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ハーゲンダッツのライバルは誰だ

たまには社会人らしく、マーケティングのお話をすこし。

タイトルでも挙げましたが、ハーゲンダッツの競合ってなんだと思いますか?

レディボーデン?
ベン&ジェリーズ?
サーティワン?

どれも正解だとは思います。

だけど先日、おもしろい話を聞きました(あくまで伝聞かつ推測なので、ハーゲンダッツ社のかたがどう思われてるかはわかりません。小ネタ程度に聞いていただけると)。

市場で考えると、先にあげたアイスクリームブランドは競合に違いありません。

だけど今の日本経済の中では、モノの良さだけで売ることは難しい状況。お客様にとって、どういう意味づけのもとに買われているか、というのも欠かせない要素です。

ハーゲンダッツの購買層である20代未婚有職女性は、必ずしも「アイスを食べたい」という理由でハーゲンを選んではいないはず。

仕事も家事も一人でこなして、やっと自由に使えるわずかな時間を、どのくらい有意義に過ごせるか。そこがかなり重要視されるはず。自分のための貴重な時間を、より楽しませてくれる存在として、ハーゲンダッツは選ばれてるのではないでしょうか。

そう捉えると、ハーゲンダッツのライバルは変わってきます。営業時間が限られているサーティワンは、ある意味ではライバルじゃない。コスパで選ばれがちなレディボーデンも違う。会社帰りにどこでも買えるか、という視点でいうとベン&ジェリーズも外れる。

そうなったとき、ライバルになりうるのがサントリーのプレミアムモルツです。

自分の大事なひとり時間の質を、より上げてくる存在。

そう考えると、広告の打ち方も変わってきます。アイスの中だけで闘おうとすると、必然的に味の話、素材や成分の話に終始してしまいますが、「ひとり時間のお供」と考えるとまったく別の道が開けてくる。(偶然か必然かはわかりませんが、最近のハーゲンダッツのCMは夜を舞台にしたものばかりです。しかも小松菜奈ちゃん1人でじっくり味わうイメージ。)

メーカーで働いてると、つい同じカテゴリのライバルばかりを見たくなりますが、本当のライバルはカテゴリの外にいるんだろうなぁと思わされる最近です。確証あるデータは持ってませんが、スマホが出現してからガムの売上が落ちたという話も有名かと思います。お口をスッキリさせるためではなく、持て余した時間つぶしにガムを噛んでたんですね。

本当のライバルはどこにいるのか。そこを見極めていくのが、国内メーカーの今後の課題になるのかなぁなんて思ってます。

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