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「メッタ」というDMN軽減方法

デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)という脳回路については、脳の消費エネルギーの大半(60~80%)を使ってしまうというように説明をしました。

このDMNは「後帯状皮質」という脳の部位(内側前頭前野の後ろに位置し、脳の真ん中あたり)が司っています。
よってこの「後帯状皮質」の活動を低下させることができれば脳の消費エネルギーを大幅に減少させることができ、脳の「可塑性」(習慣によって脳が変化すること)によって「疲れにくい脳」を作ることができます。

そこで慈愛によってそれを可能にする方法として「メッタ」というものがあります。
これは「ポジティブな感情を自分の中で育てる技術」と言えます。

「メッタ」には3つのステップから構成されています。
1.通常のマインドフルネス呼吸法を10分続ける
2.自分が慈しみたい人をイメージし、それによって起こる身体の感覚や感情の変化に注意を向ける
3.その人に向けて次のようなフレーズを心の中で唱える
・あなたが様々な危険から安全でありますように
・あなたが幸せで心安らかでありますように
・あなたが健康でありますように

これをすることによってかなりリアルタイムに「後帯状皮質」の活動を低下させることができると脳科学的に裏付けられています。
また、ネガティブな感情を打ち消し、不眠やストレス改善にもなるので続けてみる価値はありそうです。

この本の主人公「ナツ」は職場の雰囲気の悪さや好きになれない相手がいることに悩み、メッタを取り入れました。相手のことを思うと悪感情が湧いてしまう。そんなときには「メッタ」は特に有効な手段かもしれません。

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