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理系による理系のための情緒のない詩

白衣な人生が送りたかった。

でも、来ている白衣なんて、白くない。

三角ビーカー洗ってて、振り洗いしてたら、角を当てて割った。
底でうずまく水を見てたら、深紅じゃなくて、シンクの位置を見誤った。

ああ、フラスコでなくてよかった。
ああ、基質溶解中でなくてよかった。
自分を慰める言葉がこんなことしか出ない。

フラスコもやっぱり割っちゃった。
必要ないけど、栓が捨てられないの。
だって、すり合わせて作ってあるんだもん。

破損伝票に理由かけ。
「不注意」以外に言葉が出ない。

だって、三角ビーカーなんだもの。
角が当たりやすく出来てるんだもの。
フラスコなんて、丸いとこは薄いんだもの。

メートルグラスを落として割った。

200mlじゃなくて500ml。

これから何を測るにも、

1Lなら、5回かかる。

「この混合物質、分離して。」

私確かにそう言ったよね?
なんでガスクロ使ったの?

何も残ってないじゃない。

メートルグラスを洗っても、
汚れは落ちないのに、目盛が消える。

目盛の間は10分割で目で見るのよ。
目盛が無ければ困るじゃない。

メスシリンダーで量を測定。
うまく合わない。
「机の上で見なさいよ!」

先輩その机が傾いてるの。

天秤の水平が合わないわ。

水泡が円の中に来ない。

ああ・・やっとうまく水平に・・

天秤の足が浮いてるけど知ったことじゃないわ。

毎日がロマンティック、毎日がファンタスティック
って

そんなわけあるか!!

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