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2021年マイベスト本【ビジネス・自己啓発】

今年は私の人生の中でもよく本を読んだ1年だった。気付けば雑誌を含め、113冊読了していた。(読むのが早い人は普通かもしれないけど、私としては偉業!)

2021年の終わりが近づいてきたので、改めて今年の読書リストを眺めていたのだけれど、今年は数をこなしただけあって、多くの良書に出会えているなと思ったし、それぞれの出会いによって確実に私は変わっていた。

少なくとも2021年を迎えるときの私よりも、2022年を迎えようとしている私の方が少しだけ謙虚だし、少しだけ好きだ。

ということで、今年読んだ中でも特に影響を与えてくれた本をまとめて書き記そうと思う。今回はビジネス・自己啓発系。(エッセイ・小説系も後ほど書くのでぜひ見てね!)

2022年も素敵な本に出会えますように。

ビジネス関係

・ビジネスの未来

本書のテーマは「ビジネスはその歴史的使命を終えつつあるのではないか」という壮大な問い。読みやすいながら、立ち止まることが多すぎて、読むのにめちゃくちゃ時間がかかった一冊だった。

「私ができる仕事はすべて不要不急なんじゃないか」と疑問を抱いた今だからこそガツンと響いた問いだったし、終焉を需要する方法やその先の未来、私たちにできることや私たちが考えるべきことなどがしっかりと考察されていて、読了してからも今なお、何度も何度も数ページずつ読み返してしまう本だ。ちなみにこの本を読んでたまに募金するようになった。


・異質なモノをかけ合わせ、新たなビジネスを生み出す 編集思考

編集ってなんだろう。そんな漠然とした問いを持ちながら編集職をしていた私にとって、まさに指針となる一冊だった。

「編集者とは偉大なる素人である」この一文で、これまでの編集経験による成功と失敗が脳内ですべて繋がった。求められるのは「空気を読み切った上で、空気を打ち破ること」。振り返れば見事に空気の読み方や、打ち破り方を間違えた時に失敗していたことに気づいたのだった(とくに編集長レベルの責任案件で顕著)。

Netflixやディズニーが成功した秘訣を編集目線で解説していたり、書き手の選定や導き方、編集することの思考・実践方法についても指南されていて、読み進めるほどに「編集思考って経営、マネジメントでもあるんだな」と思えてくるので、編集者じゃない方にもおすすめ。


・三行で撃つ 〈善く、生きる〉ための文章塾

「ライター殺しの本」と聞き、自分の覚悟を試すような気持ちで手にとった本。と、かっこよく言ったけど読む覚悟ができるまで2ヶ月もかかり、いざページを開いたら、まるで出家のごとく文章に向き合う著者のことを一瞬でファンになった。とにかく読む前から一喜一憂した本だ。

ちゃんと文章を書きたい。いつもいつまでも文章で成長したい。苦しくても書き続けたい。そんな人は絶対に読むべし。ブログでこの本について2800文字語ってますんで、興味ある方はドウゾ!


・書く仕事がしたい

どんなフリーランスになりたいか?と聞かれると真っ先に思い浮かぶのが、さとゆみさんこと佐藤友美さん。先ほどご紹介した「三行で撃つ 〈善く、生きる〉ための文章塾」だって、さとゆみさんの連載コラム「本という贅沢」で紹介されていたから買ったものだった。

そんなさとゆみさんが、「書く技術」ではなく「書く仕事」にフォーカスをあてた本を刊行してくださった。本は文章術的な話ではなく、書く仕事で一生食っていくにはどうしたらいいか?という、フリーランス3年目の私にとって切実すぎてありがたすぎるテーマ。

