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くまモンに学ぶ仕事の流儀(7)草の根もぬかりなく

第2章 拡散まで
その4   草の根もぬかりなく〜twitter活用術

くまモンに限らず、いわゆる「ゆるキャラ」の活動の中でも重要なのがSNSです。
多くのキャラクターやその関係者がtwitter、insta、facebookと発信していますが
そのなかで、くまモンほどぬかりなく活用しているキャラクターはいません。 
くまモン関係のアカウントのうち、特に人気なのがくまモン自身が呟くtwitterで、現在フォロワーは80万超(2019年1月時点)。キャラクター自身が呟くアカウントは他にもたくさんあって、それぞれ個性があり人気もあるのですが、くまモンの特徴はあらゆる面で「隙がない」ことです。

まず、毎日朝と夕方の呟きを怠りません。内容は簡単なもので、朝は「おはくま〜!今日もはりきっていくモン☆」。夕方は「明日もがんばるモン!おやくま〜☆」という程度なのですが、日によって微妙に内容を変えています。「気をつけていってらっしゃいだモン☆」「あとひとふんばりかモン」「ゆっくり休んではいよ〜」「よか明日になりますように」など、疲れた時に見かけたらふと癒されるようなワードが並びます。
加えて何かイベントに行った時や告知がある時に不定期で配信されるので、毎日最低2回、多い時には3〜4回の更新があることになります。
さらに、投稿には毎回必ずくまモンの画像が添付されます。同じ画像が繰り返し使われることもありますが、基本的には毎回違うものなので、ファンにとっては日常のささやかな楽しみになっているはずです。

毎日呟く、写真を添える。というくらいなら簡単にできそうと思うかもしれませんが、これが意外にできることではありません。その証拠に、同じことができているアカウントは、少なくともゆるキャラにはほぼいないのです。
長らく更新が途絶えているもの、画像がなくて文字だけのもの、画像があるがいつも同じようなもの、というアカウントがたくさんあります。中には呟く内容や言葉遣いが日によってぶれていて、twitter担当者が複数いる?など、つい邪推してしまいたくなるものもあります。

最近は、思い切った個性をだした投稿をしたり、You tubeなどで特技を披露して人気を獲得しているキャラクターもいます。例えば人口の少ない小さな市町村などで、担当者の手作り感が伝わるところが人気だったり、ふなっしーのようにあくまでも個人の非公式な活動であれば、それも面白いと思います。ただ、都道府県レベルで長くしっかりと根を下ろした活動にしたいのであれば、正攻法を淡々とやり続けることが、結局は成功への近道なのかもしれません。

▶︎本日のポイント
PRの話題になると、とかく「とりあえずTV露出」「バズらせる」「インスタ映え」など、一度に爆発的なヒットをさせようとする声をよく聞きます。
ですが、そのような発想で紹介されたものは、一過性の話題になりがちです。
そもそものコンテンツに注目に値する価値がなければ、ブームとして消費されて終わってしまうもの。大手の企業広告ですら、奇をてらったことで炎上したり掲載中止に追い込まれてしまうこともあるのです。

一方で、「毎日コツコツ画像つきで投稿する」という、正攻法すぎるやり方も、実はくまモン以外のキャラクターが全くやれていないことからわかるように、簡単なことではありません。つまりそれだけでも充分に差別化できるのです。
そして「バズらせろ」と言われるよりははるかに実行性のある努力です。

SNSアカウントは作ったものの混迷している企業、行政、飲食店などなどの皆さん。いちど足元から見直してみてはいかがでしょうか。

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