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子宮からの出血で命の危険を感じた話①

ある日、子宮からの出血が止まらなくなり、緊急搬送された。原因は、子宮内にできた仮性動脈瘤の破裂。出血性ショックを起こして、本気で「死ぬかもしれない」と感じた瞬間だった。

出血がはじまったのは、愛犬と夕方の散歩に出掛けてすぐのこと。

「あれ?生理は昨日で終わったはずなのに、また出血?」

尋常ではなさそうな出血量に異変を感じ、早々に散歩を切り上げて帰宅。夫に車を出してもらい、病院に急行した。

車のなかでは、気を紛らわすために夫と他愛もない会話をしていたが、じわじわと出血は続く。車に乗っていたのは30分ほどだったが、スカートは真赤に。念のため座席に敷いていたタオルも、血で汚れてしまった。

病院に着くとすぐに、子宮のエコー検査をしてもらうことに。先生は冷静にエコーの映像を見たあとに「わかりました」と一言。看護師さんに連れられて、ベッドに横になった。
「このまま安静にしていたら、自然に血が止まるのかな?」
このときの私は、まだそんな呑気なことを考えていた。

私が安静にしている間、夫は先生から説明を受けていた。
「子宮にできた仮性動脈瘤が破裂した可能性が高く、非常に危険な状態です」
子宮を温存しながら出血を止めるには、子宮動脈塞栓術(UAE)という手術が必要ということだった。この病院では処置できず、UAEができるのは一部の大病院に限られている。先生たちは、UAEができる病院を必死で探してくれていたらしい。

一方で私は大人しく安静にしていたが、相変わらず出血は止まらない。あまりに出血量が多いので、心配になってナースコールを押す。看護師さんと会話していると、耳が遠くなり意識が朦朧としてきた。看護師さんが急いで血圧を測ると上が70。低い、あまりに低すぎる…。

恐怖に襲われ「私、死ぬの…?」と泣き言を言う私に、看護師さんが「大丈夫!死なない!それが一番怖いよね。私の目をしっかり見ててくださいね」と元気付けてくれたのと覚えている。そうこうしている間に、搬送先の病院が決まった。

つづく

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