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飲食店をやってみたら思ったよりずっと楽しかったという話

次の日曜に最終日を迎える、初めてプロデュースした飲食店「山椒ぽつぷこおんFUKUROU with Coffee
栃木県栃木市嘉右衛門町にある、share kitchen&space CHIDORIを利用して毎週日曜日にOPENしていました。
約3ヶ月間でしたが、本当にあっという間で、それはそれは光の速さで過ぎ去っていきました。
まだ終わってはいないわけですが、終わってしまう前にこれまでの経緯やらやってみた感想やらまとめていきたいなと思い筆を取ってみます。

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そもそもなんで期間限定で飲食店をやったのかということですが、これは私も参画している栃木市の官民連携まちづくり事業(詳しくはこちら)の空き家・空き店舗活用の社会実験でこのシェアキッチンを使うことになったことがきっかけです。

空き家・空き店舗活用の担当、合同会社Walk Worksの遠藤翼さんから「義達さんやらない?」と言っていただき、自分自身も別の社会実験の担当があることと会社の通常運転が忙しかったこともあって一度は「やらない」とお伝えしましたが、二度目の「やらない?」に思わず「やります」と言ってしまったことから始まりました。(二度目は断らないタイプ)

曜日ごとに違う事業者が入るシェアキッチン。栃木市に飲食店を出店してみたいという需要がどのくらいあるのか、通りに新たな賑わいや変化が生まれるのか、など様々な検証をするわけですが、私自身もまさに飲食店にも興味を持っていた一人で、実は会社を設立する際の定款にもすでに「飲食・喫茶店の経営」と入れていたりもするわけです。せっかくの機会なので自分がやってみたいものにチャレンジすることにしました。

また、栃木市のまちづくり事業に関わっている以上、もっと密着して地元栃木を知りたいし、地域の皆さんとの交流の機会にもなるだろうし、コロナによる飲食店さんの苦しみもリアルに感じられるかもしれないなとも思いました。いろんなメリットを感じたんですね。

さあやるかとなった時に残された準備期間はそれほど多くなかったですw 2ヶ月なかったかな。(同時期に大きいものでいうとCAMPFIREさんと私のキャラクターブランドやさいぬ®︎クラファンの準備や実施期間もあったのでずっと目眩がする忙しさでした…)
山椒ポップコーンをやること「だけ」がその時点では決まっていました。笑

私は地方創生、キャラクターブランディング、アーティストやクリエイター支援、保育や教育ほか様々なことに取り組んでいます。でもその原点にあるのはエンターテインメントだと思っていて、長年やってきた芸能活動でも常に「その先の誰かを楽しませること、楽しんでもらえるよう突き詰めること」があった気がします。自分が得意なことはエンターテインメントそのもので、そこに何を掛け合わせるかだということなんですけど。
飲食をやる上でもそれは同様で、きていただいたお客様にどう「きてよかった」「特別な嬉しい時間を過ごせた」と感じてもらえるかを試行錯誤しました。
また、上っ面の楽しさや上部の加工は今の時代とっても簡単です。それが悪いことばかりではないですけど、そこに中身がないことに気づくと次に期待をしなくなってしまい、一つ一つが単発で終わってしまう。私は一人の人間として自分の背景にあるプロジェクトを連鎖的に楽しんで欲しいと願っているので、「こだわり・信頼」そして「安心・安全」も重要視しています。(この辺りは後述)

さらにリアルな話ですが、新たな飲食ブランドをやろう!と思うとシェアキッチンといえど機材や備品の初期投資に多くのお金が飛んでいきます。また食品ロスが出た時のことも考えねばなりません。3ヶ月、しかも週一の営業となると見誤ると多くのロスが出るでしょう。なので、ロスの出にくいメニューかつ、大好物でいざとなれば自分自身での買取も悔い無くできるものにしようと思いました。

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ということでポップコーンと、栃木市がコーヒータウンであり私自身も珈琲大好きであることからスペシャルティコーヒー、それから私はポップコーンをつまみにお酒を飲むのが大好きなので地元のクラフトビールを用意するなど、徐々にメニューが固まっていきました。

