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犬?それとも馬?〜カードゲーム「犯人は踊る」

昨年の大晦日の日のこと。

私たち夫婦と息子は、お昼に娘夫婦とお蕎麦屋さんで落ち合った。今日ここのお店で年越しそばを食べることにしたのだ。

大晦日のお蕎麦屋さんは、さぞかし混雑しているのでは…という予想に反し、それほど混み合っておらず私たちは待つことなく席につくことができた。

私の右隣には息子、その横には主人。
そして、私の真向かいには娘、その左隣には娘の旦那さんが座った。

メニューを見ると、他のお蕎麦屋さんでは見たことがない「とっぱち蕎麦」というものがあった。「とっぱち」っていったい何?

それは、イカとタコの天ぷらが乗っているお蕎麦のことで、イカとタコの足の数から「十八=とっぱち」というネーミングが付いているらしい。

娘と主人は、その"とっぱち蕎麦"を、息子は悩んだ末、蕎麦とカレーライスのセットを頼んだ。
「蕎麦屋のカレーって美味いっていうよね」
息子はカレーにかなり期待している様子。
(ちなみに、私と娘の旦那さんは何を頼んだか忘れてしまった💧)

お蕎麦を待っている間に、今晩我が家で遊ぶカードゲームの話になった。
娘が持ってきた「犯人は踊る」というゲームは、「犯人」のカードを誰が持っているのかを探し出すもの。「犯人」以外にも「一般人」「アリバイ」「目撃者」など計12枚のカードがある。
娘はその中の1枚のカードについて私に説明を始めた。

ちょうどその頃、全員分のお蕎麦が運ばれてきた。「とっぱち蕎麦」のイカもタコも柔らかくて美味しいらしく、娘は満足そう。息子も照りの良いルーがかかったカレーライスを目の前にして、今まさにスプーンですくうところだ。

娘は説明を続けた。
そのカードを持っている人は、「犯人」のカードを持っていると疑わしい人を指名することができるのだという。

「そのカードはね、『$€¥%』っていうカードなんだけどね」

娘の声は小さくモゴモゴとしていたため、私の耳にはハッキリ聞こえなかった。
なんとなく「犬」と聞こえたような…。
そこで私は娘に聞き返した。

「え?『犬』??」

すると、隣りに座っている息子がすかさず
『馬!!』
と、私の言葉に被せるくらいの勢いで言ってきたのだ。

え?馬?
私は一瞬にして頭が混乱した。
(『犬』じゃなくて『馬』??『いぬ』と『うま』じゃ最初の文字が違いすぎるじゃない。聞き違いだとしても、あまりにも違いすぎる!!)

すると、
「その『馬』じゃない!」
こっちを見ながら主人が言っている。

え?どういうこと?

私は隣に座っている息子の様子を見て、すべてを理解した。

息子は『馬』と言ったのではない。
『ウマッ(旨い)!』と言ったのだ。
蕎麦屋のカレーは、期待通りにメチャメチャ美味しかったらしい。。。

・・・私が涙を流しながら笑ったことは言うまでもない。まったくタイミング良すぎでしょ。

ちなみに、そのカードは『犬』で間違いなかった。

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