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日日の衣 / お仕立て会に寄せて

衣と私

日日、私たちの身体に纏う衣
ここ10年程は、ほぼ、自分と身近に暮らす人の衣を作ってきた。

最初に”日日の衣”と名付けたエプロンのようなドレスのような衣は依頼があったとき、時々作らせて貰っている。

10代の頃から約10年以上、”アパレル”と呼ばれる衣服の世界に携わってきた
その頃は、「いろんな私を知りたい!」と、
毎日、違う靴を履いていたかったり、
髪型もあれこれ、毎月のように変化させていた。

服についても、その日のコーディネートがしっくりこなかったら
お買い物で可愛い服をみつけて着替えていた様な私でした。

そして、いろんなアパレルの会社で働き、いろんな感覚を味わってきた。

疑問もたくさんあったけど、
素晴らしいと思えるデザイナーにも出会えたし、
その世界をいっぱい味わえてよかったと思う。

毎日毎日、沢山の服を作って沢山売って
同じ方が沢山買ってくださって
経済的には売り上げがあって嬉しいと思う反面、
こないだ買った服たちはどうしてるのかな?
と、思うことも多々あった。

それは、実家で暮らしていたとき、家の中でも垣間見えた。

私自身もその様な事があったし、
妹たちのタンスの中も、新しい服がどんどん増え
つい先日、新調した服はもう忘れ去られている。

新しいものをみつけてお買い物する事、
ワクワクする事はとても楽しい事だけど、どこかしっくりこない気持ち。

これはなんなんだろう。

買ってはいけないというのも変だしな・・・

そして、わかったことは、

「今あるもの、今までワクワクして購入した服たちを感謝の気持ちで、
暮らしに使える新しいものに生まれ変わらせれたなら・・・」

「何も否定せずに、新しいワクワクが生まれて
タンスの中も整理されて昇華される」

そしたら次の新しいお買い物しても楽しく循環できるんじゃないかなと。

それで、リメイクしたものをいろいろ作ってみたりそれを販売してみたりした。

・・・・

「こんなに物に溢れているのに、また私は、物を生み出すのか・・・」

別の違和感が生まれてきた。

それで、
みんながそれぞれがその行為を感じることで
ワクワクの昇華の循環が生まれるのでは?
と、リメイクのワークショップをはじめたりした。

誰にでもできる仕組みを考えたりする事がとても大好きだった。

物に溢れて育った私が、物との距離をとっていく過程には、
様々なことがあってとても大きな気づきと共にあった。
(機会があればそのことについても触れますね)

日常で使うものを新しい形に組み替える試みは、
数年間は、納得したものだった。

それでもまだ、違和感が出てきた。

この試みはとても大切だし、もっと沢山の人と分かち合いたい。

けど、大量生産大量消費の枠組みの中のことを
どうにかしようとしている自分に気づいた。

私の一番したかったことは
”土から生まれて土に還る”という生き方だった。

このままでは、私のしたい生き方にはほんの少しずつしか近づけない

自分の魂の本当に悦ぶことをして、様々な想いも共有したい。
そういうことで、切り替え手放した。

***

衣服についても同時に自らの手でいろいろ試行錯誤
意識が、もう、作って売るというサイクルからは完全に外れていた。

***

仕事として、服を売る、服を生産するという事をしていた。

でも、もうできない。。。

”私は何がしたいの?何をして生きていきたいの?”

そうやって自問自答している時期があって
自分がしたいと心から思えた事が”暮らす” という事だった。

脱ぎ捨てられた衣や、干された洗濯物がお日様と風に靡く姿さえも
美しいと感じる暮らしがしたい。

(植物や食のことも書きたくなるけど!この度は、衣の事だけに注目して書いています。)

もうすでに”在る”という事から生まれてくるモノゴトに集中した
そして、出来るだけそのひとつひとつに意識が集中して身体が動くように、
思考を使ってこんがらないように。

(私は、思考が早すぎてすぐにいろんなモノゴトやパターンを考えてしまう癖がありごちゃごちゃになるので、出来るだけシンプルに、ひとつひとつを意識している。)

“在る”ところから生まれた素材は、着物の絹でした。
詳しくは、こちら

大切にしていることは、空間を整えてから作ること。

タンスや押入れの中も全部出して、ひとつひとつ、整理整頓

空間と思考は繋がっているとはっきりと言えるから
見えるところも見えないところも整えてから
新たな”カタチ”を生み出す。

生まれ出ては、暮らしの営みで纏い感じてまた、整えて生み出す。

押しては引いてを繰り返す波のような事をこつこつとなんども繰り返し、
この度、自分の中で、今の私にぴったりな”型”が生まれ出たことに氣付き、
やはりたくさんの人とこのことについても
分かち合いたいという思いが湧いてきて
会を開こうと決意したのです。

お仕立て会を開こうと思った経緯も共有できれば嬉しいです。

日日の衣上衣-下衣と続いていきますよ・・・




愛と感謝を♡