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【はじめての漢詩】「春暁」より「春精」

子供の頃に漢詩書くことに憧れていました。
今でも小学生で暗記して発表するという授業があるでしょう。
「封神演義」とか、「三国志」とかの中国の歴史にはそれほど興味はなかったのですが、短いフレーズでインパクトのある漢詩はカッコいいと思っていました。

大学生の頃、第二外国語をフランス語にするか、中国語にするか迷って挙句、中国語の先生は厳しいと聞いたのでフランス語にしました。
すると、はじめての授業に行った先で、フランス人が多数おり全く何をやっているかも言っているかもわからず、それ以来授業には行かなくて、単位を落としてしまいました。別にその単位取れなくても卒業できたんですよね。

大人になって、中国語の勉強もはかどらず、かといって、専門書の類も値段が高いので、これまでやってきた俳句と同じようにほとんど学ばずに、下手の横好きでやってみることにしました。

多分続きません。

何か端緒がナイト作り方も全くわからないので、孟浩然の「春暁」を真似してみることにしました。

【原文】
春眠不覚暁
処処聞啼鳥
夜来風雨声
花落知多少

【書き下し文】
春眠暁を覚えず
処処啼鳥を聞く
夜来風雨の声
花落つること知る多少ぞ

【現代テキトー語訳文】
春の明け方は布団が気持ちよくてなかなか起きられない。
あちこちから鳥のさえずりが聞こえてくるよ。
夕べは雨風の音がひどかったなあ。
花はどれほど散ってしまっただろうか。

五言絶句。
漢字5文字並べて4行で書けば良いのでしょう。
中国語がわからないので語順がわからず、韻も踏める気がしませんが、とりあえずやってみます。

【原文?】
春針不覚精
処処聞啼針
清朝猫叫声
糸花乱多少

【書き下し文?】
春針を精を覚えず
処処針の啼き声を聞く
清らかな朝の猫の叫び声
糸花の乱れる多少ぞ

【現代のわたくしの説明】
(はじめての)春の針仕事ははかどらず、妖精のような精しく精緻な刺繍は(腕が未熟で)できない。
(針を運ぶ手が乱れ)あちこちで針糸が鳴き声をあげているように聞こえる。
(夜なべして針仕事をした。朝日が眩しい。)清らかな朝にふさわしくない(ご飯を催促する飼い猫の大きな鳴き声や発情期の外)猫の鳴き叫ぶ声がしている。(そのせいで余計に手元が狂う)。
(私が縫って作った)糸の花はどれくらい乱れているだろうか?(かなり乱れていてみっともない)。

「春精」猫様とごはん

2月から手芸を始めたので、その日常を詩にしてみました。ものすごく括弧をつけて説明しないとわからないということは、詩になっていないということではないでしょうか。
仕方ないんです。あまり勉強してから作ろうと頑張ると永遠にしないので。

題名は「春精」。
韻を踏むためだけに、精をつけたら「春の精」になりました。私が今刺繍している猫なんて、春の妖精どころか、まるで夏の妖怪なんですけどね。下手くそだから。
本当はこれ「春の針仕事は捗らない」という意味の詩なんですけどね。
もっと言えば、「年度が変わって改まった気持ちになり、春は陽気も良くて年甲斐もなく大人の習い事を始めたくなるけれど、春にやる気になった習い事というのは大抵うまくいかないものだ」という意味がこもっています。

果たして、私の手芸や漢詩は続くのか。
全くわかりません。いや、わかります。

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