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こんにちは、学芸の松本です。

3階の臨時オフィスでの勤務が始まって4日目。続々と更新されるみささぎ・松本さんの(充実の!)現場レポにあるように、1階・2階の工事は今週から本格化。階下からは絶えず工具の音や作業の声が聞こえてきます。

ここのところの京都は好天が続いているおかげで、2階とは違う壁いっぱいの大窓の向こうに、毎日気持ち良い青空が。仮設オフィスのため、いろいろと不便なところはありますが、この環境、けっこう好きかもしれません…!

さて、今回の改修工事にあたり、下階のフロアから移動したのは、パソコンやデスクまわりの雑多なあれこれだけではありません。私たちがこれまでつくってきたたくさんの本もまた然りでした。

1950年の創業以来、記録が残っているだけでも1800点余、記録から漏れているらしきものも含めると2000点近く出版してきた当社ですが、この内、絶版本も含む1000点程度を、1階のギャラリーと2階の資料室に展示していたのです。
そのため一旦、こうしてすべて箱詰めし、保管場所へ移動することに。

今や建築・まちづくりの分野では多くの方々にお見知りおきいただけるようになった学芸出版社ですが、実は創業当初に扱っていたのは、現在とはやや異なる分野でした。そもそも学芸出版社のことをほとんどご存じない方のためにも、この機会に刊行テーマを軸にして会社の歴史を簡単にご紹介します。

1950年6月:創業。当初は理科・数学系の教科書等を刊行

1970年~ :建築分野を本格化
1980年~ :工業高校・専門学校の教科書、建築専門書の刊行をスタート

1990年~ :都市計画、交通、まちづくり分野を手がけ始める

1990年~ :建築実務書がヒット。社の柱に

1995年~ :専門学校、大学向け建築教科書がヒット。社の柱に
2000年~ :NPO分野/『季刊まちづくり』発行(2014年休刊)

2005年~ :観光分野へ。建築系大学の教科書を刊行
2010年~ :農や地域デザインなどの地域振興系
2011年~ :『コミュニティデザイン』(山崎亮・著)等がヒット
2015年  :『ポートランド』(山崎満広・著)等がヒット

このように、まさに名前に冠している「学芸」全般の出版活動から、建築関係に特化し、その後都市計画・まちづくりや観光、地域デザインといった関連分野にテーマを広げ、今に至っています。

日ごろ、棚の前を通り過ぎる度に目にしていても、こうした機会に改めて1冊ずつ眺めてみるとなんだか新鮮です。
何より入社3年目の私としては、この御年67歳6ヶ月の会社が積み上げてきたものの大きさを感じずにはいられません。1冊の本をつくるために掛かる手間を未だに痛感し続けている身としてはなおのこと…

こうした蓄積を活かしつつ、これからも「建築・まちづくりの出版社」として皆さんに一層親しんでいただけるよう、本づくりはもちろんのこと、改修後のビルでの「場づくり」についても、いろいろとアイデアを練っているところです。ぜひご期待ください。

さてさて、何だか話が壮大になってこれで完結しそうな締めくくりになっていますが、レポートはまだまだ続きますよ! 次回もお楽しみに。

ちなみに実は今回の改修プロジェクト、現在の私とほぼ同じ弱冠20代半ばで経営を引き継がれ、その後44年間にわたって代表を務められた後、先ごろ経営の一線を退かれた、京極前社長のスポンサードと様々なご英断により実現しました。これほど「継承」の二文字の重みをひしひしと感じることはありません。この場をお借りして改めて感謝いたします!

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