見出し画像

ポストカードに想いを馳せる

部屋を整理していた時に、ポストカードを発掘した。

僕の場合、自分で買ったものはアニメ系になってしまうのだが、いくつか知人から貰ったりしたものの中には風景画や写真を使ったものがあって、何とも懐かしい気になった。
よくよく見ると、使うために買って、結局、絵が気に入って出せなかったりしたものも混じっている。本末転倒なのだが、僕は気に入ったポストカードがあると、どうしても使えなくて、手元に残してしまっていたのだ。
今はもうそんなこともないけれど、代わりにこうやって捨てられないポストカードを積み残している。

郵便からメール、メールからLineが主体になって、ポストカードというものを通信のために使う人はだいぶ減ったと思うけれど、未だにポストカード自体は売っているのを見るのは、やはりあれをコレクション目的で持つ人がいるからではないだろうか。
僕も集めるとはいかないが、時折気になって買ってしまうものがある。やはり、あの大きさが何とも言えず、手元に置くにちょうどいい感がするのだ。

オタク系グッズとしてのポストカードも、一部コースターやブロマイドに取られるかと思わせておいて、それでも未だに残っている。
手元のものを見ると、劇場版の入場特典や初版の特典についてきたものもあれば、単純に販促でアニメイトや本屋で入れられた、良く分からないジャンルのカードもあったりして、自分でもすべてを把握しきれていないのだ。
紙ものなので、処分するのも楽なのだが、大して幅を取るものでもないので、何となく残しておくと、いつの間にかちょっとした量になっている。
それでも100均で買ったフォルダで整理したりして、何となく手元に置いている。捨てるには、何だか惜しい気がして手放せない。

本来の郵便という目的から外れても、細々と続くポストカードという、あの一枚の紙を眺めていると、やはりデジタルの時代になってもなお、アナログの紙への愛着というものが捨てられない自分に気づかされる。
たぶん、利便性とか保存性というだけでなく、これこそもう嗜好としかいいようがないのだ。

手元に残る一枚に、そんなことを思った。