本当に今出してくれてありがとうございます!!!!!!って内容だった。もちろんブログにも長々と書かせていただいている。


・人の倍稼ぐフリーランス46の心得

実はこういうタイトルの本が結構苦手で避けていたのだけれど、フリーランス3年目を迎え、「書く仕事で得られる年収なんて1000万円が限界だよなぁ」という結論を出していた私。しかもそれでいい、と思っていた。だけどブックライターの上阪徹さんが「書く仕事」で年収3000万〜5000万円獲得しているということを知り、その内訳が知りたくなって購入した一冊。

正直、最初は「3000万円稼げても、どうせワーカホリックな人生だろう」という偏見のもと読み始めたのだけど、ぜんぜん違っててびっくり。金の亡者的でも戦略的でも交渉術に長けているわけでもなく、ワーカホリックでもない。ただ誠実に目の前の仕事に従事し、成長し続けた結果だったことに心底驚いたし、すぐに真似しようと思える尊敬できる思考が詰まっていた。

本を読んで感じたのは、年収が高いフリーランス=質への信頼と、指名を数多く獲得しているのだということ。そしてそれに答え続ける度量があること。フリーランスとして稼ぎたい!って人はもちろん、「年収にこだわらず、でもある程度生活できる収入で、できれば長くこの仕事を続けられるといいな」と思っている私のような人にもおすすめしたい一冊。


・エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする

エッセンシャル思考というのは「より少なく、しかしより良く」を追求する生き方、考え方。その考え方について徹底的に語られた一冊だ。

自分は今、正しいこと(目指す道への最短ルート)を選択できているか、そしてその選択をするために、きちんと捨てているか。まるで汚部屋掃除のTV番組のように、厳しくも潔く、思い切って捨てながら人生の道をシンプルにする手伝いをしてくれる一冊。

ちなみに最近続編が刊行されたので、絶賛読んでいるところ。


自己啓発関係

・LISTEN 知性豊かで創造力がある人になれる

見事に私の尊敬する物書きの方が、こぞってFacebookで「いい!」と投稿していた本。そんなん買わんわけにはいかんだろうと即購入したのだけど、毎日毎日ずーっと読んでた。504ページもある鈍器本なのに、遅読の私が1週間で読み切るほど読みやすくて実践的で、思い当たるふしがありすぎる本だった。

「聴くことは人のおしゃべりを待つことではない」「よく聴いていないと間違いなく交渉は失敗する」「つじつまが合わない会話をそのままにしておくとだまされる」など公私ともに使える切り口が満載で、さらに本を作る際に取材した相手はカウンセラーや医療職、ジャーナリストはもちろん、人質交渉人だとか謀報機関の尋問担当だとかの人生で会える機会がなさそうな人にも及んでいる唯一無二の一冊。


・他者の靴を履く アナーキック・エンパシーのすすめ

自己啓発というより哲学書な気もするけど、しっかり啓発されたので自己啓発書としてご紹介したい。本は「シンパシー」と「エンパシー」の違いについて考察する。

シンパシーは先天的な共感力(誰かをかわいそうだと思う心)で、エンパシーは後天的な共感力(本では「他者の靴を履いてみる行為」と比喩される)であるというところからはじまる本書。他者を理解することや考えること、距離のとり方など、人生で重要なことをみっちり考えさせられた一冊。

同著者の「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」を読んでからの購入がおすすめ。


・職業、お金持ち。

「お金持ち」という言葉に若干の拒絶反応があった私は「なんちゅータイトルだ」と思いながら買った本。(実はこれもさとゆみさんが絶賛してたから...)お金は好きなのに、なぜ「お金持ち」は嫌なのだろうか。そんな気持ちとともに半信半疑で手にとった。

でも読んで、お金持ちに拒絶がある私の心こそが貧困だと反省。もっというと、私が下品だと感じていた「お金持ち」はきっと、本当のお金持ちじゃなかった。(飲み屋のときに出会った金バラマキ系男が頭にあったんだと思う...)