この時期、コロナ禍で県外から来づらい人も多いかもしれないと思い、ドリップバッグを製作して、遠方の方にも楽しんでもらおうというのもすぐに決まりました。

使うポップコーンマシンの選定、レンタルにするか買うか、買うなら今後もイベント等でも仮に使えるような移動しやすいサイズ感が良いか、
使用するコーンは国産でどこのものが良いか、バタフライ型かマッシュルーム型か、使用する油、塩、バターの選定、味付けはどのバランスや量が良いのか、原価の計算や提供量、とにかく試して調べて吟味してを繰り返して全てを決めていきました。特上山椒も色んなものを試し、一番香り高く味わい深いものを選びました。そのほか旨辛赤味、コンポタ味、岩下の新生姜味と色々あるので、配合を決める段階からとにかくめちゃめちゃ食べました…w

珈琲もせっかくなら特別感があるスペシャルティコーヒーがいい!と思い、プロにお手伝い頂きながらイメージや味の好みから厳選した数種類の珈琲豆をカッピングしながら厳選。
カッピングとは丁寧にスプーンでかき混ぜ抽出した珈琲の一番混じり気のない上澄み部分をすくって、例えばAを1杯、Bを2杯…という感じで自分でブレンドしていく作業です。
納得できる味になるまで繰り返すので、珈琲好きな私でも気持ち悪くなるくらい試しましたw

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騒がしい日常でホッとできる珈琲を作りたかった。最終的には納得のブレンドができ、本当に嬉しかった!!!名前は「HOKKORI PUKKURI」

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ドリップバッグも自分で全部デザインしました。
業者さんに「パッケージ何種類にしますか?」と聞かれ、できたら見ても楽しい感じがいいよなあ、誰かにプレゼントするギフトも作りたいしそれならセットにできそうな量がいいよなあ、と考え「じゃあ五種類で」というと「明日締め切りです」と言われ「それ先に言ってよ」と思ったのが印象的でした。

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徹夜して死ぬ気で描いたとは思えない、穏やかなぷくろうの珈琲ライフです。

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ギフトはOPP袋に一つ一つ詰めて、麻紐結んでシールを貼って仕上げる形にしてみました。(毎週手詰めで作ってます)
透明箱にポンと詰めるだけもできたんだけどね。自分で飲むにしても、人にプレゼントするにしても、なんか丁寧さを感じるものに心惹かれると私は思っています。

こちらから買えます!
https://yumllc.booth.pm/items/3488686

ちなみに…プレオープン日は練習日にしよっと、なんて気軽にあけたら無茶苦茶混んだわけなんですが、慣れてないのもあるしメニューが続いた時に時間を短縮するための術はノウハウがない場合はやっぱりやってみないと発見できないんだなあと感じました。
例えば、ドリンク類で使用するお湯は0から沸かす予定でいたのですが、それがかなりお待たせする原因になり…(注文が続いた場合は沸かせる量も限られているため倍で時間がかかっていく)急遽、安心のタイガーの保温ポット4ℓを購入しあらかじめ沸かしたお湯をキープしておく方法に変えたり、 ココアが一気に5個注文入ったときがあって(そうそうないことが起きる)ミルクフォーマーが全然追い付かず提供が激遅になったのでstaubのミルクピッチャーを買って援護射撃することにしたり、注文を目視するためにマグネットを貼り付けられるスチールボードを購入したり…
でも反省と対策を繰り返すことで確実に提供速度を上げたり、余裕を生むことができました。

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おしぼり、カップや器、ポップコーン袋などなど細部に至るまで、「ちいさな嬉しさとちょっとの贅沢」を込めて選びました。

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地元のクラフトビールは、途中でまん延防止が発令されたため出せなくなってしまいました。
そこで、お酒には期限があること(クラフトビールは特に短い)、解除前には切れてしまいロスになること、そうなるとお店自体に多大な在庫買取負担が起きること、さらに酒類の生産会社の苦しさは絶望的であることなど、さまざまな実情を肌で感じることとなりました。
営業時間が短くなる、その分の売り上げが…なんて簡単な話ではなく、ドミノのようにバタバタと苦しみの連鎖が生まれるのです。

そんなわけでまん延防止も延長になった中、最終日を迎えることになる「山椒ぽつぷこおんFUKUROU with Coffee」
この3ヶ月間は学びの連続であったことは確かです。そして多くの方と出逢い、関わりを持つことができたと思います。
このこだわり抜いた飲食ブランド、またどこかのイベントなどでお目にかかることができるかもしれませんが、一旦は終了となります。
ぜひ、27日はいらしてください。お待ちしています。

また、序盤でお話しした、栃木市の官民連携まちづくり事業では、私はプロモーション担当として実証実験の舵を取っていきます。何かやり始めたら、ぜひ一緒になって楽しんでいただいたりご注目いただけたら幸いです。

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owari.

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