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もうすぐ決算ラッシュ!新規投資先を発掘する本決算短信の読み方を4つのポイントで解説

こんにちは、株好きFPのかたやま りえです。

もうすぐ3月決算の決算発表のラッシュですね。上場企業は、決算から45日以内に発表をするというルールがありますので、4月末から決算発表が始まり、ピークの5月の中旬まで続きます。日本株日本の上場企業は、3月が本決算の会社が約7割を占めていると言われています。3月の決算は新しい期の業績予想が発表されますので、新規で投資先を探すチャンスになります。私は、まず「株探」というサイトで発表を見て、今始まっている新しい期の業績が良さそうな銘柄があったら、その会社の四季報を見てどんな会社か、過去の業績も良ければ、決算短信に目を通すという作業をしています。今日は決算短信の読み方について4つのポイントに絞って解説します。

今回アイビス(9343)という会社の2023年12月期の決算短信を使って解説します。決算短信は上場企業は全て同じフォーマットになっています。他の企業も全て同じ順番で記載されていますので、ご安心くださいね。


(この記事で使用している画像は全てアイビスの2023年12月期決算短信から引用しています)

ポイント1 終わった期の業績を確認


まず、上の画像の決算短信の1ページ目の「1.2023年12月期の業績」の「(1)経営成績」には上の段に終わった期の業績が、下の段に1つ前の期の業績が掲載されています。私はここを見て順調に売上と利益が成長しているかを確認します。

「(2)財政状態」については、自己資本比率が30~40% 以上あるか「(3)キャッシュフローの状況」については、営業活動によるキャッシュフローがプラス、投資活動によるキャッシュフローがマイナス、(財務キャッシュフローはどちらでもOK)現金及び現金同等物期末残高がが前の期より増加しているかをざっと目を通しています。

その次は「2.配当の状況」です。今回は業績が成長している会社の企業分析のため、配当についてはあってもなくても良いという程度でさっと目を通しています。

ポイント2 新しい期の業績は成長しているか



その次に「3.2024年12月期の業績予想」はすでに始まっている新しい期の業績予想です。全ての会社ではありませんが、上の段に第2四半期まで業績を掲載している会社もあります。第2四半期はマイナス成長だけど、後半の第3、第4四半期で成長するようなケースもあります。下の段の通期業績予想に目を通すことに合わせて、直近発売の会社四季報が出している業績予想にも目を通します。会社四季報が出している業績予想よりも上振れていると、株価にはポジティブに働くことが多いからです。(必ず株価が上昇するとは限りません)

ポイント3 終わった期の経営状況を読み事業内容などを知る

その次は、「1.経営成績などの概況」の「(1)当期の経営成績の概況」というページを見ていきます。


(一部のみ掲載しています)

ここでは、すでに終わった期の経営成績の内容、事業ごとの売上や利益の他、新しくリリースした商品やサービスなど1年の活動の様子が理解できます。ここでどんな事業が行われているのか、どんな会社なのか、どの事業が好調なのかといったことを確認しています。

アイビスは、モバイルペイントアプリのアイビスペイントを運営する「モバイル事業」とアプリ開発と、受託開発と IT 技術者派遣の「ソリューション事業」の2つの事業があるということご分かります。特にモバイル事業は、アイビスペイントの累計ダウンロード数が3億なるほどの好調な事業であること。売上区分別の表を見ると、収益モデルがアプリ広告によるものサブスクリプション型と売り切り方の収益があること。国内だけでなく、海外にも展開ができていることといったことが理解でき、成長事業であることが読み取れます。

その次の「(2)当期の財政状態の概況」と「(3)当期のキャッシュフローの概況」というのがありますが、これは、貸借対照表とキャッシュフローの増減値について記載されているだけです。実際の貸借対照表とキャッシュフロー計算書のページで確認して財務分析は行っていますので、このページは飛ばしていきます。

ポイント4 重要!今始まっている新しい期の状況を知る

次に目を通したいところは「(4)今後の見通し」です。ここは今始まっている期の新しい情報ですので、非常に重要になります。このページに目を通して、自分なりに成長のシナリオを検証します。


(一部のみ掲載しています)

アイビスのモバイル事業については、売上高を算出するドル円為替レートについて、2024年9月末の TTB(円に交換するレート)を133.3円とし、予測したと書かれています。この決算の発表は2024年2月です。2024年2月のドル円は、150円台でしたので円高を予測していることがわかります。

2024年4月末現在の為替が156円台であることから、さらに売上高が上振れるのではないかと予測することもできます。

広告宣伝費については、これまでのダウンロード数とアクティブユーザー数の量と質両方を重視するフェーズから2024年12月期以降はアクティブユーザー数である質を重視するフェーズへ進化すると書かれています。

営業利益が2023年12月期の4億3400万円から2024年12月期の営業利益予想が9億5300万円と2倍以上成長する理由が、広告宣伝費を抑制するためではないかと予想できます。

また、両事業とも給与水準を引き上げること、更なる事業拡大のために第2四半期よりM&Aの調査を開始する予定と書かれていますので、これも事業の成長ににはポジティブな内容です。

さらに詳しい内容や、自分が考察した答え合わせは、決算説明資料などに目を通していき、(上場企業すべてが決算説明資料を公表しているわけではありません)必要であればIRに質問することもあります。

まとめ

決算短信の読み方を解説しました。

・終わった期の業績が前年度より伸びているか
・すでに始まっている新しい期の業績予想は成長しているか(直近発売の四季報も確認)
・終わった期の事業の解説のページで事業内容など
・今後の見通しのページで、すでに始まっている期の業績予想の動向

5月の中旬まで決算ラッシュが続きますので、是非活用してみてくださいね。

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