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口腔機能発達不全症【舌の正しい位置とは?】

「口腔機能発達不全症」ということばを聞いたことはありますでしょうか?

口腔機能発達不全症は2018年4月の診療報酬改定で疾患の一つと指定されました。この病態は、日本歯科医学会によると、以下のようになっています。

「食べる機能」、「話す機能」、「その他の機能」が十分に発達していないか、正常に機能獲得ができておらず、明らかな摂食機能障害の原因疾患がなく、口腔機能の定型発達において個人因子あるいは環境因子に専門的関与が必要な状態

出典:日本歯科医学会(口腔機能発達不全症に関する基本的な考え方)

口唇口蓋裂やダウン症、脳性麻痺などといった疾患ではなく、問題が生じている場合を指すようです。


よく出会うお子さんの状態像は以下のようなものです(一部)

◆いつも、おくちがぽかんとあいている
◆よだれがよくでている
◆発音が不明瞭、幼い感じがする
◆歯並びやかみ合わせが気になる
◆水分を飲むときにべろが口の外に突き出ている
◆食べ物を片方の奥歯だけで噛んでいる、偏りがある など

ご相談を受けるお子さんの中には、べろをほとんど使っていないのでぺらぺらだったり(薄くてかわいいのですが…)、唇を閉じる習慣がないのでふにゃふにゃだったりするお子さんも多いです。

特に口唇や舌の動きは、食べる・話すに大きく影響するので、歯科だけでなく、言語聴覚士もどんどん介入していきたいところ。言語発達やコミュニケーション指導だけでなく、口腔機能の悩みも増えているように感じます。


さて、本題です。

舌の正しい位置とはどのようなものでしょうか。

舌の位置

本来は、舌の先端部分は上前歯の裏のちょっとざらざらした位置にくっついて、安定しているはずです。

舌をべーっと出したときに、舌のふちの部分に歯のあとがギザギザとついている人は、舌の位置が落ちている可能性があります。大人にも多いです。

舌が落ちていると呼吸がしにくかったり、睡眠時にいびきをかいてしまい、睡眠の質が下がってしまいます。舌が正しい位置に落ち着くためには、お口を閉じることが重要です。

歯並びや鼻の疾患などが影響して口呼吸になっていしまうお子さんの場合は、その原因の治療をしながら、口を閉じる筋肉を鍛えたり、舌を正しい位置にするようにトレーニングしたりしていきます。数か月から1年程度で顕著に改善する子もいますが、そのままにしておくと悪い習慣・習癖が残ってしまう子も。

「口腔機能発達不全症」という診断がつかずとも、症状が当てはまるという人は非常に多いと思います。

口腔機能は誰にとっても大事な機能で、一生付き合っていくものなので、適切なタイミングでトレーニングを始められる人(お子さん)が増えるといいな、という願いも込めて、口腔機能に関する記事も書いていこうと思います♪


みなさんもマスクの下で
こっそり舌の位置を気にしながら生活してみてください!


お口を閉じる、についてはこちらの記事もどうぞ。





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