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UXデザイナーが、「UXデザイナーのオファー」について思うこと

インハウスのUXデザイナーをしております。

「UXデザイナーを採用したいが、採れない」
「UXデザイナーのオファーで面談するが、こちらの要望と候補者のやりたいことが合わない」

といった企業さんがいらっしゃれば、僅かながら一助となれたらと思います。

あくまでも、1人のUXデザイナーとして、
私自身が触れた範囲でのオファーやカジュアル面談の経験から思っていることである、
ということはまずお伝えしておきたいと思います。

私が感じているのは、
「本当にやりたいのは”UXデザイン”なのかな?」という疑問
「UXデザイナーを採用すれば、UXデザインができる」という誤解
です。
少し違うな、とUXデザイナーの1人として思っています。
一つづつ、noteに書いていきたいと思います。


まず、
「本当にやりたいのは”UXデザイン”なのかな?」という疑問。

ここで言及したいのが、「UXデザイナーとWebディレクターの違い」について。

全く強みが違う職能です。
私自身、Web/UIデザイナー→Webディレクター→UXデザイナーというキャリアを踏んでいますので、実体験から感じています。

オファーを見ていても、
時にキャリアアドバイザーの方と話していても、

・両者を混同している
・「UXデザイナーを採りたい」というオファーを出しているけれど、今ある課題に対してはWebディレクターの方が向いている

と感じることが結構あります。

言い換えれば、
UXデザイナーが採用できても、強みを発揮できないし短期で辞めてしまうだろうな
というオファー。


私が思うUXデザイナーが特化している強みは、「ユーザーを知る」技術。

・「質的調査」の立案、実施、結果分析
 └グループ/デプスインタビュー、行動観察、エスノグラフィー調査など
・分析結果から行う体験の設計

だと考えています。

Webディレクターが特化している強みは、「Webコンテンツを良い形でローンチする」技術。

・スケジュール管理、進捗管理
・必要なスタッフのアサイン、調整
・コンテンツの品質管理

といった領域。

デザイナーの名の通り、UXデザイナーが行うのは「設計」です。
Webディレクターも、同様に言葉の通り「ディレクション(進行の管理、指示)」です。

なので、

・Webコンテンツの定点観測、反響分析をやって欲しい
・Webコンテンツの改善案件の進捗管理をしてほしい
・Webコンテンツの改善立案をしてほしい
・キャンペーンのランディングページを最適化したい
・広告バナーの運用をしたい

といった課題があるならば「Webディレクターが向いている」、と思います。
言い換えますと、
UXデザイナー側から上記のような業務についてオファーを見たとき、「自分が活躍できる」「この業務に携わることが挑戦になる」と思う人は多くはないのかな、と思います。

最も大きな理由として、上記項目には「質的調査」が含まれていません。

UXデザイナーがWebサイトを改善したり、メールマガジンのセグメントや文面の改善立案をすることは、もちろんあります。
ただしそれは、「ユーザー体験を改善するための手段だった」という意味合いが強く、UXデザイナーの本領を発揮する領域とは少し違っている。ということです。

実際「UXデザイナーを知りたい」という声は小さくないと感じていて、
インタビューをよく受けるようになりました。

「質的調査を行える人間が欲しいのか」が、わかりやすい試金石になるのではないでしょうか。

次回は、「UXデザイナーを採用すれば、UXデザインができる」という誤解について自分なりに書いてみたいとおもいます。

現役UXデザイナーの立場から、
・UXデザイナーを採用したいんだけど・・・
・UXデザイナー向けサービスを考えたいんだけど・・・
といったご相談、承ります。
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