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【夫婦関係】「部屋干しアリエール探してドラッグストア4軒回ったよ」夫の一言に感じた我が家の性別役割とその反省♯050

とある日曜日の出来事。
毎週夫は夕方からテニスのレッスンに行き、その後、スーパーやドラッグストアに寄って買い物をしてきてくれる。
それは、ありがたいのだけれど、先日「ん?」と思うことがあった。
夫がなかなか帰ってこない。「どこか寄ってるのかな?」と思いながら、晩御飯の支度をしていた。
「ごめんごめん、遅くなって。部屋干しアリエールが無かったからドラッグストア4軒まわったから遅くなった!」
と。

え・・・たかだか部屋干しアリエールのために?4軒もハシゴする?
部屋干しアリエールって、そんなに大事?

と心の中でつぶやいた。

確かに部屋干し専用だとありがたい。
ただ、それがなかった場合、私の場合、普通のアリエールで妥協する。
もしくは他のメーカーの部屋干し洗剤にするか。
要は4軒もハシゴするなんてことはしない。
正直、部屋干しアリエールにそこまでのロイヤリティは持っていないし、部屋干しアリエールのために何時間もかけるのなら、さっさと家に帰って終わらせないといけない家事をこなし、子供と会話をし、平日仕事のパフォーマンスをあげられるよう、早く寝る。

夫にとっての家事はお手伝い程度のものなんだろうな、と改めて悟った。
当事者意識を持って、家事、育児タスクの全体量がわかっていたら、そんな部屋干しアリエールのために帰ってこないこともないだろう。

日々の暮らしのなかで、家族とのコミュニケーションの時間を作れるよう、そしてなんとか皆が健康的に暮らせるよう、預かり保育のお迎えの17時までという制約のなかで必死に仕事もやっているのに、それも理解してくれていないんだろうな、と遠い眼差しで夫の背中を見た。

そもそも10歳上の夫とは価値観がちょっと違う。
夫は「男は一家の大黒柱」という認識が強く、昭和の価値観を強く受けていると感じる。
ストレスで体に不調が出ながらも、毎日休まず会社に通う夫に、「すごいな」と思う一方で、「男たるもの・・・」という価値観に苦しめられているところがあるようにも感じる。
ちなみに、私は子育て世代のキャリア支援の活動もしていることから、どちらかと言えば、仕事も家事・育児も男女の役割は無いと考えるのが基本的なスタンスだ。

私たち夫婦は結婚後まもなく夫の転勤で、私が休業し、長らくの間、夫が仕事、私が家事・育児を担うといった夫婦分業の形で8年間を過ごしていた。
この間、1,2年のスパンで転勤を繰り返してきたこと、そしてコロナ禍に夫と単身赴任生活を送ったり、第二子を出産したり、イギリスの駐在が決まったことは、二人で試練を乗り越えた経験でもあり、また転勤のお陰で、全国そしてヨーロッパ各地を家族で回れたことで、ぐんと絆を深めることができた。

ただ、夫とは何か足りないと思っている。

周囲を見渡すと、夫婦が戦友のようにいい関係だな、と感じるカップルが多い。共通点は、お互いに仕事を持ち、家事も子育ても協力しあっている点。
恐らく、家事・育児を協力しあえる関係が5年、10年続くなかで、日々起きるハプニングを夫婦で乗り越えたり、お互いの考え方、進みたい道、そして家族がどうありたいか話し合えているんだろうなと感じる。

我が家と言えば、まず私の専業主婦期間が長かったことを引きずり、今も私が仕事を調整するなかで、家事・育児のほぼすべてを担当している。
実際、家計の主たる収入は夫だからと、あまり強く家事・育児もやってくれと交渉しにくい部分もある。
また今の家の立地が私の職場から30分、夫の職場まで1時間。
通勤時間が私の方が短く、在宅勤務の多さ含め仕事のフレキシブルさは高いので、私に家事・育児分担が寄るのはある意味合理的だと思う一面もある。

夫は毎日、通勤が大変だと愚痴をもらす。
その際、一度「じゃあ、(夫の)職場の近くに住むから、家事・育児の分担量増やせる?」と聞いたとき、夫の言葉が詰まった。
そっか、夫は家事・育児を増やす覚悟ができていないんだな、と悟った。

ただそれと同時に、私が同じように、夫の家事・育児の分担を増やすから、我が家の経済的役割をもっと多く担えるか?と問われた場合、「はい」と即答できない自分がいる。

私は生活には困らないお給料は得られているが、決して自分に稼ぐ力があるとは自信を持って言えない。そして今のように、家族との時間を持てることは心地よいから、自分が稼ぐことと家庭の充実はトレードオフになりそうな気持がどこかにあって、自分の経済的役割を増やすという観点で仕事を見つめることから逃げている面もある。でも、家庭の充実は保ちながら、限られた時間のなかで自分の生産性を上げられる余地はあるのかもしれない。

夫が部屋干しアリエールのために4軒はしごするのは、夫に私の仕事への本気度が伝わっていないということも一つなのかもしれない。夫が担っている経済的役割を、自分自身も担う覚悟を持つ。自分も経済的役割がしっかり担えると、夫の仕事のストレスや不調がひょっとしたら緩和されるのかもしれない。

そして何よりまずは夫との対話。

私たち家族の関係性がよりよくなる余地はまだまだ残されているような気がする。

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