お金はただのツール。そして本の中のお金持ちたちは、「お金」というツールをうまく使いながら、「幸せ」をしっかり掴んでいるように見えた。お金が入ってくるためのマインドを養いながら、ちゃっかり幸せを手に入れるための本だったのだ。


・自衛隊メンタル教官が教える 心の疲れをとる技術

これは読むのにすごく勇気がいった本だったな〜。自衛官メンタル教官が教える、って、なんか怖すぎ。って思ったし、心の疲れに向き合うこと自体、疲れることだと思っていたから。

だけど読み始めて、ちょっとこれ全人類読んで!!!!って叫びたくなった。(実際、旦那が鬱だとか、気持ちが弱ってる人だとかに勧めまくった)

本には現代人のストレスの正体や根深さ、向き合い方、新型鬱の実態(なぜ鬱病で会社を休んで旅行に行くのか)など、「心の疲れ」が網羅的に書かれている。すごいのは、読み手への理解が前提の書きぶりだ。意固地になりがちな「無理をしている最中の人」の心にも届きそうな一冊だった。

身近な人が鬱っぽいとか、SNSに疲れたとか、部下が何を考えているかわからないとか、どう子育てをしていこうか?など、人生のあらゆるシーンで活きてくる良書だと思う。私自身、折に触れて読もうと決めている。


・まとまらない言葉を生きる

この本も自己啓発と呼んでいいのか悩ましい一冊だ。だけど言葉の取り扱いについて知ることはある意味、自己の成熟に大きく関わってくるところだと思ったので、あえて自己啓発書として紹介したい。

本は”文学者”として長年「言葉」に向き合ってきた著者が、世間には「黙らせるための言葉」が多い反面「本当の意味での励ましの言葉」が不足していることについて言及している。タイトルのとおり「まとまらない言葉」「言葉にならない言葉」をひとつひとつ見つけていこうとしているのだ。

励ましのつもりで使っていた言葉が、実は加害側の気持ちに寄り添ったものだったり、マイノリティに対する目線が回り回っていつか自分自身を苦しめる言葉や考えに至ってしまう可能性への危惧など、本自体の書きぶりは読みやすくてシンプルだけど、問いが深くて、切実で、重要。思考が止まらなくなった。


・お金のむこうに人がいる 元ゴールドマン・サックス金利トレーダーが書いた 予備知識のいらない経済新入門

実はお金というテーマは私がもっとも苦手とするジャンルで、お恥ずかしい話、フリーランスになるまで貯金なんて全然まったくしてこなかったし(さすがにフリーランスになってからは「内部留保」的な意味合いで少しだけ貯金をしている)、確定申告は税理士さんに丸投げだ。いつもまずいと思ってお金関係の本を買うのだけど、読みきれない。

だけどこの本はすごい。まず私のようなお金に疎くて、眠れぬ夜は金の本!くらい全然脳みそが受け入れ状態にない人間が、一気に読めてしまうのだ。なぜならこの本には、経済とかお金の話が事細かに書かれているのに、専門用語が一切ない。異常にわかりやすい。

「なぜ紙幣をコピーしてはいけないのか」「お金が偉いのか、働く人が偉いのか」「借金だらけの日本が破綻しないのはなぜか」など、知っているようで理解に及んでいないことを集め、わかりやすく響きやすく理解に導いてくれる一冊。


・人生で大切なことはコーヒーが教えてくれる

朝コーヒーを飲みながら数分間楽しむのにちょうどいい、見開き2ページの短編コラム集。コラム集だけど、シンプルに人生に大切なことを教えてくれていて、それをコーヒーとリンクさせている爽やかさが朝の自分を少しだけ変えてくれる。時々挟まれることわざや、おいしいコーヒーの飲み方も楽しい。


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以上、私が今年影響されたビジネス書・自己啓発書でした!エッセイや小説は明日にでも。(ってもう2022年になってしまうな)

2022年も素敵な本に出会えますように。

ちなみに年末年始用に読んでいる本・雑誌は以下。読みまくるぞ〜〜〜!









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