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節税対策の大半は課税の繰り延べである

節税対策というのは年々がんじがらめになって、
対策すること自体が難しくなってきています。
そんな中でも納税の時期をずらすことに着目した課税の繰り延べを上手に行うことで、節税対策として機能します。

今回は課税の繰り延べについてのお話です。

課税の繰り延べとは?


繰り延べというのは、期限や予定のある日時などを先に延ばすということを意味します。つまり課税の繰り延べというのは、税金の支払いを先送りすることを意味しています。

課税の繰り延べとは、税金の支払を合法的に遅らせることです。

現在日本の税制というのは、租税法律主義といって、
法律によって定められています。

賢い人が節税策を思いついて、実行するんですが、
それを国税庁が行き過ぎた節税策だ!
となったら法律を制定して、禁止するという流れになっています。
いたちごっこなんです。

武富士事件なんかが有名でしょうか。

当時は合法だったスキームが法律によってできないようになっていった結果、今の複雑な税制が出来上がっています。

大がかりな節税策というのは現在ではほとんど通用しなくなっており、合法的にできるのが、税金の支払いを遅らせる、課税の繰り延べというわけです。

トータルで支払う税金は一緒

課税の繰り延べというのは、今年に払うべき税金を来年以降に支払ができるように対策をしていきます。

会社ができあがってから解散するまでのすべての期間で見た結果、トータルで支払う税金は一緒です。

ではなぜ課税の繰り延べが重要になってくるのでしょうか?

課税の繰り延べが重要である理由

課税の繰り延べが重要である理由は、資金の使い道にあります。

税金の支払いに使うのか
事業の拡大に使うのか
という違いです。

例えば手元の資金を10%で運用できる事業があったとしましょう。
税金に支払うべきお金を使わずに、事業に使うことができれば、
その分売上を上げるため、事業を拡大するために使うことができますよね。

今年支払う税金と
3年後に支払う税金は運用状況によって価値が全くことなるわけです。

当期に払った税金は原則的には取り戻すことができません。

税金を払わなくて済む分、
事業資金を再投資に回せるので、事業の拡大が見込める。
そのために節税策を実行していくということになります。


具体的な課税の繰り延べ方法

当期の利益金額を下げ、課税を繰り延べる方法は具体的には次のような方法があります。

・小規模企業共済
・倒産防止共済(経営セーフティ共済)
・保険

小規模企業共済は個人事業主や中小企業の経営者が加入できます。
倒産防止共済は法人で加入することができます。

ほぼほぼ積み立て貯金みたいな感じなのですが
当期の利益金額を下げる効果がある代わりに、
解約時に受け取る返戻金が収益になります。

課税の繰り延べは出口戦略が大事


課税の繰り延べを行うと
今年の経費になり、今年の支払うべき税金が張ります。
将来の収益として将来の支払うべき税金が上がります。

利益が出る年に何も対策をしておかないと、その年にどかっと利益が計上されてしまい、結果的に税金対策にならなかった・・・
ということが起こります。

なので大規模な修繕工事や大きな出費が見込まれる年に解約をして、
解約返戻金である収益と、大きな支出の経費とぶつけることで利益が大きくならないように出口戦略を練っておくことが大切です。

終わりに。キャッシュの動きを把握しておこう


今回は節税対策として課税の繰り延べという言葉について紹介しました。

節税対策として課税の繰り延べを行う場合、それだけ会社から現金が出ていくことになります。

節税のためにお金を出して手元のお金がカツカツに・・・
それくらいなら節税なんてしないで納税しておけばよかった。
という事態にはならないように注意しましょう。


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