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カメラと会話すること、ありません?

撮影のとき、いつもカメラに話しかけてしまう。「どうしたんだお前」と訝しがらないでほしい。大丈夫、「話しかける」といったって、もちろん声には出してない。

頭の中で、カメラと会話するのだ。人間に向かって話しかけるときよりは、道端の猫にむかって「おいで~」と言うときの感覚に近い。

いい写真が撮れたときは「優秀だねぇ」と褒めるし、なかなかピントが合わないときは「ちがう~~!!」とボヤいたりする。愛機のX-T3は、見た目が私の好みのど真ん中ストライクなので、連れ出すたびに「今日もかっこいいよ最高」と称えたりもしている。


もちろんカメラからの返事はない。だけどカメラは、写真という形で私の言葉に応えてくれる。

「自分が写真を撮っている」というよりは、「自分がシャッターを押すことでカメラ氏が写真を記録している」感覚に近いのかもしれない。

ひとり旅が寂しくない理由の一つも、カメラのおかげだと思っている。ほどよく重いこの無機物と一緒にいると、あんまり「ひとりぼっち」という感覚にならないのだ。

「どこ行こうね」「この街、最高やね」そんなことを話しかけながら、シャッターを切っている。

ちなみに、大好きだった初代のPENTAXと今のFUJIにはよく話しかけているけれど、あまり相性のよくなかったその他のカメラにはほとんど話しかけることがなかった。SONYに至っては、最後まで仮面夫婦のような関係しか築けなかった(SONYのカメラにはなんの非もなく、ただただ私が使いこなせなかっただけの話だけれど)。


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「モノにも命があります」のような考え方をしているのかと言われると、普段は別にそうでもない。もちろん、「水に話しかけると腐らない」みたいな話ともまったく違う。

ただ、物言わぬ相棒としてとらえている。

バイクや車には疎いけれど、この感覚はなんだか乗り物好きの人とは共感できそうな気がしている。

大好きな無機物に向かって話しかけること、あなたはありますか?







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