゃうまかった」とか、バリバリのギャルの頭上に「ウォンバットって日本で飼えんの?」とか、参考書を読んでる小学生の頭上に「ツバが臭いのって人間の重大な欠陥だと思う」とか、書いてあったら良くないですか。

別にそこから生まれる交流とかにはそんなに興味ないんですけど、ただ街ゆく人たちの思ってることを見て「へー」って思いたい。
それくらいの温度感でつながれたら平和だなーって思います。


今日の感想:映画「私ときどきレッサーパンダ」

めちゃくちゃよかった。一番思ったのは「無理してねぇ~!」ってこと。

まず舞台設定。街ひとつだけで完結してる。そして主人公はめっちゃ仲いい友達が既に3人もいて、家族ともとりあえず信頼しあってる。
これの何がいいかって、大冒険であっちゃこっちゃ行ったり色んな人と出会って絆を築くみたいなことをしなくていいので、キャラクターたちの丁寧な心理描写に時間を割けてるんですよね。

そして展開。もちろんレッサーパンダになっちゃうのは急展開ですけどちゃんと説明あるし(偶然とかではない)、主人公たちが頑張るモチベーションが「推しのライブに行くため」っていうのがリアルかつ現代的で良い。
終盤のネタバレは避けますが「歌」に関連した熱い展開と最後の風呂敷のまとめ方もよかった。

あと個人的に素晴らしいと思ったのが、「配慮感」の無さ。
主人公が中国系移民?の家系っぽかったり、作中に出てくるアイドルのセンターが黒人だったりして、一見所謂ポリコレに配慮したように思えるんですが、何故かそのにおいが全くしない。
あくまで、自分たちががそうしたいからやってんだよ!うるせえ!って感じがしてとっても良かったです。

そういった「無理してなさ」、もしくは「地に足のついてる感じ」のしっかりとした地盤があると、感情移入しやすいんですよね~
だからディズニー・ピクサー伝統のエンタメ全開、喜怒哀楽を全部揺さぶってくるのも3割増しに感じるというか、よいです。

あと普通にキャラの動きと表情がいい。特に推しを見て感動して号泣してるところのこだわりとリアリティが凄かった。実体験なんでしょうか。

今日の感想2:映画「君たちはどう生きるか」(二回目)


初回の感想はこちらで書きましたが、二回目見て思ったことや気づいたことを箇条書きに。
相変わらずネタバレ注意です!絶対前情報無い方が面白いよ!!!








・改めて、異世界に入るまでの時間の長さに驚く。多分全体の半分くらい使ってる。
→おかげですごいフリが効いてる、異世界に入るときのワクワク感が増してる
(それだけ前半に監督の自伝的要素や幼少期の記憶が強く入っているとも言える)

・火事で亡くなるシーンのお母さんの幻影、改めて見るとすごく若くて、母にもヒミにも見える=母としてもヒミとしても眞人に話しかけていたのかな。

・おばあたちの初登場シーンの異様さにやっぱり笑う(ニュースオモコロウォッチの感想回を聞いたせい)。その後、廊下を歩くシーンでメガネのおばあがノリノリ、カメラ目線で廊下を歩いているのに気づいてめちゃくちゃ面白かった。

・青サギの鳥⇔人間の変化のモーフィング、中間の描き方がやっぱり凄すぎる。ポニョの魚⇔人間にも言えるけど、ああいうものが描ける眼って教えて育つものではないんだろうな。
※ポニョにも参加し今作で作画監督をやっている本田雄さんが凄いんだと思われる

・異世界でのキリコの存在に違和感があったんですが、もしかしたら世界五分前仮説の人間版的なことなのかな。
眞人とキリコが異世界に落ちる→その瞬間に異世界でのキリコが(異世界での記憶も含めて)作り出される。
=異世界のキリコはずっと昔から住んでたと思ってるけど、実は眞人が来てから作られた

大叔父(or石)の力ならできそうだし、それなら他の(異世界に落ちてない)おばあたちが異世界にいないのも納得できる。
→ただ異世界キリコはヒミと同じ世界に戻る=若い時のキリコだったことが示唆されているので、この説は間違ってるかも。

・眞人とヒミが塔を降りるシーンで、インコが卵を愛でていたり、野菜かなにかを栽培しているのを見逃してた。ただ醜悪な(動物的なものの象徴の)種族として描かれているだけだと思っていたから愛おしくなった。
あとやっぱり包丁を研いだインコのキメ顔は面白かわいい。


・大叔父の出てくるシーン全般、言葉が抽象的だったり二転三転するからよくわかんなかったけどようやく理解できた。

まず最初に眞人が夢の中で大叔父と話すシーン、ここでは大叔父は明確に「眞人にこの世界を継いでほしいこと」、「積み木を足して世界を増築、もしくは改良してほしいこと」を伝えている
=「この世界にとどまって管理してほしい」という意味(そもそも大叔父が青サギを使って眞人を呼び寄せたのもそのため)

次いで終盤、ヒミと大叔父が話すシーンで眞人を帰してやらねばと話す

その後実際に大叔父と対面するシーンでは新しい積み木を用意し、「新しく世界を作ってほしい」とだけ伝える
=この世界にとどまってほしいわけではない、(どんな形であれ)世界の存続だけが目的
→世界を作り終えたら帰ってもいいよ、と譲歩している

結局それも眞人に断られ、しまいにはインコ大王にめちゃくちゃにされてと散々な結果になるんですが。

一回目見たときはよくわからず、一貫して眞人を閉じ込めようとしているだけに見えていたので、大叔父への印象がだいぶ変わりました。とても哀愁のある方向に。


ここはやっぱどうしても大叔父=(現在の)宮崎駿としてメタ的に見てしまうんですが、そうするととてつもなく切ないですよね。

自分の作った世界=自分のイマジネーションを誰かに引き継いで欲しかったが、息子も含め、ついに完全な後継者は現れなかった

それならばと、新しい積み木=自分らしさのかけらを用意して、違った形でも、少しでもいいから誰かに引き継いでもらおうとする
(「三日に一つずつ積みなさい」という言葉に、時間かかってもいいからという意思も感じる)

だがそれすらも断られる=そもそも自分の築いてきたものは引き継げるような事ではなかったということがそこでわかる。
どうすればいいかわからないまま、突然世界の終わり=死が訪れる。

ミーム(文化的遺伝子)なんて言葉がありますが、それを厳密に引き継ぐことの不可能さを表しているのかなと思いました。

でも最後大叔父は元の世界に戻りなさいと促しているので、絶望して諦めてるわけでもなさそうですよね。
みんな自分の好きなことやりな!じゃーね!っていう潔さを感じました。


・墓の主の正体と、夏子が異世界に行った理由だけはマジでわからない。
でもわからないこともあっていいんだと思う。

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