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1on1を改めて考える



こんにちは。
最近、炎上している記事について思いを馳せながら、1on1の意味を再確認しています。

私はマネージャーとして、直属の部下だけでなく、他部署の人々とも1on1を行うことがあります。
ただし、私から強制的に1on1を設定することはありません。
1on1が必要と感じたら、自分でスケジュールを調整してもらうようにしています。頻度や時間もすべて本人に委ねています。
リーダーやマネージャーによって、1on1の形式は企業ごとに異なるでしょう。


私が1on1を実施する際は、マネージャーという肩書きを持ちつつも、基本的には個人として対話を重視します。
上下関係は無視して、自由に会社の愚痴も含めて何でも話せる環境を提供します。
多くの場合、マネージャーというと組織に染まった体制の人間と見られがちですが、私はそうした既成概念に囚われず、オープンな姿勢で臨んでいます。


個人的には、1on1には三つの目的があると考えています。

1. 現在抱えている課題を明らかにする取り組み
2. 自己認識を高める取り組み
3. 過去を振り返り、今後の認識を一致させる取り組み

最近では、「メンタリング」や「コーチング」といった言葉でよく語られることでしょう。

1. 現在抱えている課題を明らかにする取り組み

課題は何でも構いません。

それが業務に関するものであれ、マインドセットに関するものであれ、あるいはプライベートな問題であれ何でも構いません。もちろんプライベートな問題には手が出せないことも多いですが。

現在抱えている課題を解決し、日々のパフォーマンスを向上させるのがマネージャーの役割です。
これによって組織全体の成果を最大化することができます。

2. 自己認識を高める取り組み

誰もが成長を望んでいるわけではありません。
それぞれの仕事への取り組み方や人生での仕事の優先順位を理解し、個々に適したマネジメントを行います。

「勉強しろ」と言われても行動に移さない人がいますし、「成長しよう」と励ましても、できないものはできないのです。

もちろん、給料に見合った仕事へのコミットメントは必要ですが、それは単に「給料相応の仕事はここです」という明確な判断と共有をするだけに過ぎません。

成長を望む人には、「どのように成長したいか?」「将来どうなりたいか?」を聞き、必要なことを確認して共通理解を図ります。

また、多くの人は「どうなりたいか?」が明確ではありません。
中には「生きるためには働かなければならない」という人もいますし、これは一般的な労働の現実です。
生活のために働くだけで充分する人もいます。

自身がこの会社にいて何をしたいのか、何もしたくないのか、適度に働きつつプライベートを充実させたいのか、どんな希望でもかまいません。

それぞれのライフスタイルに合わせて日々のコミットメントや目標を設定し、共有することが私の役割です。それだけのことです。

3. 過去を振り返り、今後の認識を一致させる取り組み

これらのアプローチを日々継続しながら、定期的に振り返りを行い、「現在の状況はどうか?」「今後どう進めたいか?」を常に更新していきます。

人間の気持ちや意欲は日々変わるものです。

認識のズレが生じないように、日々コミュニケーションを取り、個人と組織双方にとってWIN-WINな方向性に調整していくだけです。

4. マネジメントの勘違い

1on1を設けたからといって、ただそれだけで効果的にコミュニケーションが取れると考えるのは大きな誤解です。
人間関係の基本は信頼関係から始まります。

マネージャーとしては、管理することが仕事ではありますが、それを強制的に行うべきではありません。管理はマネジメントの本質ではないのです。

自分よりも能力が低いと見なす人の成長を促すことが自分の役割だと考えていませんか?これは非常に傲慢な考え方です。
技術的に優れているからといってマネジメントができるわけではなく、そうした誤解を持つマネージャーは自身の考えを見直す必要があります。
このような感覚は、適切なマネジメントが行われていない証拠です。


マネージャーはチームメンバーの協力がなければうまくマネジメントすることはできません。
1on1、メンタリング、コーチングの重要性が認識されつつありますが、それらの真の目的と意味を再考することが、マネジメントを行う人々にとって重要です。

それではまた。


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