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スリランカ人の本場のカレーとレストランでの洗い場というお仕事について思うこと

インドカレー、レストランでの洗い場の話と色々。

私が以前働いていたレストランで洗い場のスリランカ人の男の子に作ってもらった賄いのインドカレーの話と思うこと。

ご存知の方も多いと思うけれどフランスというより多くの国のレストランではきちんと「洗い場」という役職がある。仕事は洗い物がメインだが、その子のモチベーションやら経験で野菜掃除や簡単な調理補助もしてくれる子もいる。

そのレストランは珍しく洗い場を雇っておらず、料理人みんなで手分けしてやっていたのだが、フランスの料理人の子達は、洗い物は自分達のやる仕事じゃない。と鼻から思っているので洗い物が嫌でしょうがなかった。もちろんその気持ちは分からなくもないししょうがないとも思っていたが、その当時そこで私はスーシェフをしていて教える立場にいたので、どうにかポジティブな言葉を使い励ましながらなるべく洗い物をプラスに受け取ってもらえるよう試行錯誤していた。成果が出ていたかというとイマイチな反応だった気がする。こういうことは今考えても、もっと上手く伝える方法とか言い回しとか他になかったのかなと真剣に考えてしまう。伝えるのって本当に難しい。

嫌な仕事でもどうせなら楽しくかつ自分にプラスになるようにやりたい、と思う。私はどこの国の人だから○○だ。とかはあまり好きではないけれども、こういう真面目な思考は結構日本人っぽいんだろうなと思う。でもこういった自分の嫌だなと思う仕事も楽しもうと試みたり、仕事がパンパンな中でこういう仕事を合間に組み込めるようになると実際仕事の効率もいつも以上に考えるようになるし、料理上達の早道だと思う。このことを私は仲間に全力で伝えたかった。

そろそろカレーの話を始めよう。そんなこんなで一時期料理人が足りなくなり仕込みがキツキツな時期に調理補助の出来る洗い場の男の子がやって来た。スリランカ出身だと聞き、一度賄いにカレーを作って欲しいとお願いして作ってもらったことがある。作ってくれたカレーは鶏手羽先のカレー。スパイスはスリランカから持ってきているという自家製のパウダースパイスミックス。配合はベーシックっちゃベーシック。ホールスパイスとかは何も使わずにチャチャっと仕上げた。本当にチャチャっと。手羽先にカレーがまとわりついている感じ。お肉をヨーグルトとスパイスでマリネしていたこと以外はいたってシンプルな煮込まずに仕上げる系のカレーだった。とても美味しかった。何よりスパイス自体の香りがよく、全てを持って行っていた。きっとスリランカでは毎日のように食べてるカレーなんだからこんなのお茶の子さいさいなんだと思う。細かいことを知りたくて色々聞いたけれど、普通の答えしか返ってこなくて少しがっかりした記憶がある。それで以前フランス人の同僚に肉じゃがを作って欲しいと言われて作った時のことを思い出した。とても喜んでくれて、何度もお代わりしたくらい気に入っていた。そのあと、玉ねぎはどんな状態まで火を入れるのか。とか、どれくらい煮詰めるのかとか質問をされたが質問が普通すぎて軽い返答をしてしまった。でもあっちは真剣に聞いていたんだと思うと申し訳ない。そんな私みたいな感じでスリランカ人の彼も返答したんだろう。でも質問が野暮だと思えるほど当たり前な感覚で作れる自国の料理、自然に気負わずに作っている料理こそ驚くような美味しさがあるし、他国の人から見たらすごいポイントだったりするんだろうと思う。

現地の人が作る現地の料理をもっともっと食べてみたい。そう思う。


今日のアイデア

腐乳と薄切り豚、キノコ、タヒニの味噌汁

出汁をきちんと取る時間がない時やちょっとこってり系の味噌汁にしたい時にちょい足しで良く使うのが「腐乳」腐乳とは豆腐と麹を塩水に漬けて発酵させた中華調味料で独特な香りがあり、旨みが強くまろやかな味付けにしたい時におすすめ。

こちらでは中華食材屋さんがいたるところにあり私はよく色々と物珍しいものを買いに行く。確か日本にはカルディにおいてあった気がします。

いつものお味噌汁に腐乳(しょっぱいので味噌との塩分バランスに注意)とタヒニ(白練りごま)タヒニは入れなくてももちろん美味しいけれど、お味噌汁をメイン級のにも出来るし入れるとよりクリーミーで豚肉にも良くあう。

写真は私のお気に入りのカレーの本。いつかカレー王子こと水野さんのカレーを食べてみたい。右の本たちは日本のインド料理好きのプロたちが結成しているLABO INDIA という団体の記録。対談やレシピが載っていてかなりマニアックな内容。
水野さんのこの本はマニアックだけれどもとても分かりやすくて写真も綺麗なので写真集を見ているように眺めてます。
興味がある方は是非

では今日も良い一日を。


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