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大学生と、オンラインでアート作品の鑑賞

先々週、非常勤講師として長崎大学の大学生たちに、オンラインでアート作品の鑑賞についての講義をする機会がありました。
パブリックドメインの作品をおしゃべりしながら見たのですが、アート作品をみんなで見るのは、いつも本当に楽しいなと実感。
鑑賞したのは、この3作品。
※アートに興味のない人たちでも、きっと、どこかでチラリと見たことがあるんじゃないかなという作品をあえて選びました。

フィンセント・ファン・ゴッホ《星月夜》
ヨハネス・フェルメール《牛乳を注ぐ女》
ジョン・エヴァレット・ミレー《オフィーリア》

VTS(Visual Thinking Strategy)の手法で、対話型鑑賞。
オンライン講義ゆえに、目が合うわけでもないので、30人余りの学生さんたちを次々と指名して、意見を言ってもらいました。

驚いたのは、みんな私にあてられても即座に自分の感じていることを発言できるということ。

そうかぁ、でもそうだよね。
みんな、何かしら言えるんだよなぁ、言いたいんだよなぁ、それを誰かに聞いてもらえるのって純粋に嬉しいよね・・・
それから、オンラインゆえに、フラットな雰囲気の中発言しやすかったということもあるのでしょうし、ズームにして細部まで見ることもできて、それはそれでリアルな対面講義と比較して良い点もあるのかもしれないな、なんてことを思ったのでした。

水産学部、薬学部、経済学部、多文化社会学部の学生さんたち。
教養の科目で、2年生が多かったのではないかと。
およそ同年代の集う場で、とはいえ学んでいることをはじめバックグラウンドが違う人たちの「視点」が交差する鑑賞の時間となりました。

私のオンライン講義、70分間の時間をみんなでともにして、
同じ作品を見るという行為を通して、なんだか互いに心が触れ合ったような、繋がったような、同士のような気分に。
妙な一体感のようなものが、ネット回線上を漂っていたような気がしました。

そのふんわりしたもの、人によっては「心地よさ」のようなものを、私はいつも作りたいって思っているのだなと、思いました。
そのために、アート教育をしているのだと思います。

写真はいつかのアムステルダム国立美術館。
子どもたちが一番前を陣取っていたのが素敵でした。